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デザイナー人生に影響を与えた書籍9選【BCGDV花城×Goodpatch國光×THE GUILD STUDIO小玉】

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イベントレポート

2020/12/24

デザイナー人生に影響を与えた書籍9選【BCGDV花城×Goodpatch國光×THE GUILD STUDIO小玉】

デザインの最前線を走っている方々からリアルな学びを得るカジュアルトークセッション「ReDesigner Online Talk Vol.2」を11月26日にオンラインで開催しました。

大好評だった第一弾に引き続き今回も「デザイナー人生に影響を与えた書籍」をテーマに、本を持ち寄っていただきました!

デザイナー人生に影響を与えた書籍9選と読書法 〜ReDesigner Online Talk Vol.1より

誰もが知見を得るために活用している「本」を切り口として、登壇者のデザイナー人生に迫り、本の紹介のみならず本に出会った当時の状況やどのような影響を受けたかなど体験談を伺いました。

スピーカー

小玉 千陽(Chiharu Kodama) | ium inc. 代表 / 株式会社THE GUILD STUDIO 代表
THE GUILDのボードメンバーに小玉 千陽がジョインしました|THE GUILD

花城 泰夢(Taimu Hanashiro)|BCG Digital Ventures, Experience Design Director
「オープンな開発」で素早く良質なデザインを。エクスペリエンスデザイナーから見るBCGDVのカルチャー | BCGデジタルベンチャーズ

國光 俊樹(Toshiki Kunimitsu)|Goodpatch, Experience Designer
「残る」デザインを作る。グラフィックからUXへ領域を変えたデザイナーの責務|Goodpatch グッドパッチ

ファシリテーター

佐宗 純(Jun Saso) | 株式会社グッドパッチ ReDesigner事業責任者兼キャリアデザイナー
「デザインの価値を社会に広める」ReDesigner事業責任者のデザインへの想いと事業の裏側

1.Forms within Forms

小玉さん:真っ赤な表紙が特徴的な柴田文江さんの作品集『Forms within Forms』をご紹介します。柴田さんは女性のプロダクトデザイナーで、Twitterでよく見かけるvertebra03というお洒落なワークチェアをはじめ、無印良品の体にフィットするソファ、そしてオムロンの体温計などをデザインされている方です。

この作品集では写真だけではなくテキストで背景のストーリーが描かれており、柴田さんがあらゆる場面でどんな思考をしてきたのか、プロジェクト進行中の情緒的な部分まで垣間見ることができます。

── どのようなきっかけでこの本に出会いましたか?

この本は、自分がどんなデザイナーになりたいのか、明確な答えがなくて悩んでいた時に紹介されました。実は、購入してからしばらく本を開いていなかったのですが、ステイホームで家にいる時間が増えたので取り出して読んで、衝撃を受けました。

特に印象に残ったのは「形にも湿度がある」という言葉です。「そもそも『形(かたち)』という言葉は形式の『型(かた)』に、体を動かすために流れる『血(ち)』を合わせて『かたち』である」と書いたグラフィックデザイナー 杉浦康平さんの言葉を引用し、柴田さんはそれ作品で体現されています。私にとっては新しい物事の捉え方だったので刺激を受けました。

また柴田さんは論理的思考と直感や感覚を使いこなして、物と静かに向かいながら本質をつき、そしてアウトプットも美しいので、背筋がピンとなりました。

── 作品集はよく読まれるのですか?

美術館へ行くとよく買ってしまうので読まないまま家にたまりがちですが、作品集を通していろんな人の思考を知ることが面白くて、とても好きです。


2.NO RULES

國光:僕が選んだのは『NO RULES』で、NETFLIXのカルチャーが書いてある本です。一般的にNETFLIXのカルチャーは「自由」と言われていますが、その代わりに「能力密度」が高い状態を維持するところにこだわりを持っていることがこの本からわかりました。良い会社には、カルチャーの浸透と能力密度のバランスが重要だということですよね。

── なぜカルチャーの本に注目したのですか

僕はGoodpatchの組織崩壊を経験しているほか、クライアントワークで組織デザインやインナーブランディングに関わることが多いためカルチャーへの関心が常にあります。

インナーブランディングの案件ではクライアントの社内に入り込み、NETFLIXの自由×能力密度のような「組織の力学」をインプットした上で、どういう方向で組織づくりや仕組み作り・インナーブランディングをしていくかお話します。この組織の力学が会社によって全然違うため、それぞれの企業特有のカルチャーや仕組みを知ることは面白いですね。

── 印象に残ったことは?

コンテキストの話が印象に残りました。NETFLIXではコントロールではなくコンテキストを大事にしている。つまりこれを意訳すると、情報共有の透明性、指標の透明性を担保しているということになります。

NETFLIXのようなグローバル企業は、中央集権型の意思決定でプロダクト改善施策を実行してしまうとうまくいかないので、土地に合わせた改善が求められます。そのため、共通のカルチャーと意思決定の軸を持って組織としてコンテキストを共有しているという特徴が印象的でした。


3.一兆ドルコーチ

花城さん:僕のおすすめは『一兆ドルコーチ』です。僕自身がデザイナーとして、プレイヤーだけでなくマネジメントの役割も担う機会が増えた中で、ただマネジメントするだけでなくチームをエンカレッジしてコーチングしているロールモデルを探していました。その時に出会ったのがこの本です。

グーグルの創業者やアマゾン共同創業者など、シリコンバレーの名だたる創業者をコーチングしてリーダシップを育て上げた伝説の人、ビル・キャンベルの成功方法が修められています。この本を読むとリーダーとしてのマインドセットが一通り整いますね。

── 花城さんに刺さったところは?

「チームファースト」であることが印象に残りました。まさにGoodpatchさんでも「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」と言っているように、チームを最適化することが問題解決のために非常に重要だということです。

組織が崩壊の危機に直面した時に、ビルは「エゴと野心を超えてチームをまとめろ」、「問題そのものよりチームに取り組め」と伝えたそうです。さらに「犠牲をフォローする体制がチームワークだ」とも述べています。、いかに助け合える環境をつくれるかが重要であるという考え方は僕自身とても気に入っており、よく引用してチームメンバーに伝えています。


4.暇と退屈の倫理学

小玉さん:実務に直結する本ではないかもしれませんが、『暇と退屈の倫理学』という本がおすすめです。2年くらい前、物事の最短距離ばかり求める自分がつまらないと唐突に感じ、生き方について自分なりに考えていました。そんな時に友人からおすすめされたのがこの本でした。

哲学、社会学、経済学などのあらゆる分野から「暇」という現象と向き合います。例えば、暇であるか否か、また退屈であるか否かを4象限にまとめて考えたり、そもそも暇と思うの理由は何か?それはズバリどんな状態なのか?と考察しています。こうして暇や退屈という感情を通して、人生をどう生きるか考えるきっかけになる本です。

今、特に退屈について考えたい、と思っていなくても手にとって読んでみると、生きるということに不思議と勇気がもらえると思います。帯にも「わたしたちはパンだけでなく、バラも求めよう。生きることはバラで飾られねばならない」とあるように、普段仕事ばかりしていると、つい自分の興味関心を追求することを疎かにしがちです。しかし1冊目でご紹介した柴田さんの作品集からも感じましたが、やはりデザイナーは感覚を大事にしながらデザインすることが重要なので、自分の好きなことにもしっかり向き合っていたいと思いました。


5.THIS IS SERVICE DESIGN THINKING

國光:僕は現在エクスペリエンスデザイナーとして活動していますが、前職までエディトリアルやブランド、WEBのデザイナーだったので、UXデザインをしっかり学んだのはGoodpatchに入社してからです。しかもGoodpatch自体、最初はデジタルプロダクトのUIデザインに特化していたところから、サービスデザインや事業戦略の領域へ、そして現在は組織デザインまでクライアントワークの領域を拡大して来てきました。

そのため僕もクライアントワークの中で、デジタルプロダクトと事業戦略までをどう繋げたらいいのか悩んでいました。

そんな時に『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING』に出会いました。序盤に書かれている「サービスデザインとは何か?」という章で僕がまさにやりたかったことが言語化されていて、衝撃が走りましたね。これを機に組織の課題を解決するためのサービスデザインや事業グロースの思考方法を感覚値として掴めるようになり、大きなターニングポイントになりました。

── どんな人におすすめですか?

UIやUXの領域を考えているとついついプロダクト中心になりがちです。しかし本来の「ユーザーの成功」という目的に向き合うと、例えばカスタマーサポートなどを活用してプロダクト以外で解決した方が良いというシーンもあるはずです。こうした選択肢を広く取れるようになりたい人におすすめの本です。


6.Unlocking Creativity

花城さん:『Unlocking Creativity チームの想像力を解き放つ最強の戦略』をご紹介します。この本は「クリエイティビティを発揮するにはどうしたらよいのか」という問いに対して説明が展開されているのが面白いポイントです。また、日本の企業の中でデザイン思考がつまずいてしまう理由を米国MBAで教鞭をとる著者が解説しており、とても参考になりました。

── 印象に残ったところは?

クリエイティビティはは「反復」の中から生まれるということですね。「デザイン思考」に必要なプロセスを順番に実行すれば正しい成果が得られると思い直線的でリニアに進めることに固執してしまうケースを数多く見てきました。。しかしこの本を通じて、正しいデザイン思考とはプロセスを行き来することだと知り、「反復の大事さ」に立ち戻ることができてからは、いつでもプロセスに囚われず失敗を許容し、イテレーションする回数を重視するようになりました。

また、他に面白かったのは、デザイン思考の先駆者はレオナルド・ダ・ヴィンチだという考え方です。実はダ・ヴィンチの制作手法は、観察し、それからスケッチをして、模型を作って検証するプロセスを数多繰り返しているのです。反復したことによって生まれたクリエイティビティですね。凄いアイディアは一部の天才が偶然に閃くものではなく、アイディアを磨きこみ反復することでたどり着くことができると気付かされました。


7.アイデア No.333

小玉さん:雑誌『アイデア No.333 (エミール・ルーダー特集)』を挙げさせていただきました。大巨匠エミールのチャンレンジングなグリッドや活字の使い方から彼のストイックな姿勢が垣間見れたり、「現代のタイポグラフィのため」にという他誌で掲載されたエミールの評論を和訳して再掲載していたり。作品の紹介とデザインタイポグラフィに対する評論が集められた本です。誌面もエミールの思想に基づいたグリッドが使われデザインされており、魂の詰まった一冊です。

ある時代には明瞭的またある時代には外形的な様式性が強調されるように、タイポグラフィは時代と関係している、というエミールの言葉通り、文字は情報の原点であることを再認識でき、文字を扱う側の責任感を与えてくれるので、この本をバイブルに選びました。

こちらは2009年3月刊行のもので、大学へ行きながら通っていた専門学校の先生におすすめされて購入しました。当時は学生で一冊3000円する『アイデア』は高いなと思っていましたが、どの号もとても刺激的で、今思うと惜しまずに当時からもっと買ってたくさん読んでおけばよかった、と思うくらい良書ばかりです。


8.デザインするな

國光:有名なアートディレクターであるDRAFTの宮田識さんを藤崎 圭一郎さんが取材した本、『デザインするな』を選びました。冒頭に小玉さんが紹介していた柴田さんと同じく、藤崎さんも専門学校の時の先生です。当時藤崎先生が僕の大好きなDRAFTの宮田さんについて書いた本があると知って、この本を何度も何度も読みました。

初めて読んだ頃、僕はまだ学生だったので書いてある内容を体感できていませんでしたが、なんとなく心にはずっと残り続けていました。そこから月日が経ち、デザイナーとして経験を積んできて「そういうことだったのか」と見えてきたのがここ数年で、改めて見返すとすごく染みる言葉がたくさんあるのでこの本を選びました。

やはり印象的なのは、実際に広告や物のデザインに向き合うことが多かった当時のデザイン業界に対して、社会という広い視点でデザインを捉えているところです。人や企業がどうあるべきか思い描いてデザインすることが本質的なデザインであるということがこの本からわかります。

また実際の宮田さんの仕事のスタイルとして、企業に深く入り込んでデザインすることも書かれています。例えば営業する人、販売、流通経路まで知らないことはないというほどクライアントのことを知り尽くして向き合う姿勢を垣間見ることができ、今僕がGoodpatchでやっているクライアントワークと通ずるところが多く、まさに学生の時に思い描いたデザイナーの理想像がここに詰まってると思います。


9.大事なのは今のあなたじゃない。この先、どのくらい上を目指そうと思っているかだ

花城さん:僕のデザイナーとしてのバイブルは『大事なのは今のあなたじゃない。この先、どのくらい上を目指そうと思っているかだ』です。「どこを目指すか、どんな人になりたいかというビジョンこそ、君の最大の財産だ」というインパクトある言葉にユニークでわかりやすい例を添えて綴られているのがこの本の特徴です。

僕自身に特に刺さったのは「目指すゴールがなければ得点するのは難しい」という言葉です。例えばナポレオンを目指しているのか、大企業の社長なのか、サラリーマンなのか。業界で一番なのか、世界で一番なのかという「問い」が置かれています。この本を読むまで、そういう考え方をしたことがなかったので驚きましたが、スタートアップの創業者など成功している人は世界や業界で1番を目指している人が多いと感じているので、クリエイター/デザイナーもそれくらい野心がある方がいいなと考えています。ゴールに悩みがある時には、この本を読み返しています。

またプラクティカルな内容も紹介されています。例えば、失敗した時、「パートナーが必要だった」「部長が意見を聞き入れてくれなかった」「予算が必要だった」「他のプロジェクトで時間がなかった」「クライアントがアイディアを骨抜きにした」…という言い訳がありますよね。正直、どれも心当たりがあるものです。この本で紹介されている代表的な言い訳を見て「言い訳は通用しない、すべて自分のせいだ」と自分の言動を振り返っています。

自由なカテゴリでおすすめする4冊目は?

小玉さん: 「はじめての編集」ですね。これは大学生でフリーペーパーを作っていた頃に読んだ本です。編集者の菅付雅信さんがその時々でアートディレクターさんと連携してどういうクリエイティブをつくってきたか、書かれています。当時私は誌面をデザインする最終アウトプットのみに関わっていたので、この本を読んでデザインという行為は誌面だけではなく、その手前の工程である編集力も大事だと気づかされ、衝撃を受けました。これからデザインを学んでいきたいという初学者の方にもおすすめです。

國光:「ハイコンセプト」ですね。この本では「機能ではなくデザイン」とか「議論より物語」というストーリーテリングの重要性が書かれていて、Goodpatchに入って重要だと体感した内容が丸々詰まっています。実務に関わる本ではないですが、考え方とか大事なことが書かれているのでおすすめです

花城さん:「THE MAKING OF A MANGER(英語版のみ)」というFacebookのプロダクトデザインのVPをやられていた女性の本です。「1兆ドルコーチ」に近いところもありますが、マネージャーとしてデザイナーのメンバーとどう向き合っているかという視点を得ることができる本はとても貴重です。採用やチームのマネジメントも、プレイヤーとしての役割も両方やるロールモデルとしても参考にしています。

ただの読書で終わらせない工夫とは?

小玉さん:読んだ本について人と話すことが一番効果的な気がしています。人に話そう、この本がとても良かったから紹介したい、教えてもらった人と感想を話し合いたい、などと感じた本は、不思議と記憶に残っていますね。

國光:記憶のひっかかりになる読み方をしています。だから似たような本を同時期に買うことも多いですね。こういうことを他の本で言ってたなと思い出して、他の本を引っ張ってきてパラレルにそこを読んだり。本同士が記憶の中で繋がる状態を意識するようになってから、読んだ本の内容を引き出しやすくなりました。

花城さん:國光さんと似ていて本同士を記憶で結びつけるのですが、僕は最近Miroにまとめています。デザインを中心に、関係する本をマインドマップとしてまとめて連想的に整理しています。

最後に

「ReDesigner Online Talk Vol.2」のレポートより、おすすめ書籍とその裏にある登壇者の思考やストーリーを感じていただけましたか?

ご登壇いただいた3名の会社では、共に働くデザイナーを探しています。ご興味がある方は、下記リンクからお気軽にご相談ください。

❏ 小玉さん率いるTHE GUILD STUDIOの概要はこちら
THE GUILD STUDIOを立ち上げ、新入社員2人を迎えました|note
ご興味ある方は、THE GUILDのTwitterアカウントまでご連絡ください。

❏ 花城さんが所属するBCG Digital Venturesの採用情報はこちら
Experience Designer

❏ 國光が所属するGoodpatchの採用情報はこちら
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この記事を書いた人

ReDesigner

ReDesignerは、デザイン会社によるデザイナー向けのキャリア支援サービスです。 企業とデザイナーの間に入り、独自のオンラインアンケートや面談を通じて、 デザイナーの特性やキャリアの指向性を理解した上で適切なマッチングを行います。単純に紹介をするだけでなく、デザイナー特化型の求人票も用意しており、デザイナーが働きやすい環境設計も支援します。

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