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質の高いユーザー体験と安定した組織づくりで「広義のデザイン」実現へ。マネージャーとしてキュービックに参画する面白さ

デジタルメディア事業やデジタル集客支援事業などを展開し、マーケティングとデザインを通じて社会に貢献している株式会社キュービック。同社は「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を。」というミッションのもと、人々のニーズに応える体験創出に注力しています。このミッションの実現に向け、2019年にはエクスペリエンスデザインセンター(以下、XDC)を社内に設立。UI・UXの枠を超え、ユーザーとのあらゆる接点をデザインする「広義のデザイン」ができる組織を目指しています。
しかし、新しい取り組みには当然ながら乗り越えるべき壁が存在します。急速に進化するデジタル環境、拡大するデザインの役割、多様化するユーザーニーズ、そして組織の成長に伴う構造的な変化など、同社は、日々新たな局面に直面しています。これらの課題にどのように向き合い、成長を続けているのでしょうか。設立4年目を迎えたXDCの取り組みや変化、目指しているデザイン組織像について、執行役員兼CDOの篠原さんにお話を聞きました。
篠原 健(Takeshi Shinohara)|株式会社キュービック 執行役員/CDO
2012年株式会社ドリコムに入社。クリエイティブ領域の執行役員として、既存事業・新規事業に跨るデザイン・アートディレクションの他、デザイナー採用の戦略設計・実行も兼任。その後、株式会社Speee、株式会社NextBeatではCDO(Chief Design Officer)として、全メディアのアートディレクション、CI・VI刷新などの企業ブランディング強化、クリエイティブ組織開発などを経験。2019年3月キュービックへ入社し、CDOに就任。コーポレートブランディング、事業PRの強化、デザイン視点での組織開発といった「デザイン経営」を実行。
大きく分けて3つの事業があります。一つ目は、デジタルメディア事業です。現在、7つの自社メディアを企画・運営しています。例えば、"永く愛用できるもの"を専門家たちが厳選して紹介するお買い物メディア「your SELECT.」、ウォーターサーバーに特化し、一人ひとりに合った製品選びをサポートする「ミズコム」、転職活動や新しいキャリアの選択を支援する「ミライトーチ」などがあります。
二つ目がデジタル集客支援事業です。これまで培ってきたマーケティングの知見を生かし、デジタル広告の運用代行、SEOのコンサルティングや記事執筆、サービスサイトやメディアサイトの制作支援をしています。三つ目に、新規事業です。子会社であるアンパサンド株式会社とともにインキュベーション事業に取り組み、M&Aや新規事業創出による事業の多角化を目指しています。

デザインマネジメントに加えて、デザインの考え方や手法を経営に活用する「デザイン経営」をもとに、ビジネスモデルや組織文化、顧客体験などの向上に取り組んでいます。その一環として、2019年に「エクスペリエンスデザインセンター(以下、XDC)」を社内に設立しました。
XDCは2019年に新設された組織で、私たちが展開しているサービスにおいて「広義のデザイン」を実現することを目指しています。ここでいう「広義のデザイン」とは、オンライン・オフライン問わず、サービスやメディアに関わるすべてのユーザーとの接点での体験設計を指します。
私たちの目標は、サービス利用時の体験を一時的に向上させるだけではありません。マーケティングファネルでいう、「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」すべてのプロセスでユーザーのニーズに沿う体験を提供したい。そして、ユーザーとの間に持続的な関係性を構築し、最終的にはユーザー自身が私たちのサービスやプロダクトを自発的に紹介したり、発信したりしてくれるような状況を作り出したいと考えています。

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約40名のメンバーのうち、デザイナーが約20名、プロジェクトマネージャーが約10名、SNS動画制作が約3名、コーポレートコミュニケーションが約5名在籍しています(※2024年10月時点)。
メンバーはそれぞれ5つのチームに分かれています。具体的には、UIデザインを担当するデザインチーム、UXデザインを担うユーザーエクスペリエンスチーム、プロジェクトの管理・進行を担当するPMOチーム、社内のコミュニケーションを活性化させるインターナルコミュニケーションチーム、事業成長に寄与するコンテンツを制作する映像・SNSチームです。
設立時から掲げている「広義のデザインができる組織」に向けて着実に前進できていると感じています。当初は、デザイン業務のすべてを外部に委託していましたが、現在では社内のデザイナーが増え、UIデザイン・UXデザインの知見が社内に蓄積されてきました。
これにより、私たちのサービスやメディアを利用するユーザーの体験の質は、以前よりも確実に向上しています。例えば、情報は見つけやすくなり、操作性も改善されました。他にも、ユーザーインタビューなどの調査の機会が増えたことで、ユーザーのニーズをより深く理解でき、コンテンツや機能に反映できるようになりました。
ただ、すべてのユーザーとの接点での体験設計については、まだ試行錯誤の段階にあります。今後、サービスやメディアを利用する可能性のある、まだ認知していない方や、興味・関心を抱いている段階の方々にも、よりよい体験を届けたい。そのためには、CXやBIの領域にも着手する必要があると考えています。
しかし現状では、CXやBIに関する深い知見があり実践できるのは、私と数名のマネージャーのみです。そこで、体系的に学べる学習の仕組みを整備したいと考えています。具体的には、その道のスペシャリストに業務委託で参画してもらったり、定期的なワークショップを開催したりなどを検討しています。これにより組織全体のCXやBIに関する理解と実践力を高め、より包括的なユーザー体験の設計・提供を実現したいです。

メンバーの長期的なキャリア発展のため、環境を整えることです。私は自社に特化したデザイナーではなく、マーケット価値の高い、汎用性のあるスキルを持った人を育てたいと考えています。どのような状況でも、すぐに活躍できるようなスキルを身につけてほしいんです。そのために、社員の様々なチャレンジを後押ししています。例えば、「キャリアフライト制度」と呼ばれる、3ヶ月限定でワンランク上のポジションに抜擢する制度の活用を促したり、アサイン時に希望するプロジェクトを聞くようにしたりしています。
XDCでは半期に一度、5つあるチームごとに「シミュレータの作成・改善」「新規メディアの立ち上げ」など事業要望を提出してもらい、すべてのチーム編成を可視化しています。チームを作る際には、パフォーマンスや創造性が向上するような組み合わせをメンバー全員と議論をしながら、Will Can Mustで差配しています。
ユーザーだけではなく、メンバーのキャリア体験自体をデザインし、彼らが自己実現できる土台をつくる。これにより、よりよいアイデアの創出やチャレンジに前向きな組織文化を醸成し、ひいてはユーザーの体験も向上できる循環が生まれると考えています。

まず一つ目は、分業化の解消です。これまで5つのチームに分かれて専門性を高めてきましたが、それぞれの領域に特化しすぎるあまり、サービスの全体像を見失いがちになっていると感じています。そのため、次のフェーズでは各メンバーの役割を段階的に広げていこうと考えています。例えば、UIデザイナーがUXの領域に、UXデザイナーがCXの領域に踏み込んでいく。これにより、異なる視点や分野からのよい影響を得やすくなるのではと考えています。さらに、ユーザー体験を包括的に考え、実装していける新しいチームの立ち上げも計画しています。まだ構想段階ですが、このチームが各専門領域をつなぐハブのような役割を果たせたらと構想しています。
次に、デザインマネージャー層の強化を図っていく予定です。組織が成長する中で、デザインマネージャーの重要性がますます高まっています。しかし、スキルと経験を持つマネージャーの採用がなかなか難しい。この課題に対応するため、採用活動に力を入れていきます。同時に、柔軟な雇用形態でのチーム編成も検討しています。フリーランスとして活動している経験豊富な方々に協力いただき、組織の柔軟性と専門性を高めつつ、安定した運営体制を築いていきたいと考えています。
デザインマネージャーに求める資質は、大きく分けて2つあります。1つ目は、「深く思考すること」を楽しめる姿勢です。制作スキルはもちろん大事なのですが、どのようなスタンスやマインドを持っているかも重要視しています。単に言われたものを作るのではなく、本質的な課題を考え、創造的な解決策を提案する姿勢が、最終的にはよりよいユーザー体験につながると考えています。
2つ目は誠実さです。現在のチームメンバーは、とても真摯な態度で仕事に取り組む人が多いんです。嘘をついたり、人をけなしたりする方とは、協力関係を築くのが難しいかもしれません……。XDCでは、役職や経験年数に関わらず、誰もが意見を言える議論の場を多く設けており、率直な意見交換が日常的に行われています。このような垣根がない、フラットな環境を維持するためには、お互いを尊重し合う姿勢が不可欠だと考えています。
デザインマネージャーの役割は、大きく実務とマネジメントに分かれます。
実務面では、手を動かしてデザインを制作していただきます。マネジメント面では、5〜10人程度のチームメンバーをまとめ、各メンバーと週1回の1on1ミーティングを実施し、働きやすい組織文化を醸成することが主な役割です。
実務とマネジメントのバランスについては、個々のマネージャーの判断に委ねています。そのため、一括りに「マネージャー」といっても、その働き方にはグラデーションがあります。例えば、業務時間の4〜6割を制作に充てているマネージャーもいれば、マネジメントに徹しているマネージャーもいる。それぞれのマネージャーの強みやチームの状況に応じて、柔軟な働き方を推奨していますね。

当社の魅力の一つは、多様な経験を積める環境が整っていることです。ブランド、企業文化、組織デザイン、コミュニケーション、プロダクトなど、有形・無形のデザインに幅広く携わっていただける機会があります。みなさんには、ご自身の興味や成長したい方向性に応じて、挑戦できるような支援をしています。そのため、デザイナーとしての視野を広げ、多角的なスキルを磨けるのではないかと思っています。
また、ユーザー理解力の向上や実践に基づいたリサーチスキルを身につけられます。私たちは徹底的にユーザーと向き合い、理解することを重視しているんです。そのため、ユーザーインタビューやフィールドワークなどの調査を積極的に実施。弊社が独自で開発したデザイン思考フレーム 「CUEM」を活用しながら、1年間でおよそ40,000件以上のユーザーの課題解決を実現しています。
はい、組織づくりを実践しながら学べます。当社は成長期にあり、新しいメンバーが次々と入社しています。そのため、全社をあげて組織基盤を築こうとする過程に参加できることは、マネージャーとして貴重な経験になるのではないでしょうか。
弊社ではハイブリット勤務を取り入れておりますが、働く人の状況に合わせて柔軟に対応を検討しています。名古屋や金沢などで働くメンバーもいます。
また、ワークライフバランスにも配慮しており、社長自らが育休を取得して男性の育休取得を推奨したり、時短勤務など個々の事情に応じた柔軟な勤務体制を整えたりしています。
上下関係にとらわれないフラットな組織文化を目指し、発言がしやすい環境作りに取り組んでいます。XDCの全メンバーが参加するミーティングを毎週開催しており、これが組織内交流の場となっています。ワークショップや食事会、近況報告などを通じてメンバーの関係性を深めています。以前は、神保町にカレーを食べに行ったり、Googleマップ上でメンバーの地元を疑似的に旅行したり。チーム間の壁を取り払い、部門を超えた横のつながりの強化につながっている取り組みですね。
私たちは今後、デザインする範囲を広げていきたいと考えています。現状ではメンバーのほとんどがメディア事業に取り組んでいますが、これからはプロダクト開発など、まだ着手できていない分野のデザインにも力を入れていきたいです。「広義のデザインができる組織」を目指しながら、ユーザー体験の質の向上も図っていきます。
デザイナーの役割は、今や広範囲に及んでいます。デザイナーの力が重要視されてきていると実感する一方で、単に意匠を形にするだけでなく、ビジョンやアイデアを言語化するコミュニケーション能力がこれまで以上に求められています。多くのデザイナーが、他部門との建設的な対話に課題を感じながらも、よりよいデザインや体験を生み出そうと日々奮闘しています。その姿勢こそが、会社の、そしてデザイン業界全体の未来を作っていくのだと私は信じています。
XDCでは、組織全体にデザイン思考を浸透させ、よりよい体験を生み出し、業界の未来を形作っていくことを目指しています。デザインの力で企業や業界、社会をよりよくすることは決して簡単なことではありません。だからこそやりがいがあり、価値のある挑戦です。この挑戦に共に取り組んでくださる方々のご応募を心からお待ちしています。

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この記事を書いた人

佐々木まゆ
1992年生まれ。ライター。デザインコンサルのロフトワークを経て、ライターとして独立。ウ ェブメディアにてインタビュー記事や事例記事を執筆。
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