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人の本質に向き合い、社会の段差を埋めて摩擦をなくす。キュービックCDO 篠原 健さんの想い

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インタビュー

2021/10/22

人の本質に向き合い、社会の段差を埋めて摩擦をなくす。キュービックCDO 篠原 健さんの想い

今回お話を伺ったのは、株式会社キュービック執行役員兼CDO(Chief Design Officer)として活躍されている篠原健さんです。ReDesignerは2019年にも篠原さんにインタビューを行い、これまでのキャリアやデザイン組織の今後についてお話を伺いました。そこから2年の時を経て、キュービックのデザイン組織XDC(eXperience Design Center)は拡大を続けています。2年間での変化やデザイン組織の成長の道のりを振り返ってもらいました。

篠原 健(Takeshi Shinohara)|株式会社キュービック 執行役員/CDO
1972年長野県茅野市生まれ。
映画製作会社に新卒入社後、株式会社博報堂i-studio、株式会社McCann Erickson Japanなどで、映像やスチル、デジタル、紙媒体などの企画からデザイン、アートディレクションを手がける。
2012年株式会社ドリコムに入社。クリエイティブ領域の執行役員として、既存事業・新規事業に跨るデザイン・アートディレクションの他、デザイナー採用の戦略設計・実行も兼任。
その後、株式会社Speee、株式会社NextBeatではCDO(Chief Design Officer)として、全メディアのアートディレクション、CI・VI刷新などの企業ブランディング強化、クリエイティブ組織開発などを経験。
2019年3月キュービックへ入社し、CDOに就任。コーポレートブランディング、事業PRの強化、デザイン視点での組織開発といった「デザイン経営」を実行。参加型アニメ「モモウメ」のグロースなど新規領域も手がけ、さらなる事業成長をけん引する。

前回の記事はこちら:
映画制作者からCDOへ。キュービック篠原さんが考えるデザイン組織のあり方とは

社会問題の解決のために、段差を埋めて摩擦をなくす

──まずは改めてキュービック社が目指していることを教えていただけますか?

株式会社キュービックは、中核事業としてデジタルメディアの運営を行っています。その根底には、コアバリューとして「ヒト・ファースト」、ミッションには「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を。」ということを掲げています。ここには、人のインサイト(深層心理)や本質に向き合って発見した問題や課題を解決し、人を前進させたいという想いが込められています。

今、日本はさまざまな問題に直面しています。少子高齢化、都市と地方の差、貧富の差、リテラシーの差などいろいろな段差が生まれている現状があります。このように社会に偏在する段差を埋めて摩擦をなくすことをキュービックは目指しています。

参考:キュービックのデジタルメディア事業

──前回のインタビューから2年が経ちましたが、その間に会社に変化はありましたか?

2年前に立ち上げフェーズだったSNSアニメ事業のモモウメがYouTube登録者数50万人超の規模になるなど、当時の新規事業は随分と成長しました。また、さらに複数の新規事業が生まれました。インターンのマッチングサービスであるドットインターンは、これまでメディアとして情報を伝えてきたキュービックが、サービスとして提供する新しい価値といえます。このようにメディアからサービスへと提供価値の幅が広がっており、これらすべてに「社会にある段差を埋めて摩擦をなくす」という思想が通じています。

──企業としてどうあるべきかという議論に、CDOである篠原さんはどのように関わられるのですか?

僕はCDOとして、2019年にCI(コーポレート・アイデンティティ)を刷新し今あるミッションを整理して言語化する動きをリードしました。CIには会社のミッション、ビジョン、コアバリュー、クレドなどが含まれますが、これらを言語化した後、VI(ビジュアル・アイデンティティ)に落とし込んでいきました。

会社のブランディングキーワードをポスターとしてビジュアル化したもの

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また、これらが言葉としてだけ掲げられるのではなく、働くメンバーが普段から使えるスキルに変換する必要があると考え、Goodpatchさんとともにこの課題に取り組みました。このように経営の中心となる思想を策定する際にも、CDOである自分やデザイナー陣に多くの裁量が与えられています。

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「広義のデザインができる組織」への成長の道のり

──篠原さんは前職やそれ以前にもCDOとしての経験をされていますが、なぜキュービックにジョインしたのですか?

キュービックの代表世一は、一番大切なコアバリューとして「ヒト・ファースト」を掲げていました。僕は世一と初めて話したとき、「この会社はマーケティングの会社だけど、やろうとしていることはデザインだな」と思ったんです。元々世一は独学でデザインを学んでいたこともあり入社前から話が合って、こういう社長だったら本当の意味でデザインを経営に取り込んで生かせるのではないかと思い、転職を決めました。

──入社後、篠原さんはキュービック内でXDC(エクスペリエンスデザインセンター)というデザイン組織を立ち上げられました。立ち上げから現在までの変遷について教えていただけますか?

僕が入ったとき、社内にデザイナーは充分におらず、デザインは全て業務委託の方が担っていました。そういう状態だとどうしても受託的なものづくりになり、デザイナーはビジネス側から出た要望を形にするという役割にとどまってしまいます。

そこでまず行ったのがビジョンを立てることです。3年を目安に「XDCを“広義のデザインができる組織”にする」ということを決めました。

その上で、一番最初に中心となるUIデザインチームを作りました。まずはサービスのインターフェイスを作れる人材を育て、彼らが事業に関わっていくことで、能動的に施策や企画を立案できる状態を目指しました。その約1年後にUXデザインチームを作りました。ただUXデザイナーは採用が難しく、会社に馴染んでもらう準備も十分ではありませんでした。そこで、社内のマーケターの中からすでにUXデザイナーのような動き方や仕事をしている社員に異動してもらい、UXデザイナーとして育成したんです。この方法はXDCの成長の速度を高める上で成功だったと思います。

現在XDCは発足から2年半が経ちますが、今年に入ってブランドデザインチームを作り、会社やサービスがどういう立ち振る舞いでユーザーとコミュニケーションをとっていくべきかを考えています。このように広義のデザインを実現できる組織を目指して、まずはビジョンを描き、それを成立させるためのチーム作りを行っています。

──XDCは現在何名ほどの規模なのでしょうか?

デザイナーが約20名、ディレクターとPM(プロジェクト・マネージャー)が約10名、開発チームが約10名で、全部で40名ほどです。

3年後には、デザイナーが50〜60名という規模の組織にしていきたいと考えています。事業ごとにUI、UXデザイナーが必ず入り込み、加えて、XDC本部としてブランドデザイナー、サービスデザイナー、ストラテジストデザイナーがいるという形を検討中です。また、新規事業開発に多様な領域のデザイナーが携わっていく状態を作りたいです。

CDO自身が手を動かし、メンバーの能動的な挑戦を促す

──XDCはこれからも拡大を続けていくと思いますが、現在課題に感じていることはありますか?

まず1つが、メンバーのより能動的なコミュニケーションを生み出すことです。やはりもともと受託的に仕事をしてきたチームが能動的な働き方に変わっていくというのは、簡単なことではありません。スタートして2年半、少しずつチームのカルチャーを能動的なものに変えてきたものの、新しいメンバーであっても意識の差が生まれないような環境作りは、僕自身と組織全体にとって大きな課題だと思っています。

もう1つが、デザイナーとマーケターの連携を促進することです。数字を担うマーケターと提供価値を担うデザイナーがせめぎ合い、意見を交換して高め合うことで、ユーザーにより良い品質の新たな価値を届けられると思っています。

──キュービックにおいてデザイナーはどのような役割を期待されているのでしょうか?

まず大前提にあるデザイナーの役割は、キュービックが提供しているメディアやサービスの成長に貢献することです。企画から体験設計をして、情報設計、ビジュアル設計、UIデザイン、グロースハックと、PDCAを回すところまで求められます。そこにはやはり意匠やテクノロジーのスキルが必要です。その上で、新規事業開発にも必ずデザイナーが入り、ユーザーへの提供価値を考えて検証を行っていきます。

またもう1つ大切な役割として、キュービックという会社がどういう社会の問題を解決し、どういう価値を提供したいのかを外に発信するコミュニケーションデザインがあります。どう立ち振る舞えば、僕らの姿勢がユーザーやパートナー(協業する企業やクライアント企業)に伝わるか、というところまでをデザイナーが考え形にすることが期待されています。

──新規事業のアイデアはどのように形になっていくのでしょうか?

最初のアイデアはビジネスサイドから出ることもあれば、デザイナーが起案することもあります。SNSアニメのモモウメや音声コミュニケーションプラットフォームkoenare(コエナレ)はデザイナー主体で立ち上がったものです。

こういった成功事例はあるものの、デザイナー発信で「こういうものを作ってみたら面白そう」というアイデアがあっても、ほとんどは実際に作るラインまで持っていけていないのが現状です。もちろん百発百中というわけにはいかないので、小さく作って当たるかどうか社内で検証することが大切です。

デザイナーがこのようなチャレンジを能動的にできるよう、僕自身が自分で作って見本を見せることを心がけています。koenareは僕が企画して形にした社内ラジオのようなもので、番組のバナーを僕が作ることもよくあります。「これ1時間で作ってるから」と言って見せると、「まずい、篠原さんが作ってる」と手を動かせていないデザイナーが焦るんです。バナーを作るCDOなんて他にいないんじゃないでしょうか。でも僕は組織全体の品質を上げたいと思うので、デザイナーたちの前で自分で手を動かしています。

篠原さんがデザインした社内ラジオのバナー

成長のためには、自分でフィードバックをすること

──とてもフラットな組織だということがエピソードから伝わってきます。XDCはどんなカルチャーを大切にしていますか?

おっしゃる通りフラットであることが1つの特徴です。それは、トップダウンではなくボトムアップで動く組織にしたいからです。事業を立ち上げるためにはまず小さく作って試すことが必要なので、みんなで挑戦するカルチャーを意識して作っています。

また、これからはもっと周りを巻き込んでいけるデザイナー集団になりたいです。今はどちらかというと「こういうものを作りたいんだけど」と外から言われ巻き込まれていく状態ですが、もっと僕らデザイナーの思いが周りを巻き込んで、それをユーザーに届ける提供価値にしていきたい。これが僕の理想とするXDCの未来です。

──そういった組織を作るために、採用では応募者のどういった部分を見ているのですか?

もちろんスキルは見ます。意匠、スタイリングといった表層がある程度作れることや、深い部分までインサイトを抽出できることは、全ての職種に求めています。

一方、どんなマインドを持っているかも重視しています。先程からお伝えしているとおり、XDCではデザイナーが能動的に挑戦することを求めています。ですから、挑戦に後ろ向きではない人、たとえ今すぐはできなくてもやりたいことがあったり、自分で火をつけられなくても火をつけられれば力を思い切り発揮できたりしそうな、ポテンシャルを感じる人を採用しています。

求めているのは、誠実で、泥臭くて、挑戦的であること。キュービックにはこの3つを持っている人が多いですし、こういう人は一緒に仕事をしていて気持ちいいなと思います。

──キュービックで特に成長するデザイナーの特徴はありますか?

おそらくデザイナーに限らず全ての職種に言えると思いますが、成長する人は、もらったフィードバックを素直に受け止めるだけでなく、自分がやったことに対して自分自身でもフィードバックできると思います。最初はフィードバックをしてもらえる環境があるかもしれませんが、その環境にいつまでいられるかはわかりませんよね。だからこそ成長し続けるには自分でフィードバックができないといけない。

そのために、外から自分を見られる状態を作っておく必要があります。マーケットと比較したり、他の人の記事を見て比較したり、本を読んで比較したり。その中で自分には何が足りていないのかをちゃんと分析して自分でフィードバックできることが、僕の考える成長できる人の特徴です。こういう人と一緒に働きたいとも思います。

──最後にひとことメッセージをお願いします。

キャリアに悩んでいる人はいろいろな人に相談する機会があると思います。その時、僕が勧めたいのは、自分の中に1つ「こうだ」と思うものを持って相談しに行くことです。「自分はこういうことをしてきました」でもいいですし、「未来でこういうことをしていきたいんです」とか「自分としてはこう思っているんです」とかでもいい。そういうものを持った上で話をすれば、選択肢を提示してもらった時にピンとくる判断材料になります。ぜひお声がけいただければ、僕も相談に乗ります。

編集部より

今回は2年越しに篠原さんのお話を伺うことができました。拡大中のデザイン組織で活躍したい方、またデザイン組織の立ち上げや成長にコミットしている方に読んでいただければ幸いです。

篠原さんは10月23〜24日に開催されるDesignshipにて「デザイナーが作る新規事業で意識すること」というテーマで登壇予定です。この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひご視聴ください!
参考:Designship 2021 セッション情報

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この記事を書いた人

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