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デザインを通して、社会課題をチームで解決したい。KOEL 豊田 修平さんが語る、NTTコミュニケーションズでデザインに挑戦する魅力

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インタビュー
2023/12/12
今回インタビューをしたのは、NTTコミュニケーションズのデザインスタジオ「KOEL」でUIデザイナーを務める豊田 修平さんです。
学生時代は建築設計を専攻。建築の勉強を通じて、豊かな空間が、ハードだけでなく、そこで行われている人々の活動を誘発したり、補佐したりするサインデザインや体験デザインなどの、ソフト的な側面もあって成立していることを知ったことから、徐々にグラフィックデザインやコミュニケーションデザインに興味を持ち、新卒でソニーに就職しました。「ゼロからイチを立ち上げる経験をしたい」という想いのもと、フリーランスへ。再び、デザイナーとしてのスキルアップを求めて選んだのは、NTTコミュニケーションズでした。
数ある企業の中で、なぜKOELを選んだのか。これまでのキャリアと共に伺いました。
豊田 修平(Shuhei Toyoda)|エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 KOEL UIデザイナー
早稲田大学理工学部建築学科を卒業。新卒でソニー株式会社に入社し、コーポレートフォントのリニューアルやヨーロッパ本社にてビジュアルマーチャンダイジングデザインの統一に携わる。その後、フリーランスとして独立し、国内外の様々な規模のブランディング・コミュニケーションデザインに従事。2023年からKOELに参画した。
実家が建設業を営んでいて、建築図面が身近にあったことが原体験のひとつかもしれません。子どもの頃に使っていた落書き用紙が建築図面の裏側で、青焼きで複写された図面を見て、その上に落書きをしたり、この形は面白いなと考えたりしていました。
小学生の頃から、図工の授業で絵を描いたり、工作で何かを組み立てたりすることが好きでした。一方で、デジタルなものも好きで、ゲームやパソコンにも興味を持ち、高学年になると、親が買ってくれたWindows 3.1搭載のパソコンに、子ども向けお絵描きソフト「Kid Pix」が入っていて、毎日のように遊んでいたのを覚えています。Kid Pixは、とても楽しいユーザーインターフェースを持ったソフトで、例えば、絵を消すときは、ダイナマイトで爆発させて消したり、ペンで線を描こうとして、マウスを動かすときにも、鉛筆と紙が擦れるようなシャリシャリと音がしたりする仕掛けがあって、夢中になって書いては消してを繰り返していました。パソコンによって、クリエイティブの幅が一気に広がりましたね。
その後もパソコンを使って何かを作ることに熱中。プログラミングの知識がなくても簡単にオリジナルゲームが作れる、アスキーの「ツクール」シリーズを使って、RPGやシューティングなどのゲームを作ることにハマっていきました。その熱はしばらく続き、他にも、子どもでも直感的にインタラクティブなコンテンツが作れる「Klik&Play」といったソフトにも触れ、制作したゲームを、フリーソフト投稿サイトに投稿。たくさんの方がダウンロードしてくれたことが嬉しかったですね。

はい。建築が身近な存在であったことから、建築に関わる仕事が、いちばん具体的にイメージしやすかったのだと思います。
物理や数学などを学ぶ工学部の建築学科が多い中、塾の先生が東京藝術大学に美術学部の建築科があることを教えてくれました。魅力を感じ、ものづくりに注力できるのではないかと思って、デッサンや建築写生、立体構成などを学び、東京藝術大学を受験したのですが、結果は不合格。最終的には早稲田大学理工学部の建築学科に進学することになりました。
ただ、結果的には早稲田で建築を学べたことはとても良かったと思っています。さまざまな授業や課題を通じて、物理や数学などの工学的な観点に加えて、社会学や行動学、歴史や哲学など、建築文化を形づくる文化的な広がりを感じられて、ひとつのデザインを成立させるための多様な視点を学べましたね。
建築設計に携わりたいという思いは漠然と持っていましたが、勉強を続ける中で、自分の興味が建築そのものを設計することから、そこで行われているコミュニケーションや、それを誘発するグラフィックなどの、よりソフトな側面に移っていることに気がつきました。
より深くグラフィックデザインについて知りたいと思い、大学の図書館にあったデザイン関連の雑誌や書籍を読み漁る中で、タイポグラフィに関する書籍を専門に扱っている、朗文堂という出版社がタイポグラフィ・スクールを開催していることを知りました。短期のスクールでしたが、実際に受講してみたところ、タイポグラフィについて、その審美的な側面だけでなく、背景にある歴史や技術変遷なども含めてアカデミックに教えてくれて、どんどん理解が深まっていきました。
その後も、インターン先の建築設計事務所が作品集を出版するとなったときに、その書籍のエディトリアルデザインを手伝わせてもらったり、TA(ティーチング・アシスタント)として関わっていた大学の授業で講座のまとめ本を作ってみたりと、グラフィックデザインを実践する機会にも恵まれたんです。その奥深さや面白さを経験したことで、卒業後の進路はグラフィックデザインの分野へと絞っていきました。
当時、いわゆるグラフィックデザインでの就職先というと、広告業界がその主たるものでした。ただし、大手の広告業界のインハウスデザイナーは美術大学出身の人を採用することがほとんどで、それ以外の大学からの応募は、スキルの有無に関わらず門前払いということも多くありました。
少ない応募先の中で、ソニーは出身大学の関係なしに広く受け入れてくれる姿勢があって。私も歴史あるブランドを創り上げている会社で腰を据えてデザインに携わりたいと思い、ソニーに応募しました。
ソニー全体で使うためのコーポレートフォントを開発する「SSTフォント開発プロジェクト」ですね。それまではコーポレートフォントとしてHelveticaが使われていたのですが、100カ国以上でビジネスを展開しているソニーでは、言語対応が行き届かないことも。また、小さな液晶画面を持つデジタルデバイス上での文字表現を考えると、Helveticaは少し視認性・可読性に難がありました。書体の読みやすさは、商品のクオリティを支える体験や印象づくりに大きく関わる、ということでソニーのデザインとして一貫性をもった書体を作ろうというプロジェクトが発足したんです。
ドイツでフォントを開発・販売している世界的なフォントベンダーと協業して書体の造形をつくったり、社内の各部署と連携して、多くの機器にフォントをインストールするためのさまざまな検証の役割を担ったりしていました。部署をまたいだ大規模なプロジェクトだったことから、ビジネス的にも大きなインパクトがあり、すごく印象に残っています。

駐在前は、プロダクトそのものに関わるよりも、ソニーの会社としてのイメージをつくるコーポレートブランディングに携わることが多かったのですが、ヨーロッパでは家電量販店に置くポスターやPOP、製品の展示台デザインなど、プロダクト販売に向けたビジュアルマーチャンダイジングデザインを多く担当しました。お客様との直接のタッチポイントを作るという意味で、店頭表現も、ブランディングの重要なポイントです。どうやったらお客様が商品を手に取ってくれるのか、また、メーカー側が商品のアピールポイントを一方的に伝えるだけでなく、どうやったらお客様に商品を納得感もって選んでいただけるかを多く考えるきっかけとなり、充実した経験ができました。
ゼロからイチを生み出す経験をしてみたいと思ったからです。
ソニーでの経験を通して、長い歴史の中で積み上げてきたブランドイメージをどのように洗練させるかを考えることは、とても勉強になり、なかなか得難い経験をさせていただけたと思っています。ただ、一方で、私のデザイナーとして足りない要素を考えたときに、ゼロからイチを生み出す経験が少ないことに気づいたんです。また、デザインというハッキリした正解のない世界において、デザインの良し悪しを判断する基準や軸を複数持ちたかったというのもあります。ソニーは素晴らしいデザイン哲学を持った組織だと思いますが、もっと多様なデザインを見て判断する経験を養いたいと思い、一度、地元の静岡県浜松市に戻ってフリーランスとして独立しました。(もろもろの都合で、浜松からは2年弱程度で離れてしまいましたが…)
地元の歯医者のブランディングに携わったり、雑誌の表紙のイラストを描いたり、さまざまな建築物のサインを計画したりと、空間的なものから、印刷物、Webサイトまで、カテゴリーや媒体を問わず幅広く活動していました。事業にかける想いやビジョンを聞いた上でコンセプトに落とし込み、そこからロゴやパンフレットを作成するなど、クライアントと一緒に作り上げる仕事が多かったですね。それがデザイナーとしての幅につながったと思っています。
静岡文化芸術大学の学生と一緒にワークショップを行いながら、静岡県産品の農産物を海外に販売するためのシンボルマークを作成するプロジェクトに講師の一人として参画させていただきました。他にも、新生児医療に情熱を注ぐ医師たちの講演録や育児本の制作に、編集から担当して全面的に制作させていただけたこと、『現代化学』という数十年続く化学研究者の専門雑誌の表紙イラストレーションを継続して何年も描かせていただいていることなど、自分にとって新しい世界との接点を作っていただけたような仕事は、特に印象に残っています。

フリーランスを長く続けているうちに、「世の中の課題を解決できるようなスキルが身についているのか」「最新のやり方に追いつけているのか」などと不安に思うことが出てきました。どんどん複雑化する世の中の課題に対しては、やはり、チームに所属したほうが一人で活動する以上に経験を得られるのではないかとも感じ始めました。
また、海外での求人情報も見ていたら、デザイナー職の求人件数が、グラフィックデザイナーよりもUXデザイナーのほうがはるかに多くなっていることに気づいたんです。デザインの潮流を踏まえても、コンセプト設計やサービスの枠組みから考えて問題解決としてのデザインが求められていると知り、チームの中でサービスデザインやコンセプトデザインするスキルを伸ばそうと、企業への就職を決めました。
転職エージェントからさまざまな企業を紹介いただく中で、NTTコミュニケーションズがデザイナー組織を構築していることを知り、面白いと感じました。NTTグループの中核企業のひとつとして、扱う案件の社会的なインパクトも大きく、また、通信会社としての歴史が長い中で、UXデザイナーの金さんが10年以上もの歳月をかけてデザイン思考の大切さを組織に浸透させ、KOELを立ち上げられたお話や、その熱意にも心惹かれました。
デザイン思考やデザイン経営は、ある意味昨今のトレンドではあるので、今までデザイン部門を持たなかった企業も、インハウスデザイン組織を立ち上げようとしているという話はよく聞きます。でも、NTTコミュニケーションズのKOELは、本当に必要とされて生まれた組織だと思って。組織の成長にも貢献できることが魅力的に映り、参画することを決めました。

KOELはまだ立ち上げから3年程度の組織で、社内での影響力を徐々に高めていっているフェーズです。私がデザイン支援を行った新規事業である、自動走行ロボット管制サービス「RobiCo™」を担当したチームも、社内のデザイナーと密にコミュニケーションを取って事業を推進することは初の試みでした。デザイナーがどのような仕事をし、結果として何が生み出されるのかわからない状態でしたので、信頼関係の構築からスタートしました。
デザイナーは表層的なデザインだけでなく、コンセプトの整理から関われることを示しながら、二人三脚でプロジェクトを進めていました。良い意味でグラフィックデザイナーとしての役割が固定されていないからこそ、越境した分野のスキルアップにもつながり、大変ながらも面白い経験になりました。

プロジェクト終了後にアンケートを取ったところ、チームメンバーからは、「議論の引き出しなど、本来開発チーム側で対応すべきところをかなり踏み込んでドライブしてもらえて助けられた」「ブランドデザインからロゴデザインまで、自分たちでは作れなかった領域アプローチで成果が出せた」「本質を捉えた、先を見据えた対応、プラスアルファの提案を行ってくれた」といったお声をいただきました。まさに、表層的なデザインをする以上の貢献ができたと実感しています。
法人向けイベント「docomo business Forum'23」で、サービスの正式な発表をするにあたって、ブランディングの観点からブースのデザインも支援できたのもKOELならではの取り組みです。チームがプレゼンテーションしたい内容を的確に伝えられるブースの構成を、3D CADソフトを使ってビジュアライズし、ブースの見え方やグラフィックの入れ方を提案したところ、明確にブースの空間に良い変化が生まれました。

KOELに入社して驚いたことは、ナレッジの共有が活発に行われていたことです。例えば、コンセプト設計をする際に、以前にも似たようなプロジェクトが実施されていれば、そのやり方や思考プロセスの記録を閲覧できるんです。他にも、実際にメンバーから進め方を教わることもできます。新しいことにチャレンジするハードルが低いことも特長のひとつですね。デザインは属人的な暗黙知が多くなりがちなところもあるので、KOELのオープンな姿勢には助けられています。
お互いに高め合っていこうとする気概も感じるので、この先、組織がどのように良い方向に変わっていくか、またその成長に自分がどう貢献できるのか楽しみですね。
言葉によるコンセプトの整理と、それをビジュアル化してさらなるアイデアへと発展させること、この往復を楽しめるのはKOELならではかもしれません。コンセプトからビジュアルが生まれて、そのビジュアルに創発されてまたコンセプトが進化していく。こういう良いサイクルを生み出せるのは、役割を問わず、個々人に与えられた裁量の多いKOELのデザイナーならではかもしれません。グラフィックデザイナーが持つ、ものごとの視覚化というスキルを、最大限に活かせる可能性を持った場所だと思います。
私自身も齢を重ねる中で、デザインに対する「意義」を感じるような仕事により関わっていきたいと思うようになりました。かつて学んだ建築の分野でも、建築というものが、皆の目に触れる風景の一部として建つことから、たとえそれが個人的な建物であったとしても、少なからず公共性を持ち、社会に影響力を与えていくことが魅力でした。同じように、自分の関わるデザイン対象が、社会にとってどんな意味を持てるのかを強く意識したいです。
NTTコミュニケーションズのビジネス領域も、公共性とビジネスの両立が求められる、セミパブリックな要素を持っています。こうしたフィールドで、グラフィックデザインのみにとどまらないデザインの支援を通して、人々の、便利に、豊かになった未来の生活の姿を少しずつ思い描くことを支援していきたいと思っています。

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この記事を書いた人

大畑 朋子
1999年生まれ、神奈川県出身。フリーランスライターとして、ベンチャー・スタートアップのイベントレポート、プレスリリース、コラム記事の作成など広報の一部を担う。興味・関心はビジネス、AI、お茶など。
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