NTTデータのグローバルデザインコンサルティングチーム、Tangity(タンジティ)。"Part of NTT Data" を掲げ、世界約30拠点・約900人のデザイナーが在籍するグローバルネットワークの一角を担う組織です。日本チームは現在30名を超え、次の節目として50名を目指しています。
Tangityの特徴のひとつが、メンバー全員が持つ「Service Designer」という肩書きです。デジタルのUI設計から物理的な空間・デバイスまで、専門領域の枠を越えてデザインに関わる。その考え方が、チーム全体に根づいています。また、グローバルデザインリードと共同でブランドを構築するなど、世界のデザイン組織とフラットに連携する体制も、Tangityならではの特徴です。
今回は、Tangityのヘッドを務める村岸さん、入社3年目の辻野さん、入社1年程度の宮田さんにお話を伺いました。それぞれ異なるバックグラウンドを持つ3名が、Tangityを選んだ理由、仕事の幅と手触り、そしてAI時代のデザイナーの未来について語ってくれました。
村岸 史隆(Fumitaka Muragishi)| Head of Tangity Tokyo
ニューヨーク工科大学大学院でコミュニケーションアーツを専攻後、海外のブランドエージェンシーやデザインファーム、Tigerspikeを経て、2020年1月、Tangityの前身のデザイン部隊に入社。現在はTangityのHeadとして組織を率いながら、さまざまなプロジェクトにプレーヤーとして関わり、デザインディレクションまで幅広く手がける。 (2026年9月時点)
辻野 絢(Aya Tsujino)| Tangity Service Designer
大学では社会教育学を専攻し、ジェンダーやLGBTQ、貧困をテーマに研究。新卒で楽天株式会社に入社し、UXUIデザイナーとして通信・政府機関向けクラウドプラットフォームのデザインを担当。チームの約9割が外国籍メンバーという環境でグローバルな業務経験を積んだ後、Tangityへ転職。現在はService Designerとしてプロジェクトに携わるほか、グローバル連携を担うコーディネーターとしても活動している。(2026年9月時点)
宮田 真雪(Mayuki Miyata)| Tangity Service Designer
文学部図書館・情報学専攻を卒業後、印刷会社でのセールスプロモーション業務を経て、広告代理店、クリエイティブ制作会社と転職を重ねる。その後、決済系事業会社にてコミュニケーションデザインを担当。2025年6月にTangityへ入社。現在はService Designerとして、これまでのコミュニケーションデザインの経験を活かしながら、UIデザインなど新たな領域にも挑戦している。 (2026年9月時点)
多様な原点を持つ3人が、Tangityへ向かうまで
──入社の経緯を教えてください。
村岸さん:ニューヨークの大学院でコミュニケーションアーツを学んだ後、ブランディングエージェンシーでVolvicやUNICEFのプロジェクトを経験しました。ロサンゼルのスタートアップでCBSやHBO向けのソーシャルマーケティングプラットフォームを手がけ、その後サンフランシスコのAmazonでUCDチームに所属しました。東日本大震災をきっかけに帰国してからは、コンデナスト(WIRED/GQ)などを経て、デジタルコンサルティング会社Tigerspikeの日本オフィス立ち上げに携わりました。
Tigerspikeでは約4年間、事業の運営にも関わっていましたが、会社が買収されたタイミングでヘッドハンティングを受けたのが、Tangityとの出会いです。
これまでのキャリアはエージェンシーや外資系がほとんどで、「外部の人間だから言えること」という立場でずっと仕事をしてきました。クライアントに提言することはできても、実装まで責任を持って関わる難しさや面白さは、組織の内側に入らないと経験できない。その感覚がずっとありました。
外部の視点は確かに強みですが、ときには「言うだけ」になってしまうもどかしさもあります。だからこそ、一度組織の内側に入り、実装まで責任を持ってやってみたいと思ったんです。

辻野さん:大学では社会教育学を専攻し、ジェンダーやLGBTQ、貧困といった社会的課題をテーマに研究していました。「人のエンパワーメントに関わる仕事をしたい」という軸で就職活動をし、楽天に総合職として入社し、開発部門でプロジェクトマネジメントを担当。その後、部門内のデザインチームへの異動を希望し、UX/UIデザイナーとしてのキャリアをスタートしました。
楽天では通信・政府機関向けクラウドプラットフォームのデザインを担当しました。チームの約9割が外国籍メンバーという環境で、英語を使って業務に取り組みながら、 UXUIデザインのスキルを磨いていきました。
そのうちに、デザインのスコープをさらに広げたい、より上流の課題から一緒に考えられる場所で働きたいという気持ちが強くなりました。LinkedInで転職活動をしていたところTangityを紹介していただき、ウェブサイトのカラフルでダイナミックなビジュアルにNTTデータに対して持っていた硬いイメージとは真逆の印象で驚きました。カジュアル面談で実際に話してみると、ウェブサイトから受けた印象と変わらない雰囲気に惹かれ 、入社を決めました。
宮田さん:NTTデータのコンサルタントとして働く知人からの紹介がきっかけです。文学部を卒業後、印刷会社でのセールスプロモーション、広告代理店、クリエイティブ制作会社、そして決済系の事業会社でのコミュニケーションデザインと、転職を重ねながらキャリアを積んできました。
各社での経験はどれも糧になっています。一方で、デザイナーとしてもっと広い領域に関わってみたいという思いが強くなっていました。
Tangityのことを知って話を聞くうちに、デザインの上流から社会実装まで一貫して関われる環境に可能性を感じました。これまで培ったデザインの視点を活かしながら、まだ経験していない領域にも挑戦できる場所だと思い、入社を決めました。
全員がService Designerとして挑む。Tangityの肩書きに込められた哲学
──なぜ全員が「Service Designer」という肩書きなのでしょうか。
村岸さん:以前AmazonのUCDチームにいた頃、役割が細分化されていて「UX以外のことはできない」という状況がありました。デザイナーとして幅広く挑戦したい気持ちがあっても、組織の構造上それが難しい。その経験から、Tangityでは職種で人を縛らず、あらゆることに挑戦できる環境にしたいと考えたんです。
デジタルのUI設計だけでなく、物理的な空間のデザインやデバイスのインターフェースまで、一体として手がける。その幅の広さこそがTangityらしさです。観光案内の窓口端末から周辺空間の設計したプロジェクトもあり、デジタルとフィジカルをシームレスに考えるデザイナーとしての視野が、自然と広がっていきます。
辻野さん:入社前は「Service Designerって何をする人だろう」という戸惑いもありました。でも実際に働き始めると、その自由度の意味がよくわかりました。ひとつのプロジェクトの中で、リサーチから提案、実装の検討まで関わることができるので、デザインの全体像を把握する力が着実についています。
──実際に、どのようなプロジェクトを担当しますか。
村岸さん:プロジェクトの幅は非常に広いです。訪問者の動線から空間のあり方まで、デジタルとフィジカルをひとつながりの体験として考えていく仕事です。このように、デジタルとフィジカルを統合してデザインできることが、Tangityの強みのひとつです。
宮田さん:私はコミュニケーションデザイナーとしての経験を持って入社したのですが、UIUXプロジェクトのリードを担当しています。最初は「まさか自分がUIを主導することになるとは」と驚きました。
肩書きが広いから何でもやれる。これは言葉のうえだけでなく、本当に日々の仕事の中で実感していることです。もし「コミュニケーションデザイナー」として採用されていたら、UIリードというポジションは今頃経験していなかったと思います。想定していなかった仕事と向き合ったことで、自分のデザイン観が大きく変わったと感じています。
グローバルと社会実装をつなぐ、Tangityの仕事の手触り
──グローバルなネットワークは、実際の仕事にどう生きていますか。
辻野さん:私はチーム内でグローバル連携を担うコーディネーター的な役割も兼ねています。Tangityはグローバルで30拠点・約900人のデザイナーが在籍する組織なので、世界各地のオフィスとフラットに協働する機会が日常的にあります。
入社から約半年のタイミングで、イタリアのミラノオフィスに2週間滞在する機会をもらいました。現地のデザイナーと協働しながら、グローバル事業におけるメッセージングを策定。デザインを通じて意思疎通しながらプロジェクトを進める経験は、自分のデザイナーとしての視野を大きく広げてくれたと感じています。

宮田さん:私も入社1年のタイミングで、米国サンフランシスコで開催されたFigmaのイベントへの出張参加の機会をいただきました。英語は勉強中ですが、「行きたい」と手を挙げれば背中を押してもらえる環境があります。海外のチームと実際に接点を持てる場が、自然な形で用意されているんです。
──語学力はどの程度求められるのでしょうか。
村岸さん:Tangityはアメリカのチームを除けば、イタリアやスペインなど、お互いに英語が「第二言語」であることも多いんです。だからこそ、同じ認識と情報の上に立つための丁寧なコミュニケーションが求められます。
語学力については、入社時点で必須ではありません。「全然英語は無理」という方でも全く問題なく活躍できる環境です。ただ、英語ができると海外チームとの協働や情報共有など、やれることの幅が圧倒的に広がりますね。

──デザインコンサルティングならではの難しさはありますか。
村岸さん:外部の視点を持つからこそ、クライアントの内部では言いづらい課題にも率直に切り込める場面が多くあります。私自身、『外部だからこそ言えるよね』とよく言われてきました。その信頼に応え続けることが、コンサルティングとして仕事をする難しさであり、面白さでもあります。
辻野さん:デザインの考え方に馴染みのないクライアントに、その価値を「翻訳」することです。デザインの言葉をそのまま使っても伝わらないことがあるので、相手のビジネスの文脈に落とし込みながら話す必要があります。「なぜこのデザインを選んだのか」「このデザイン検討が事業にどう効くのか」をビジネスの言葉で説明できてはじめて、クライアントの意思決定を動かせる。それこそがデザイナーとして果たすべき重要な役割だと感じています。難しいですが、そこにやりがいもあります。
宮田さん:デザインそのものだけでなく、デザインと開発の進め方まで含めて考える必要があることです。物流系クライアントの社内ポータル改善では、現状のUIを分析し、ユーザーの動線を1から設計し直しました。
また、別のプロジェクトでは、 AIを活用してエンジニアが先行して画面を実装するなど、デザインと開発の連携プロセスにも課題がありました。そこで、設計意図をきちんと反映できるよう、デザインと開発の間でどう意思疎通するかのルールを自分たちでつくり、チーム全体に共有しました。
決められたデザインをつくるだけではなく、プロジェクトの進め方そのものに目を向け、必要であれば自分たちで仕組みをつくっていく。そこまで含めて課題解決に関われることは、Tangityで仕事をする面白さだと感じています。

不確実性の先に、デザイナーの仕事はある
──AI時代のデザイナーの未来についてはどう見ていますか。また、どのような方と一緒に働きたいですか。
村岸さん:AIの登場によって、デザイナーの未来は非常に明るいと思っています。AIにはできない、人間のデザイナーにしかできない領域が明確になってきているからです。私たちにしかやれない領域を、これから作っていく段階にいると感じています。
一方で、Tangityでは答えが決まっていない問いに向き合うなど、不確実性の高い領域を扱うことも多くあります。 確実性の高いものを積み上げていきたいという方には向かない環境かもしれません。でも、その不確実性の中にこそ大きな面白さがあると思っています。
──では、Tangityの環境で仕事を楽しめるのは、どのような方だと思いますか。
辻野さん:臨機応変に対応しながら、それ自体を楽しめる人にとっては非常にやりがいのある環境です。プロジェクトによって求められることが変わり、常に新しい挑戦が待っています。
グローバルのメンバーとの協働、日本語環境とは全く異なる打ち合わせの進め方、クライアントの業種ごとに変わる課題の質。自分がいままで経験してきたことが通用しない場面に、たびたび出会います。その一つひとつに向き合うことで確実に引き出しが増えていくので、「わからないことがある」という状況を楽しめる方には、この上なく充実できる環境だと思っています。
宮田さん:「これしかやりたくない」という方より、「あれもこれもやってみたい」という方の方が、きっと楽しめると思います。海外のチームとも積極的に関わりたい、世界に飛び出してみたいという意欲がある方には、その機会が確実に用意されている環境です。
私自身、入社前は「コミュニケーションデザインをメインでやることになるのかな」と思っていたら、気づいたらUIUXもリードしていました。「肩書きが広いから何でもやれる」というのは、最初は少し抽象的に聞こえましたが、実際に経験してみると、まったくその通りでした。専門領域を一つに絞ってスキルを深めていきたいという方よりも、予期しない方向に仕事が広がることを楽しめる方には、面白い環境だと思います。
──Tangityとして、これからどのような組織を目指していますか。
村岸さん:日本チームはいま30名超の規模ですが、次の節目として50名を目指しています。チームが大きくなるほど、手がけられるプロジェクトの幅と深さが広がります。グローバルのデザインリードと共同でTangityのブランドを構築してきたように、日本発のデザインコンサルティングの知見を世界とともに育てていきたいと考えています。
NTTデータという大きな組織の中にいながら、デザインの力で多くのことを動かせる。日本だけでなく、世界中の案件にも影響を与えられるスケールがあります。その振り回せる力の大きさが、Tangityで働く醍醐味だと思っています。そこに飛び込んでこれる人と、ぜひ一緒に働きたいですね。

編集部より
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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