
1997年の創業以来、国内有数のSNS「mixi」やスマホアプリ「モンスターストライク」などのサービスを提供してきた株式会社MIXI(以下、MIXI)。現在は、「デジタルエンターテインメント」「スポーツ」「ライフスタイル」の3つの事業領域を中心にサービスを展開しています。
今回は、写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」事業にてデザイングループのマネージャーを務める渡辺さんとプロダクトデザイン室プロダクト推進グループUXデザインチームに所属し、新規サービス「Fansta」のUX設計やUIデザイン業務に従事する藤崎さんにインタビューを行いました。社内での役割が異なるお二人にこれまでのキャリアや現在取り組まれていること、今後の展望などを伺いました。
渡辺 直也(Naoya Watanabe)|株式会社MIXI みてね事業部 デザイングループ マネージャー
Web制作会社で約10年デザイナー・アートディレクター・マネージャーを経験して独立。フリーランスのデザイナーとして3年間活動したのち、2013年にMIXI入社。
藤崎 宏司(Hiroshi Fujisaki)|株式会社MIXI プロダクトデザイン室プロダクト推進グループUXデザインチーム
ゲーム・コンテンツ制作会社でデザイナーとしてキャリアをスタート。その後ファッション系ECサイト等を運営する会社でサイト制作やコンテンツ制作を経験したのち、2007年にMIXI入社。
渡辺さん:私のキャリアはWeb制作会社からスタートし、約10年間で、2社のWeb制作会社で働きました。デザイナーとして入社した後、アートディレクターやマネージャーを経験。そして30歳になった時に、独立するきっかけがあり、フリーランスとしてチャレンジしてみることにしました。
フリーランスとして活動してから3年が経ったとき、ちょうど子供を授かりました。これが、将来について考える大きなきっかけになったんです。フリーランスとして3年という節目でもあり、次に向けて考えるタイミングでもあったのですが、このまま同じようにやり続けるのは違うな、と。何か“新しいこと”にチャレンジしてみたいと思ったんです。その頃、MIXIがモバイルアプリにフォーカスした新規事業に注力し始めたタイミングだったので、MIXIで新しいチャレンジをしてみるのもおもしろいなと思い、入社を決意。入社後、半年間で2つの新規事業に携わりました。その後2014年1月からサービスに立ち上げから携わってきました。早いものでそれから8年半経過しています。
藤崎さん:私は自分の20代のことを失われた20代と呼んでいるのですが、音楽で生計を立てたいと考えていました。当時、本気で音楽に向き合ってはいたものの、努力によるスキルに加え運の要素も少なからずあるプロの世界に果てしなさを感じ、自分の将来について考え直すタイミングがありました。ちょうどこの頃にWebデザイナー職が世に増え始めてきたタイミングだったので、専門学校に通いつつ、Webデザインスキルを習得し、ゲームや携帯コンテンツの事業を展開する会社にアルバイトとして入社。これが私のキャリアのスタートです。
その後F1層向けのファッションECサイト運営会社を経て、2007年MIXIに入社しました。私が入社した当時は、SNSのmixiが全盛期を迎えていた時代で、それまでインターネットに触れていなかったような層の人までもmixiに夢中になっているのを身近にも感じられて、人と人との新しい繋がり体験が生み出されているんだということに1ユーザーとして感心していました。このような新しい価値を作り、社会を一歩前進させる事業に魅力を感じて入社しました。
入社後は、SNS mixiのデザイングループのマネージャーとしてメンバーのマネジメントをしながら、自ら手を動かすプレイヤーとしてUIデザインも担当。一部機能開発チームのPdM兼UIデザイナーという役割も担ったりしていました。その他、0から1を生み出す新規プロダクトの事業開発チームにも積極的に参加していました。
渡辺さん:ひとつ思いついたことで言うと、メンバーそれぞれが持つ良さを活かせているチームかなと思います。案件ごとにデザイナー2名体制で動くことが多いのですが、この動き方が相互に学び合う機会に繋がっているように思います。
私たちのチームでは、みてねを通じて家族のゆるやかなつながりや、安心して過ごせるあたたかい場を提供できたらという想いでプロダクト開発に向き合っています。子どもが生まれると、子どもの可愛さに思わずたくさんの写真を撮ってしまい、スマートフォンに膨大な枚数の写真や動画が溜まっていきます。子育て中のママやパパは時間的にも余裕がなく、写真の整理や共有をすることが難しかったり、容量不足の問題に繋がってしまってしまうケースも多いように思います。そんな課題を楽しみながら解決できないかという想いで生まれたのが「家族アルバム みてね」です。みてねは写真や動画を容量無制限でアップロードできるので、お子様の日々の成長の様子や何気ない日常を家族に共有し、コミュニケーションしながら一緒に楽しむことができます。そしていつの日か、子どもたち自身が自分が生まれた瞬間や育っていく過程、その時々で行われた家族同士のやりとりを見たときに、心の中に優しく温かい気持ちが生まれたら良いなと思っています。
みてねを開発する上でデザインチームで大切にしているのは、ユーザーに対して誠実であることです。ありがたいことに、みてねは世界中の幅広い層の方々に利用していただいています。使っていただく全ての方々にやさしく、誠実でありたい。誰もが使いやすく楽しめるプロダクトにしたい。このような想いを持ってプロダクト開発を行っています。
渡辺さん:最初に組織面のご説明をしておくと、みてねでは組織規模が大きくなってきたこともあり、今年の4月からドメインを2つに分けた体制に変更しました。ドメイン単位で切り分けることでやるべきことの優先順位付けや、意思決定がしやすくなったように思います。それぞれのドメインごとにPdMやデザイナー、エンジニア、QAのメンバーがおり、担当領域に向き合っていく体制となっています。
私はデザイングループのマネージャーとして、マネジメントと実務を6:4程度の割合で取り組んでいます。マネジメント面では、メンバーやプロジェクトで困ったことが起きた際に一緒に解決方法を考えたり、メンバーの興味や関心と事業をどのように結んでいくとよさそうか、そしてメンバーのやりがいや成長につながりそうかということを考えたりすることが多いです。私自身は強くリードしていくタイプというよりは、優秀なメンバーが揃っていますので、能力を最大限に活かしてもらえるような場づくりだったり、支援するようなタイプのマネージャーかと思います。
デザイングループの特徴として、サービスの成長に伴って日々生まれる課題をメンバーが起点となり、主体的に、協力をしながら取り組んでいけることがあると思います。みてねのデザイナーは事業の立ち上げやプロダクト開発、各種施策の初期段階から参加することが多く、プロジェクトによってはデザイナーがリーダーとなり進めていくケースもあります。UIデザインやUXデザイン、Webデザインなどを軸足にしつつ、デザインの枠を超えてサービスをより良くするために行動していける環境は非常にやりがいを感じる部分かと思います。別の視点では、事業の成長に伴いみてね内部や関連事業も増えてきていますので、どのようにブランドを築いていくか、どのように一貫した体験を提供していくかを考えるのが非常に難しくなっていると感じています。組織間でのやりとりの難しさも課題の一つです。このような課題に対してもチームで協力して乗り越えていけるのは安心感がありますし、働きがいのひとつかなと思います。

藤崎さん:発足の背景には、UXの観点から社内事業のプロダクト開発を推進できていないのではないかという全社的な課題の仮説があります。MIXIに浸透しきれていないUXのカルチャーの素地を作り、全社に啓蒙していくことこそが私たちのチームが取り組んでいることです。誰にどんな価値を提供し、どんな課題を解決するかは事業やプロダクトのコアな価値となります。私たちはその価値定義に対して、UXデザインのプロセスを用いながら各事業部のアウトプットや得たい成果をサポートしています。そのアクションの結果をナレッジとして蓄積することで、会社組織全体にUXのカルチャーが浸透していけばいいなと思っています。
藤崎さん:メンバー全員がUXデザインスキルに特化しているわけではなく、様々な経歴を持つメンバーがいます。それぞれが誰に・どんな価値を届けるのかといったサービスにおける重要な部分に興味を持ち、今までに蓄えたデザインスキルに加えてUXスキルをアドオンして身につけていきたいと考えています。
藤崎さん:私が現在参加しているプロダクトの、「Fansta(ファンスタ)」を紹介させていただきたいと思います。Fanstaはスポーツ観戦できる飲食店を、エリアだけでなく好きなチームや試合の放映予定から検索できるサービス。スポーツファンの方々に飲食店でのスポーツ観戦をより楽しんでいただくためのサービスです。
しかし、サービスリリースの時期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、スポーツの試合自体がなくなってしまったり、飲食店が時短営業になってしまったりしていました。そのような状況の中で、リリース後の価値検証も思うように行うことができずにいましたが、今できることとして私たちが行ってきたのが価値定義やUXリサーチなどです。ビジネスチームのメンバーと共に、リーン・キャンバスを用いて顧客課題や価値仮説を言語化したり、UXリサーチの目的を定義し調査設計の支援をしてインタビューも実施しました。これらのプロセスを重ねるにつれ、Fanstaに興味を持ってくださるお客様に他では体験できない価値を届けたいというメンバーそれぞれの考えの目合わせをすることができています。私自身も改めてブランドタグラインである、「スポーツは、やっぱり仲間と観ると面白い!」という抽象度の高い言葉が示す世界観を達成するにはどんな価値をつくり最大化するのか、そしてどのように価値を届け、よい体験につなげるのかに日々向き合って、チームで議論した具体としてのデザインをアウトプットしています。
藤崎さん:やりがいは様々な事業やサービスに関わる機会があることだと思います。また、各事業の組織デザインやチームビルディングに関われることもやりがいの一つです。プロダクト開発はチーム力が非常に重要であると考えています。チーム力開発向上のため、コミュニケーション量を増やしてお互いを知ることで心理的安全性を担保する仕組みを作っていく必要があるのです。
一方で、2つの課題があると考えています。1つ目は、プロダクトチームに初期からフルコミットできる環境のデザイナーに比べて、デザイナーとして自立するスピードがどうしても遅くなってしまうこと。これは、プロダクトチーム内でのマネジメント以外にも横断組織自体のマネジメントが生まれてしまうからです。私の経験上、人をマネージメントするよりも目的をマネージメントして人の行動を促すことが大切だと考えています。事業やプロダクトの目的が共感でき納得感を得られる場合、デザイナーメンバーもその目的を達成するにはと自らが考え主体的に学び、サービスの向上に努めようと自走するようになります。プロダクトチームにフルコミットするデザイナーに負けない成長スピードを生み出すためにも、自分が携わるプロジェクトはメンバーが主体的に動いていけるような目的設定をするよう心がけています。
2つ目は、新規事業の初期フェーズにデザイナーが携われる機会が少ないということです。プロジェクトの状況にもよりますが、プロジェクトベースで関わるデザイナーは新規事業に事業化承認が降りてからアサインされています。誰にどんな価値を届けるのかを考えるフェーズはデザイナー職ではない職のメンバーが担っていることが多いのです。しかし私は、どんなユーザーにどんな価値を届けるのかについて考える際、UXデザインの知見を持っているデザイナーが参画した方が勝率の上がる事業になると思っています。新規事業にデザイナーが初期フェーズから携われるようになるためにも、成果を出してUXデザインカルチャーを全社に浸透させたいです。

渡辺さん:MIXIの創業者である笠原さんと入社半年で一緒にお仕事する機会をいただいた際は、面白い会社だなと思いました。 入社時の社員数は数百人規模で、現在ほど大きくはなかったのですが、会社の創業者が現場で横並びとなり議論しあっている姿はとても印象的でした。立場や年齢関係なく、良いものを作ろうという想いで率直に議論し合う様子を見て、とても良い会社に入れたなと実感できました。
藤崎さん:私も笠原さんとの距離感の近さには非常に驚きました。以前、私は新規事業を企画していたことがあったのですが、その際笠原さんと直接壁打ちする機会をいただきました。Slackで1通のメッセージを送っただけで、お時間を取ってランチにつれて行ってくださったんです。これまでにたくさんの事業を成功させてこられた笠原さんにいただいたアドバイスは非常に有益なものでした。私は、その笠原さん含めた経営陣のモノづくりへの思いや人柄もMIXIの魅力の一つだと思っています。社員に気さくに話しかけてくださったり、フラットに意見してくださったりすることで会社全体の心理的安全性を担保してくださっているように思います。
渡辺さん:プロダクト開発や組織面など、難しいなと感じることは多いですね。サービスが成長し続ける中で常に新しい課題と向き合っている状況です。その中でも採用については難易度の高さもあるのですが、時間をかけて丁寧に取り組むようにしています。新しくジョインされる方にしっかりと活躍していただきたいので、組織やチーム、業務内容やメンバーについて、可能な限り率直に、詳細にお伝えをしながら進めるようにしています。チームとして複数人が協力してプロジェクトを進めていくので、能力以上にメンバーとの相性やカルチャーフィットは大切な部分だと考えています。
藤崎さん:ゼロから作る新規事業に初期の段階から参加できることは難しくもあり面白くもありました。新規事業をゼロから創ることは、社内起業とも言い表せると思います。社内起業に挑戦できる経験は積みたくても積める環境になかったりするので、大変貴重な経験だと実感しています。チームメンバーや予算は少ないところからですが、事業のミッション、ビジョン、バリューなどを自分たちで定義したり、UXリサーチを行ってユーザー理解の解像度を上げていったりすることは自由度が高く、まさに起業体験として非常に楽しかったです。
具体的には、以前、ダンスのスキルシェアサービスを新しく作った経験があります。プロのダンサーに直接ダンス動画をおくり、動画でアドバイスを返してもらえるというものでした。結論から言うと、すでにクローズしてしまったサービスですが、この新規事業の経験からは非常に多くのことを学ぶことができました。クローズしてしまった要因は、事業継続可能な市場が見つからなかったこと。ユーザーテスト後のアンケート結果では、満足したという回答があわせて95%越えという異例の高さだったのですが、ユーザーのボリュームゾーンが結果的に小学生、中学生、高校生というなかなかお金を自由に使うことができないない層だったのです。価値を評価してくださり、ニーズがあったとしても、お金を伴う取引が発生しづらいため事業を継続することはできませんでした。
この経験から、事業を作る際は提供価値だけではなく、その事業を継続させるための将来的なキャッシュフローをしっかり創り出せるかを徹底して考える観点に入れるようになりました。事業目標の言語化・数値化をして語れるようになることでビジネスチームからの信頼を得ることの重要性も学ぶことができました。
藤崎さん:MCC(社内公募)制度は、私も非常に良い制度だと思っています。好きな環境を自分で選び取る、新しい環境に自ら飛び込む挑戦ができるのは、デザイナーキャリアの形成にとって非常に重要な役割を果たしていると思います。最近ではデザイナーのみならず、総合職やエンジニア職の方も活発に使っています。
他にも、デザイナーリレーショングループでは、交流後に「今度勉強会を開きましょう!」というようなコミュニケーションが生まれています。事業単位で切り分けて動いているMIXIですが、この交流は横の繋がりを増やしてくれています。
渡辺さん:みてねを世界中で最も愛され、いつまでも使い続けてもらえるサービスにするために、より良いサービスやデザインを生み出し続けられるチームにしていけたらと思っています。
藤崎さん:今後の目標はUXカルチャーを会社組織全体に浸透させることです。しかし、現状の組織体制だと、デザイナーが単身でプロジェクトチームに入って、UXカルチャーを伝播させて行かなければなりません。このままでは、デザイナーの荷が重くなってしまうのと同時に、UXデザインはデザイナーのスキルだという認識になってしまいます。私は、UXデザインはデザイナーだけの持ち物ではないと捉えています。
そこで、将来的にはデザイナーだけで構成されたチーム組織があるのではなく、プロダクト目的や目標に対して一気通貫で完結できる少人数チームが複数ある組織構造になるといいなと考えています。例えば目的や目標のマネージメントに責任を持つPMを中心に、エンジニアやセールスを交え価値検証に素早く取り組めるチームです。様々な職種のメンバーがいるチーム丸ごと、プロジェクト目的に責任を持ち、各事業部にUX仮説検証カルチャーを築いていくという構想です。そのチームでの経験がお互いの信頼をつくり、信頼しあえる仲間と一緒にUXナレッジを実践的に学び成長しながら目的達成を目指しUXの改善に取り組めるようになることで、よりUXカルチャーが浸透するのではないかと考えています。
藤崎さん:プロダクト志向や目的志向を持ったデザイナーにジョインしていただきたいです。事業目的やプロダクト目的に向かって自走できる方は必ず活躍できると思います。フェーズごとに必要な要素を自分で思考して、チームに提案、そこから具体に落とし込めるデザイナーの方と非常に一緒に働ければ、とても心強いです。
渡辺さん:少しでもMIXIやみてねに興味のある方はいつでもカジュアルにお話しできればと思います。ぜひ気軽にお声掛けいただけると嬉しいです!
藤崎さん:MIXIは様々な事業やプロダクトを持っている会社なので、挑戦できる機会がたくさんある会社です。興味のあるデザイナーの方とは、是非カジュアルに面談させていただき、意見交換したいです。よろしくお願いします!
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この記事を書いた人

ReDesigner
ReDesignerは、デザイン会社によるデザイナー向けのキャリア支援サービスです。 企業とデザイナーの間に入り、独自のオンラインアンケートや面談を通じて、 デザイナーの特性やキャリアの指向性を理解した上で適切なマッチングを行います。単純に紹介をするだけでなく、デザイナー特化型の求人票も用意しており、デザイナーが働きやすい環境設計も支援します。
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