
明治安田生命保険相互会社(以下、明治安田)は、お客さまに確かな安心をお届けするため、全都道府県に支社・営業所を構え、約3万7千人(2023年3月末時点)の営業職員で「対面のアフターフォロー」に注力してきました。
しかしながら、コロナ禍等の社会情勢の変化により、オンライン面談を希望されるお客さまや、お手続きはネットで簡単に済ませたいと考えるお客さまが増えたことをふまえ、これまで主流としてきた「対面」以外の方法でも、お客さまに寄り添う必要が生じてきました。
こうした変化に対応すべく、明治安田はデジタルツールの活用により、たとえ営業職員がお客さまの傍にいなくとも「確かな安心をお届けする」デジタルならではの新しいアフターフォローをめざしています。
そして、その実現に大きな役割を発揮するのがデザインであると考え、明治安田は2022年にデザイン組織を発足させました。
本記事では、明治安田のデザイン組織で実施したプロジェクトや、保険会社でデザインする魅力ややりがいについてお話を伺いました。
永田 康弘(Yasuhiro Nagata )
2013年より法人営業部長・調査部長を歴任後、2019年からは明治安田グループのシンクタンクである明治安田生命総合研究所の社長に就任し、2021年4月よりデジタル戦略部長に就任。
竹田 昂史(Takafumi Takeda)
2022年4月よりデジタル戦略部所属。デザインPMを担当。
手代木 雅世(Masayo Teshirogi)
2023年4月よりデジタル戦略部所属。デザインPMを担当。
山本 美緒(Mio Yamamoto)
2021年4月よりデジタル戦略部所属。デザインPMを担当。
中山 京子(Kyoko Nakayama)
2022年10月よりデジタル戦略部所属。UIデザインを担当。
稲葉 理奈(Rina Inaba)
2023年4月よりデジタル戦略部所属。UIデザインを担当。
永田さん:明治安田は1881年に創業した日本最古の保険会社です。「確かな安心を、いつまでも」を経営理念とし、全従業員が大切にする価値観として、「お客さま志向」を定めています。
永田さん:もともと当社は、「確かな安心を、いつまでも」お届けするために、面談・訪問による対面の「アフターフォロー」を大切にしてきました。営業職員がお客さまに直接お会いすることで、メールや手紙でのやりとりではわからないお客さまの想いや私どもへの期待を感じとり、お応えできるものと考えていました。
しかし、コロナや働き方の変化により、オンライン面談を希望されるお客さまや、お手続きはネットで簡単に済ませたいと考えるお客さまが増えたことをふまえ、対面以外の方法でも、アフターフォローを実現する必要が生じました。
そこで、従来の対面を中心としたアフターフォローにデジタル・非対面を取り入れ、お客さまがのぞむ時間・場所・方法でそっと寄り添うことをめざしています。
そのためには、当社のデジタル・非対面サービスでお客さまが「確かな安心」を感じていただく必要があり、実現にはデザインが不可欠です。このような経緯から、当社は2022年にデザイン組織を発足させました。
【備考】
明治安田ではお客さまへの寄り添い方に関して、2023年から「Shoulder to Shoulder(ショルダー・トゥ・ショルダー)」という言葉を使っています。
従来の寄り添い方である「Face to Face(フェース・トゥ・フェース)」は机を介して向き合っているイメージですが、「Shoulder to Shoulder(ショルダー・トゥ・ショルダー)」は仮にオンラインであっても肩と肩が触れるぐらいの距離感で、親身になってお客さまと接することをイメージしています。
不要なときには出しゃばらず、ご様子をうかがう程度でそっと寄り添う形を続けていきながら、いざというときには同じ方向を向いて寄り添ったサポートができる。明治安田はデジタル・デザインの力で「Shoulder to Shoulder(ショルダー・トゥ・ショルダー)」の実現をめざしています。

竹田さん:お客さま・従業員にあるべき体験をしていただけるよう、デジタル領域を中心にUXUIデザインの改善に取り組んでいる組織です。UIデザイン開発の進捗管理やステークホルダーとの交渉・調整、スケジュール管理などのマネジメント業務とデザインの品質を担保する「デザインPM」が3人、当社デザインシステムの適用を支援する「UIデザイン担当」が2人在籍しています。営業や人事などから異動し、UIデザインが未経験の人もいます。
そのため、会社によるデザイン専門スクールの留学支援を活用し、チームで学習内容や知識を共有することでスキルアップに努めています。
また、誕生間もない組織ということで、現在は外部コンサルにサポートしていただいています。将来的には、自社でUIデザインの制作や体験設計の改善ができることをめざしています。
山本さん:先ほど永田さんが述べたように、当社には「確かな安心を、いつまでも」という経営理念があり、「お客さま志向」が全従業員に共有されています。しかし、「お客さま志向」のデザインをどうやって実現するのかという共通認識がデザイン組織発足時はなかったため、なかなかデザインに落とし込めないという課題がありました。加えて、デザインに関わるビジネス・デザイン・開発部門それぞれの役割・めざす方向性が明確化されていないことも問題でした。
そこで、デザインでも「お客さま志向」を実現できるよう、実際にシステムを利用する部署の方や、システムの開発・保守運用に携わる情報システム部門の方を集め、日々の行動レベルにまで踏み込んだマインドセットを作成するワークショップを開催しました。

稲葉さん:私はマインドセットを作るワークショップに参加した経験自体がとても楽しく、有意義なものとなりました。普段オンラインで話し合っていたメンバーが、ワークショップのために一つの部屋に集まり、議論を重ねたことがよかったです。どのような想いで仕事をしているか、あるいはどのような点を改善したいと考えているのかといった、メンバー各々の想いを知れたことも大きかったです。
また、ワークショップを通じて、改めて「お客さま志向」を考え、どうすればデザインとして実現できるかを自分ごと化するとてもいい機会となりました。

山本さん:マインドセットの実践を通じて、全従業員が共通認識として持っていた「お客さま志向」をどのようにデザインに落とし込むかが明確化され、デザインに関する議論がより活発になりました。
立場や業務の違いを越えて、お客さまを大切にする仲間として、意見を出し合って良いデザイン開発を行ない、「お客さま志向」を実現しようという意識が醸成されたため、マインドセットを作ってよかったと思いました。
山本さん:2022年度は、サービスごとに異なるデザインが混在していたお客さま専用サイト「MYほけんページ」のデザインシステムの構築に取り組み、統一感のあるデザインに改善しました。
「MYほけんページ」は画面数がとても多く、まだ道半ばですが、主要な画面は新デザインに切り替わっており、デザインの改善が着実に前進していると感じています。

実際に行なわれたMYほのデザイン改善例
手代木さん:1つは、当社のシステムをご利用される方は若年層からご年配の方まで幅広いため、誰でも使いやすいようなデザインが求められている点です。お客さまが見やすい画面を提供することはもちろんですが、お客さまの傍で説明する当社営業職員にとっても見やすく・説明しやすいデザインとなるよう気をつけています。
また、お客さまのスマートフォンやパソコンだけでなく、営業職員が使う専用スマホ・タブレット端末もありますので、全ての機器で最適な見え方をデザインする必要があります。

中山さん:もう1つは、保険会社特有の難しい情報を、お客さまにわかりやすく伝えるデザインが求められることです。ほとんどのお客さまにとっては、保険会社のサービスに触れあう機会はそう多くありません。複雑で、身近でないサービスの情報をただ伝えるだけでは、お客さまにとって良い体験になりません。
どうすればお客さまが理解し、当社のサービスを魅力的なものとして興味をもっていただき、そして安心して使えるかを考えることは、保険会社のデザインならではと思います。
中山さん:まずは、立ち上がったばかりのデザイン組織に携われるということでしょうか。
決めなければならないこと、やらなければならないことは山積みですが、スタートアップのような黎明期にこそ魅力を感じる方にとっては、やりがいのあるフィールドだと感じています。これからは「保険業界でデザインに力を入れているのは明治安田」だとイメージを持っていただけるよう、より一層力を入れていきたいと思っています。
稲葉さん:約1,200万人のお客さまと、約47,000人の従業員 (2023年3月末時点)という多くの方が利用するサービスのデザインに関われることです。当社が展開する商品やサービスの数は非常に多く、従業員向けシステムも入れると、とてつもない数になります。その分課題は多いですが、やりがいは大きいと思います。
手代木さん:これまで保険は、加入した後は事故・入院といった万が一の時だけしか関わることがないとされてきました。しかし、この流れは変わりつつあり、例えば当社では、お客さまや地域のみなさまといっしょに、健康づくりをサポートするサービス・イベントを実施しています。保険の枠組みを越えて、お客さまの健康や地域社会を応援するサービスに関わることはやりがいがあります。
デザイン組織のみなさん:保険ほど長期間にわたってお客さまに関わることができるものは、あまりありません。自分のデザインが、多くのお客さまの人生に寄り添い続けるということに魅力を感じてもらえる方に、ぜひ来ていただきたいと思います。
たくさんのご応募、お待ちしております。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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この記事を書いた人

辻野 結衣
関西大学政策創造学部卒業後、株式会社インクワイアに入社。2023年4月に独立し、企画・執筆・編集を手がける。関心領域は、市民と政治、テクノロジー、文化など。
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