
「理想のアプリ!」「楽しすぎて時間が溶ける」「運営、推せます」とユーザーから大絶賛のサービスがあります。それは「- 推し活アプリ Oshibana -」(以下「Oshibana」)です。


同アプリの開発プロセスの特徴は、なんといってもユーザーとの活発なコミュニケーション。頻繁にデプスインタビューやTwitter(現:X)から機能に関する意見をもらい、集まった声はSlackなどを介してチームに共有。即座に議論をし、モックアップを何度も作り替え、仮説・検証を実施しながら、サービスの向上を目指しています。
この「Oshibana」を企画・運営しているのは、株式会社ブックリスタです。「エンタメ×テック(知的好奇心×感動体験)」をビジョンに掲げる同社は、今「Oshibana」をはじめとした新規事業開発に力を入れています。さらなる事業拡大に向けて、自社プロダクトの開発・グロースに戦略立案から伴走できるデザイナーを募集中です。
本記事では、働いているデザイナーの魅力、ユーザーへの向き合い方、サービスの開発プロセスについて、新規事業開発室でPdMを務める尾崎眞子さんとフルスタックエンジニアの大西剛史さんに伺いました。
尾崎 眞子(Mako Ozaki) 新規事業開発室 プロダクトマネージャー
東京外国語大学イタリア語学科を卒業。広告制作のディレクター、データアナリスト、アプリマーケター、サービス企画を経てブックリスタに入社。現在はショートマンガサービス・YOMcoma(よむこま)のPdM。
大西 剛史(Tsuyoshi Onishi) プロダクト開発部 システムエンジニア 兼 新規事業開発エンジニア
大手SIer、ヤフー株式会社を経て2020年7月ブックリスタ入社。新規事業開発とプロダクト開発を担当。ヤフーではWeb、iOSアプリ、Androidアプリ、API、DB、配信サーバなど全般的な領域で、6つ以上のコンシューマーサービスを担当し、兼務として株式会社GYAO、株式会社イーブックイニシアティブジャパン、SBイノベンチャー株式会社にも所属してきた。本筋であるプロダクトとは別に、社内メンバーと小規模の新プロダクト開発チームを組むことも多く、好きな技術や効果を採用する自由なスタイルの開発を楽しんでいる。
尾崎さん:「エンタメ×テック(知的好奇心×感動体験)」というビジョンを掲げ、二つの事業を展開しています。一つは、電子書籍関連の事業として、ストアシステム運営や取次、ソリューションサービスの提供などを行っています。もう一つは、既存事業の枠にとらわれない新規事業の創造に取り組んでいます。
大西さん:現在、二つのサービスを企画・運営しています。一つは、「Oshibana」。アイドルや俳優、キャラクターなど“推し”がいる方の推し活をサポートし、応援するアプリです。機能には、推しの画像を組み合わせたスマホのホーム画面作成、推しの誕生日などイベントのカウントダウン、推しのYouTubeやTwitter(現:X)に即時にアクセスできるものなどがあります。「Oshibana」はApp Storeで4.8と好評価をいただいています(2023年7月末日時点)。
運営しているもう一つのサービスが「YOMcoma(よむこま)」。4コマ・イラスト日記などのショートマンガをクリエイターが投稿・管理でき、それらのマンガをクリエイター以外のユーザーが読めるサービスです。2023年3月にベータ版をローンチし、約1ヶ月で投稿作品数は1万5000件を超え、作品の読まれた回数は100万回以上を記録。クリエイターの創作活動を後押しできるように、現在は収益を得られる仕組みを検討中です。
尾崎さん:新規事業やサービスを立ち上げた経験のあるメンバーを中心に、PdM・ディレクター・エンジニア・プロダクトデザイナーの約10名で運営しています。
大西さん:メンバーの特徴として、二次創作に打ち込んでいたり、ラジオ番組を運営していたりと、仕事以外にもサイドプロジェクトを持っている人が多いですね。
最近は、学びに貪欲なチームを目指し、メンバー全員でインプットの習慣づけに取り組んでいます。そのために、隔週で“学びの共有会”を開催しているんです。一人10分程度の持ち時間で、サービス開発やデザインに関する書籍で得たことを発表します。この取り組みを始めてから、読書の習慣はもちろん、自分の中に学びが定着するようになりました。メンバーの発表を通して、新たな発見もできています。ここで培った知識をサービスづくりにどんどん活かしていければと思っています。


尾崎さん:ユーザーの声に耳を傾けることを心がけています。
事業を企画するときも、サービスを改善するときもユーザーヒアリングを積極的に行っているんです。「Oshibana」は市場調査の際に実施したデプスインタビューでいただいた声を参考に作りました。Twitter(現:X)でインタビューに協力してくださる方を探し、推し活をするうえで、不便なことやストレスになっていることについてお話を聞いて。実体験に基づく、十人十色の困りごとをたくさんいただきました。

サービスローンチ後も、Twitter(現:X)のDMやデプスインタビューで定期的に意見をもらったり、モックアップを見てもらいながら意見をいただいたりして、改善のヒントを得ています。
ユーザーの声は、社内のSlackなどで共有して、即時的に改善案のアイデア出しができるようにしています。すべてではないですが、ユーザーからいただいた要望をTrelloで公開しているんですよ。このTrelloでは開発状況がいつでも見られるようになっています。
大西さん:インタビュー以外にも、新しい機能の需要や要望を確かめるための施策を行っています。その一つが、ダミーUIによるアンケート施策です。まず、サービス内に、本当に操作ができそうなUIをコーディングします。そのUIを操作しようとすると、アンケートのポップアップが出る、という仕掛けです。アンケートに答えてくれるのは、実際に機能に興味を持ってくださった方が多いので、ユーザーの本音を伺えることが多いんです。


尾崎さん:このアンケートを置くかどうかは、最初迷いましたよね。ユーザーは完成されたサービスを使いたいだろうから嫌悪感を抱く人もいるんじゃないかと。それに、インセンティブもないアンケートに答えていただけるのかなって。
でも、私たちの懸念は杞憂に終わりました。ユーザーからはとてもポジティブな反応がかえってきたんです。「私たちが使いやすいような機能を作ろうとしてくれるんですね」と温かい言葉とともに、アプリの機能について要望やご意見をたくさんいただきました。マンガの創作活動を支援したいというビジョンに共感いただいたからこそできる試みだなとつくづく思います。
尾崎さん:定量的にインパクトの出そうな課題にまずは着手します。新規ユーザーや継続ユーザーが増えることは、それだけユーザーのお役に立てているということだと考えているんです。
例えば「YOMcoma」では今、「作品を投稿するきっかけをつくること」に注力しています。いい作品が増えれば、クリエイターの「投稿しよう」と思う気持ちを後押しし、読者もクリエイターの作品を読みたい、応援したいという気持ちになってくれると考えているからです。最終的には、クリエイターの創作を継続させられるような収益の仕組み化を実現できるのではないかと仮説を立てています。
ただ、数値だけで判断しているかというと、そうではない場合もあって。インタビューの中でユーザーの課題感が強く感じられた場合や、「YOMcoma」ならではの価値がつくれそうなアイデアについては、早々に着手することもあります。まだできたばかりのサービスなので、その都度メンバー間で議論しながら、取り組む課題を決めていますね。
大西さん:取り組む課題が決まったら、私たちが大事にしているリーン・スタートアップの考え方をもとに、スピーディに改善していきます。最初から完璧なものを作ろうとはしません。最小限のサービスや機能をつくり、ユーザーの反応をみながら、仮説・検証を実施し、また新たな学習をしていく。できるだけこのサイクルを早く回し、ユーザーが求めるサービスに近づけていきます。
大西さん:領域横断でフラットなコミュニケーションが様々なところで起こっています。職種や年次にとらわれず、メンバー間でどんどんアイデア出しをしたり、悩みを相談したりしています。
また、巻き込まれるのをいとわず、協力し合う関係性が築けていると思います。抱える課題に関して知見のある人がいれば、プロジェクトメンバーでなくてもミーティングに参加してもらいますし、協力できそうなことがあれば自ら手を上げてミーティングに出ることもあります。
尾崎さん:ざっくばらんに共有や相談ができる場をいくつか設けています。例えば、週1回は全社で“リーンコーヒー”と呼ばれる、アジェンダのないミーティングを開催しています。
このミーティングでは、共有事項と相談事項を中心に、その場で伝えたい内容を考えて話します。一人ひとりの話を丁寧に聞いていると時間が足りなくなってしまうので、テンポ良く進行していきます。ただ、他メンバーの話を聞いて、新たに共有したいことが出てくる場合もあるので、5〜7分ほどの制限時間を設けて、話したい内容を改めて考えるタイミングを作っています。出てきたもので、深い議論が必要そうな内容があれば、別枠で必要なメンバーだけを集めて話す場を設けています。
くわえて、週2〜3回ほどプロジェクトごとにミーティングを実施。業務の目線合わせを目的に、今フォーカスすべきタスクや困りごとなどを共有しています。
大西さん:他にもデザインお茶会や、参加メンバーが好きなもの・ことを話す社長ランチ会など、ちょっとした雑談ができるような場を設けて、メンバーそれぞれの人となりを知れる機会を設けています。
大西さん:そうですね。情報の透明性も大切にしています。各メンバーのミーティング予定は誰しもが見られるようになっているんです。もし議題に興味があったり、勉強になりそうだと感じたりしたら、どのミーティングにも参加可能です。
Slackに関しても、新規事業開発に携わるメンバーの間は、すべてのチャンネルが閲覧可能で、メンバーやプロジェクトの動向、ユーザーの意見など、オープンに情報が共有されています。

大西さん:新規事業開発室にいる2人のデザイナーはテクニカルな部分はもちろん、「なぜつくるのか」と目的から考えられる方たちなんです。プロダクトをどう成長させていくのか戦略部分も議論できる。こんなにもバランス感覚の優れた方たちはなかなかいないと、尊敬の念を抱きながら、一緒に働いています。
尾崎さん:ものづくりに夢中になれる点も魅力的だなと思います。ブックリスタのデザイナーは四六時中、サービスやプロダクトのことを考えている方が多いです。仕事とは関係なくてもグラフィックデザインやイラストを制作したりする人がいたり、本の執筆をしたりしている人がいて。作ったものをいつも楽しそうに見せてくれるんですよ。
尾崎さん:はい。企画や戦略などをPdMやディレクターと一緒に考えています。くわえて、ユーザーインタビューに同席したり、市場調査をしたりと、役割を超えてサービスにコミットしています。
表層だけのデザインだけではなく、サービスの目的を考え、そのために必要なコンテンツや機能を検討し、トライアンドエラーを繰り返したい。そんなデザイナーが活躍できる環境です。
大西さん:「失敗やカオスをも楽しめること」でしょうか。新規事業開発室には毎日、本当にたくさんのユーザーの声が届くんです。私たちはもらった反応やリサーチした内容を精査しながら、スピード感を持ってサービスのアップデートをしていきます。取り組んでいたデザインを白紙に戻して、また0から作り替えることも多々あります。だからこそ、作っているものに固執せず、変化にポジティブな方だと楽しく働けるんじゃないかと思います。
尾崎さん:私たちは「1割でも成功すれば儲けもの」というスタンスで、小さく、たくさんのトライアンドエラーを繰り返します。そのため、失敗を糧にでき、学習意欲が強い方だと、嬉しいですね。お互いに良い影響を与え合えるのではないかなと思います。
あとは、ご自身の考えや価値観をもとに、企画の提案やプロトタイプを作っていただけるといいですね。作りたい熱量のある方とたくさんの試行錯誤をしていきたいです。
大西さん:専門性の違うメンバー同士、時にはぶつかりあうこともあるかもしれません。そんなときでも、それぞれの考えの違いを理解しながら、よりよいサービス作りができたらと思います。
※「- 推し活アプリ Oshibana -」「YOMcoma」は、株式会社ブックリスタの登録商標です。
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この記事を書いた人

佐々木まゆ
1992年生まれ。ライター。デザインコンサルのロフトワークを経て、ライターとして独立。ウ ェブメディアにてインタビュー記事や事例記事を執筆。
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