
株式会社ブックリスタ(以下ブックリスタ)は、ソニー社、KDDI社を含む4社で立ち上げたジョイントベンチャーです。多くの人々へ感動との出会いの場を提供しつつ、新しい価値を生み出し、日本の文化と未来をさらに豊かにするために、電子書籍に関連するさまざまな事業を展開しています。
今回インタビューをさせていただいたのは、ブックリスタ 代表取締役社長の村田 茂さんと、ブックリスタ 新規事業開発室 室長の本澤 友行さんです。ブックリスタが展開していく新規事業の展望やエンタテインメント×テクノロジー(以下エンタメ×テック)の力についてお伺いしました。
村田 茂(Shigeru Murata)|代表取締役社長
1990年、株式会社CBS・ソニー出版入社。音楽誌、コミック、単行本などの編集を経て、“デジモノステーション”を創刊、編集長となる。2007年に株式会社ソニー・マガジンズの代表取締役に就任。その後、統合先である株式会社エムオン・エンタテインメントの代表取締役を経て、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント デジタルコンテンツ本部の本部長に就任(現職)。2016年に株式会社ブックリスタの取締役に。2020年4月1日より、同社の代表取締役社長に就任し、現在に至る。
参考記事:株式会社ブックリスタ トップメッセージ
本澤 友行(Tomoyuki Honzawa)|新規事業開発室 室長
2015年、株式会社ヴィレッジヴァンガードウェブド入社。サブカルチャー領域のクリエイターや作家の生み出す商品を軸とした事業計画、バイヤーを担当。4億から10億の売り上げ向上、全期間の目標を達成。2017年にクックパッド株式会社から子会社のCookpadTV社に出向し、ストア事業部の部長に就任。テキストと画像のUGCを動画化したコンテンツ配信サービスを展開し、生鮮部門最大級の規模に。2020年11月よりブックリスタの新規事業開発室にてビジネスプランナーに就任し、現在に至る。
参考記事:新規事業開発室本澤さんインタビュー
村田さん:ブックリスタは、2010年にソニー社、KDDI社、凸版印刷社、朝日新聞社の4社で立ち上げたジョイントベンチャーです。
当時から、様々なもののデジタル化が進むと言われていた中で、4社それぞれの強みを活かし、「電子書籍を通して感動を届ける」という理念を達成するために、電子書籍という新しいマーケットに向けてビジネスを創出しようということで設立しました。
現在は、コンテンツの取次、配信プラットフォームの提供、プロモーション企画、オリジナル作品の制作など、電子書籍に関する幅広い事業を行っています。
設立した10年前から現在に至るまで、電子書籍のマーケットは成長し続け、今では大きな産業になりました。私は10周年を迎えたタイミングで代表に就任しました。
代表になってからは、世の中のあらゆるデジタルインフラが進化、拡大してきている中で、電子書籍はただ読むだけではなく、もっと別の体験価値を届けることができるのではということを考えていました。それを具現化するためにはテクノロジーが必要だと考え、2020年4月には、会社の目指す姿として、イノベーティブかつ楽しい“エンタメ×テック”カンパニーというビジョンを掲げました。
「新しい体験価値を発明したい」という想いから、新規事業開発室の立ち上げも行いました。電子書籍の枠にとらわれず、これからは映像や音声で価値を提供していくことも視野に入れています。もっとリアルな体験型で、ライブやイベントとテクノロジーを組み合わせても面白いことができそうかなと。
そのビジョンの元、まずはテクノロジー領域の強化を目指して、この1年間で約30名ほどエンジニアを採用し、開発の内製化を進めてきました。
その中で様々なプロトタイピングを繰り返して新規事業を推進していたのですが、ビジネス×デザインの領域で旗振りをしてくれる人材が社内にはにはいませんでした。そこで、事業を創出する段階からUXデザインの知見を持った人材を探していた頃、本澤と出会いました。

本澤さん:元々僕は、ブックリスタに入る前はヴィレッジヴァンガード社とクックパッド社で新規事業をやっていました。
ヴィレッジヴァンガード社はサブカルチャー、ネットカルチャーを扱う会社で、そこの子会社で事業計画、まだ有名になる前のクリエイターや絵師さんに声をかけて新商品の開発をプレイヤーとして担当していました。そこから大きなUGC(User Generated Content)を活かした事業をもっとやりたいという気持ちが芽生え、クックパッド社に転職したんです。子会社の新規事業の部長として、テキストと画像のUGCを動画化したコンテンツ配信サービスを展開し、全国の1/4のスーパーに導入しました。
作家やクリエイターと料理は、一見関連性がなさそうに見えるかもしれませんが、「みんなは無関心かもしれないけれど、私にとっては大切」という物事に光をあてる事業という点で、自分の中ではこの2つは関連していると思っています。
他の人には理解できないかもしれませんが、その人自身はこだわりを持っている部分ってあると思うんです。そういった感情を持っている人たちを応援したい、光を当てたいという気持ちをさらに実現させるために、ブックリスタに入社しました。転職活動で色々な経営者の方に会う中で、ダントツに可能性を感じたのが入社の決め手ですね。
村田さんはソニー・ミュージックエンタテインメント社で、YOASOBIをはじめとして、様々なエンタメに関わっていますよね。エンタメ領域の流行に詳しいし、自分よりもはるかに知識が豊富であることが話していてわかりました。
自分がこれをやりたいって言った時に、昔こんなことがあったよとか、他社や業界ではこうなってるよってフィードバックがいただけそうだと思ったことも、ブックリスタに入社した決め手です。
村田さん:新規事業開発の採用にあたっては、エンジニアも含めると約50名ほどの方にお会いしました。魅力的な方ばかりでしたが、その中でも、本澤は抜群にフィットする人材でした。
出版、書籍に対する知見と、エンタメとテックの領域における経験値という、私が求めていたものを全て持っていました。
ヴィレッジヴァンガード社で培った書籍やネットカルチャーやクリエイターに対する知識の深さや広い知見、クックパッド社で培ったUGC×映像の経験、そして商人マインドがあり、これ以上の人材はいないと感じ、オファーを出しました。

本澤さん:方向性としては、やはりエンタメ×テックですね。
エンタメ×テックは、言い換えると感動体験と知的好奇心であると考えていて、知的好奇心を具体的にくすぐれるか?感動体験を届けることができるのか?を軸に、何度も議論を重ねながら進めています。
本澤さん:面白そうなアイデアや「不」があるなと思ったら、簡単なユーザーインタビューでリサーチをします。そこから検証したい価値仮説をつくり、それを検証するためのプロトタイプを作成するという流れで作っています。
本澤さん:私の他に、メンバーは3人います。ひとりは、Yahoo社出身のエンジニアで、フルスタックでなんでも作ってくれる頼もしい人です。もうひとりは、企画プロダクション出身の人ですね。リサーチをしてもらいつつ、自身もかなり深い沼の住民でもあるので、ユーザーとしての意見も返してくれて、スピード感を高めてくれています。また業務委託でUIデザイナーの方に入っていただいています。その他に、新規事業に興味のある他部署メンバーと話をする中でヒントを得たりしています。新規事業開発室の中だけで作っている感覚はなく、会社全体で取り組んでいる感じです。
本澤さん:大学では会話分析や定量調査に触れました。ヴィレッジヴァンガード社では、SNSのフォロワーに話を聞いたり、まだ有名になる前のクリエイターや絵師さんに今後何を表現したいのか、売りたいのかを聞いていましたね。それらを持ち寄って企画会議をする、ということをたくさんやっていました。クックパッド社では、そもそもユーザー中心に設計することがサービスの前提になっていました。そういった色々な経験が糧になっています。
村田さん:確かに本澤は私がこれまで出会った人の中でも、情報収集能力がずば抜けて高いなと感じています。
本澤さん:事業ごとのユーザーや仮説によってプロトタイプは異なると思っているので、型として決めているものはないです。
ただ、現在検討中の2つの事業については、Figmaでプロトタイプを作ってユーザーに当ててみることと、仮説に合わせて検討内容の順番を変えながら進めることを共通して行っています。
本澤さん:価値の仮説を作れるかもと思ったら、その周辺にプレインタビューをしていますね。そのフィードバックを元に、あくまで素案ではありますが、100枚くらいの仮説資料をさっとまとめていますね。色々な方向性があるものは、部分部分でプロトタイプを作っています。現在Figmaで行っていますが、動画だったり紙だったり、手法はこれからも模索していければと思っています。先月から本格的に動いているのですが、デザイナーが入ってくれたので、やりやすくなってきた感じですね。
気をつけているのは、自分含めメンバー全員が最近入社したばかりで、前職で使っていた言葉の定義をそのまま無意識で使ってしまう時ですね。例えば「プロトタイプ」っていう言葉1つとっても、バックグラウンドによって考えていることが違うんです。
なので、そういった言葉をすり合わせることを、今は時間をかけて行っていますね。

村田さん:今回の事業に関しては高収益型のものがいいと思っています。中期の事業計画を作っている中で、できるだけ早く立ち上げてほしいですね。会社としても1年間はキャッシュアップ期間でいいと思っていますが、2年目くらいで立ち上がって欲しいです。
本澤さん:UI/UXデザイナーで、情報設計に強みのある方ですかね。Figmaなどを使いながら、ユーザーに見える形に落とし込んでくれる方にぜひ来ていただきたいです。スピード感があがるので、とても助かります。現状は人数も少ないので、自律して動ける方がよいです。中期的には、デザイナーの方が複数いて、デザインの意見交換ができる形を作っていけたらいいと考えています。
本澤さん:新規事業で求められるものによると思います。グラフィックデザイン重視とかインタラクション、アニメーションとかが大事になってくると、デザイナーの人数がある程度必要になってくると考えています。
村田さん:前提として、職種というよりは全般的なナレッジになるのですが、あらゆるジャンルに関して、知見や好奇心があるデザイナーの方がブックリスタには合うと思います。その前提を踏まえた上で、現状一緒に働きたいと思っているのは、全体を理解していて、それをUIに落とし込めるデザイナーですね。
本澤さん:そうですね。現状は新規事業のタネを探し、育てているところ。なので、新規事業を一緒につくりたいというデザイナーの方と一緒に働きたいです。
新しいことを一緒にやりたいのはもちろんですが、ただ奇抜なクリエイティビティを求めているわけではありません。UIに関しては、過去たくさんの人たちが試した結果を情報公開をしてくれているので、まずは使いやすいインターフェースの基礎土台は踏襲しつつ、このサービスの場合は、こういう組み合わせを試したい、こういう印象にしたほうがいい、と言語化できる方を求めています。
また、サービスはフェーズにあわせて徐々に変化させたいなと思っていて、例えばCGMやECなどの場合、初期はコンテンツ数が少ないので検索機能をつけず世界観全面のデザインにして、コンテンツが充実してから機能を増やすなど、その時の最適な状態に作り変えながら進めたいので、そういう絶えず変更することにポジティブな人がいいなと思っています。
本澤さん:ハードになる点は、新しい価値を探すことですかね。ユーザーの価値を優先した結果、作るものがすぐ変わる可能性があります。次の日には新しい価値を探している、みたいな感じの進め方をしています。マスターピースを作ったのでもうこれで行きたい、って人にとっては厳しいかもしれません。
魅力になる点は、新しい価値を探してどう形にするのかを考えられることです。
今のスタンダードのちょっと先の新規事業を狙っていて、プロダクトがマーケットにフィットできるかできないかのギリギリのラインを攻めるという、ワクワクできる環境があると思います。

村田さん:僕の役割は大方針と人のキャスティングで、企画のディテールに関してはジャッジしないことだと思っています。具体的なビジネスの感覚とかデザインの感覚になるべく口出しをすることはしたくないですね。本澤がリスペクトするエンジニアやデザイナーであれば、僕もその人たちをリスペクトしたいと思っています。
基本的に、採用が決まった段階で僕の役割はもう終わっています。それくらい現場に裁量がないとうまくいかないと思っています。
村田さん:内製することでコストダウンさせるとかではなくて、その先にある、自分たちがゼロイチで作った事業で自立していくことの初歩だと思っています。ブックリスタが、自分たちで生み出した新しいサービスや事業で大きくなっていくことの始まりです。ブックリスタにとって、内製化することは人類にとってアポロが月面に着陸することと一緒だと思っています。
小さな一歩かもしれないけど、ブックリスタにとっては大きな一歩です。新しい事業への立ち上げにつながっている、そんなすごい価値を持っていることは、みんな認識してくれています。

本澤さん:まずは本やマンガ、音楽や舞台などのエンタメが好きというのは大きな特徴としてあると思います。
社内のSlackでマニアックな質問をしても返信がくるところから、様々な知見を持っているメンバーが揃っていることを感じますね。
あとは会社として10年目ですが、昨年メンバーの数が3割ほど増えたこともあり、スタートアップにいるような感覚を持っています。
村田さん:スタートアップらしさはすごく大事にしています。そのスピード感と、KDDI社やソニー・ミュージックエンタテインメント社と協働しているという安心感のハイブリッドですね。新進気鋭のチームと、今まで培ってきた資本のどちらも持っているところがブックリスタらしさなのかなと思っています。
村田さん:そうですね。エンタメ好きな人は多いです。沼はみんな深いですね(笑)。みんなが推しのジャンルが同じというわけではありませんが、馬は合う感じです。現状は新卒を1人も採用していないプロフェッショナル集団ということもあり、エンジニアだったりアナリストだったり、色々な職種のメンバーがいます。得意技が違いますから補完関係にあり、それぞれを尊重していますね。みんな好奇心と情報収集力が強いのはブックリスタの特徴なのではないかなと思います。
本澤さん:クリエイティブの力は、想像力を刺激することで誰かの支えになるところにあると考えています。小さい頃に病院で入院してた時期があるのですが、絵本やアニメなどを見ることが楽しみで、変身するのってかっこいいとか、外には面白いことがあるんだって思わせてくれました。
誰かの支えになるクリエイティブをビジネスとして成長させていくのがデザイン力。これまでに少し足りなかった価値をデザインとテックの力をあわせてつくっていきたいです。
村田さん:とにかくユーザー目線を意識したことですね。みんなが求めているモノやコトでないと受け入れられないですよね。ユーザーの課題解決というか、それを超えるような体験価値の提案。ただ、歳とともに自分がマジョリティではなくなっている気もしています。
本澤のような大多数の人をキャッチして思いを受け取れて推進できるプロデューサーにどんどん任せていきたいです。
それが今後の僕の役割だと思います。

本澤さん:「客観的にみて合理的でも効率的でもないけど、私はこれが好きなんだ」っていうものがある人はこの会社が合うのではと思います。その気持ちをもったユーザーが認め合ったり自己承認できるようなサービスをつくっているので。
興味を持ってもらえたら、まずはカジュアル面談から入っていただいてもいいですし、担当メンバーのスキルマップも公開しますので、参考にしていただけるのでは、と思います。
一緒に創造しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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この記事を書いた人

ReDesigner
ReDesignerは、デザイン会社によるデザイナー向けのキャリア支援サービスです。 企業とデザイナーの間に入り、独自のオンラインアンケートや面談を通じて、 デザイナーの特性やキャリアの指向性を理解した上で適切なマッチングを行います。単純に紹介をするだけでなく、デザイナー特化型の求人票も用意しており、デザイナーが働きやすい環境設計も支援します。
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