
ReDesignerでは2020年を締めくくるイベントとして、社会課題×デザインについて考えるための“Social Impact Week”を開催しました。全5回に渡り、様々な社会課題に取り組む企業に登壇いただきました。 Design Action・Creative Actionの重要性が叫ばれている中、各社は社会課題に対してどのようにアプローチし、その中でデザインはどのような役割を担っているのでしょうか。
今回は、健康・福祉分野の解決に取り組む、エス・エム・エス、カケハシ、サントリー食品インターナショナルの3社が登壇した、【健康・福祉×デザイン】をテーマにしたトークセッションの内容をお届けします。
世界に例を見ない速さで高齢化が進行する日本では、保健医療制度を維持しつつ、一人ひとりの健康寿命をどう延ばすかということなどが重要な課題になっています。今回は、その最前線で介護・医療・健康の領域に取り組む3社に、それぞれの視点からデザインの取り組みをお話いただきました。

井辺 拓男|株式会社エス・エム・エス
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科にて修士課程を修了後、株式会社サイバーエージェントに入社。米国法人の立ち上げにソフトウェアエンジニアとして従事し、帰国後はインターネット広告製品の開発に携わり、開発責任者、事業責任者を歴任する。その後、2018年に株式会社エス・エム・エスに入社し、介護業界向け経営支援サービスである「カイポケ」のプロダクトマネージャーに就任。
林 静芝|株式会社エス・エム・エス
筑波大学大学院情報メディアの修士課程修了後、不動産系の大手企業を経て、ワークスアプリケーションズ株式会社に転職。 UIUXデザイナーとして同社ERPパッケージの機能企画や全社のデザインスキル・品質向上のプロジェクトを推進をしたのち、2019年に株式会社エス・エム・エスに入社。社内初となるインハウスのデザイン組織を立ち上げ、シニアデザイナー兼リーダーとして、ブランドやコミュニケーション、デジタルプロダクトデザイン、デザイン推進活動に従事。
エス・エム・エスは高齢社会に求められる領域を、介護、医療、ヘルスケア、シニアライフの4つとし、さまざまなサービスを開発・運営しています。そのなかでも今回は介護業界の課題にフォーカスした「カイポケ」というプロダクトについてお話をさせていただきます。

皆さんもご存じだと思いますが、日本では近年高齢化によって医療・介護費を中心とした社会保障費が増加する一方で、少子化に伴う労働力人口は減少しています。介護の現場でも人材需要が増え続けているものの、働き手の不足が大きな課題となっています。またそれに加えて、社会保障費を抑制する国の動きは年々強まっており、その一部である介護保険が売上の約9割を占める介護事業所の経営状況は悪化し、近年は倒産件数も急増しています。
そんな介護業界において、カイポケは「介護事業者の経営改善とサービス品質向上に貢献し、日本の介護を元気にする」をミッションに掲げ、介護事業者の方の経営改善をサポートする様々な機能を提供しています。介護のマーケットはかなり大きく、コンビニが全国に5万5千店舗ほどなのに対して、介護事業所は約25万所もあり、そのほとんどが零細事業所です。またそんな介護業界で事業所を立ち上げる方の特徴として、現場で得たスキルを生かして理想の介護を実現したい、良質なケアを提供したいという想いで起業した人が多く、情熱がある一方で戦略的な経営に慣れていないため、事業がうまくいかずに倒産してしまうといったケースは珍しくありません。
また先程もお話したように、介護の現場では人手不足が深刻な問題になっており、生産性の向上が強く求められるようになっています。そうした問題に対し、カイポケでは高齢者のバイタルやケアの記録をタブレット端末を使ってデジタルに管理することで、従来の紙管理による手間が大幅に削減できる業務効率化ツールを提供しています。ほかにも人事労務、財務会計といったバックオフィス業務に関わる機能などがあり、こうしたサービスの提供を通して、介護事業者の方の経営改善をサポートし、彼らが本来やりたい理想の介護や良質なケアの実現に向き合えるようにすることを目指しています。

介護の現場で働く方は40代以上の割合が高く、その多くがタブレットやパソコンといったICTツールに苦手意識を持っています。そういった方々が使いこなせる業務ツールを作るためには、ユーザーリサーチに基づいてユーザーに寄り添ったプロダクトデザインをすることがとても重要です。そういった背景があり、カイポケのデザイン組織で最も重視していることの一つが、「ユーザーのニーズを正確に掴むこと」です。
具体的なデザインプロセスの実践・検証の取り組みとして、訪問介護のシフト管理を支援する「カイポケシフト」というプロジェクトについて紹介します。訪問介護事業所には、実際に高齢者の方の住まいに行って介助を行うヘルパーと、その訪問先やサービス内容について指示を出す管理者という役割の方がいます。管理者は利用者の状況理解や介護計画書の作成といった本来やるべき業務があるのですが、シフト作成や変更、連絡調整といった業務にかなりの時間を取られ、十分な時間が割けないことが問題になっています。
こうした現場の課題に対し、カイポケシフトは、1.ヘルパーさんのスキルや希望給などの条件を考慮してシフトを自動作成する、2.急なシフト変更に対し、条件を整理して最適な候補者を提案する、3.必要な連絡をシステム側から自動で関係者に送る、といったアプローチで解決できないかを検討しました。

カイポケシフトのデザインプロセスで最も重視したのがインタビューの設計です。大きく3つのステップに分け、1.ワークショップを行って業務フローを時間軸上で整理する、2.グループインタビューを通して業務課題についてヒアリングする、3.1対1のデプスインタビューを通して課題の切実度や優先順位を把握し問題を構造化する、といった流れで取り組むべき課題を明確にしていきました。業務システムの分野ではユーザーインタビューという方法がまだあまり定着していない現状があり、その結果、実際の業務の流れとフィットせず使ってもらえないということも少なくありません。しっかり使っていただけるようなプロダクトにするためにも、ユーザーの課題やニーズを正確に掴むためのインタビューの設計が重要だと考え実施しています。

デザイナーとして参画しながら実感するのは、この業界はユーザーフレンドリーなプロダクトが圧倒的に少ないことと、その分デザインの力で解決できる部分がたくさんあることです。事実、介護の現場で働く人の多くは、利用者に寄り添いたいという想いがある一方で、書類仕事に追われて十分に向き合えていないという状況があります。私たちがやろうとしているのは、そういった非効率な業務から介護現場で働く方を解放し、理想の介護を追求する介護事業者の方が一人でも多くの高齢者の方に良いサービスを届けられるようにすることです。それが私たち世代の未来を明るくすることにも繋がっていくと思います。
私たちと一緒に「デザインの力で介護の未来を変えていきたい」と思ってくれる方がいらっしゃればとても嬉しく思います。

中川 貴史|株式会社カケハシ 代表取締役CEO
東京大学法学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて製造・ハイテク産業分野の調達・製造・開発の最適化、企業買収・買収後統合マネジメントを専門として全社変革プロジェクトに携わる。イギリス・インド・米国でのプロジェクトに携わった後、株式会社カケハシを創業。
海老原 智|株式会社カケハシ 取締役CTO
慶應義塾大学大学院政策メディア・研究科修了後、凸版印刷株式会社でバーチャルリアリティ用3DCGビューア/SDKの開発、3DCGコンテンツ制作会社でテクニカルディレクションに従事。インターネットサービスに転進し、グリー株式会社にてSNS/プラットフォーム系開発に携わった後、株式会社サイカの取締役CTOを経て、創業直後の株式会社カケハシにCTOとして参画。
カケハシは、日本の医療に構造的な変化を成し遂げることを目指す成長中のスタートアップです。「カケハシがあったから日本の医療は変わったよね」と言われるほどの大きなインパクトを創業当時から思い描き、その中で事業を構築してきました。我々は、医療の世界において昔に作られたシステムが変化にうまく適応できず、いわば噛み合わなくなった歯車のように働いてしまっていることが問題だと捉えています。そういったところにテクノロジーやデザインの力を潤滑油として投入することで、日本の医療に大変革を起こしていきます。
現在カケハシの中核事業となっているのは、薬局での業務を支援するプロダクト「Musubi」です。薬局業務の裏側を見ると、薬剤師さんは患者さんと話しながら紙にメモを取り、営業終了後にそれらを1つ1つシステムに打ち込むなど、とてもアナログな事務作業に忙殺されています。薬剤師さんというのは本来、患者さんに「この薬に変えた方がいいのではないか」「生活習慣をこのように変えていくべきだ」といったアドバイスをして相手の行動を変容させられるような知識を豊富に持っています。それにも関わらず、現状、薬剤師さんはほとんどの時間を雑務に追われ、本当の価値を発揮できない状況にあります。
こうした課題に対し、Musubiは、薬局での雑務を構造的になくす仕組みを提供しています。Musubiでは薬剤師さんが患者さんに対して年齢、性別、飲んでいる薬、疾患といった基本データから、コーヒーを飲むか、車を運転するか、どんな食べ物が好きかといった生活に関わる情報をヒアリングしていき、内容を端末に入力します。するとデータに基づき患者さんに対して最適なアドバイスが提示されます。また、今まではあとで書かなければならなかった薬歴という記録の下書きをシステムが作成してくれます。薬剤師にとって業務の効率化を実現できるだけでなく、患者さんの話を丁寧に聞くことができるので、薬局体験の満足度を向上することができます。


カケハシはデザインにおいて2つの価値観を重視しています。
1.本質を掘り下げて体験を創る
業務システムを開発しているとお客様から様々な要望をいただきますが、表層的なニーズを捉えてそのまま実装するのでは、機能が多いだけで使い勝手の悪いものになってしまいます。そうではなく、要望が出た背景や、なぜこんなことを言っているんだろうと本質を掘り下げていきその裏側にあるニーズをしっかり把握した上で、あっと驚くような、ユーザーが想像しなかった方法で解決することを重視しています。
2.個別最適→トータルデザイン
医療の大変革を目指すカケハシは、これからサービスのラインナップを拡充していくフェーズにあります。その中でサービス同士の連携を相互に強めつつ、医療全体の体験を変えるために、個別最適ではなく全体を概観したトータルデザインの観点を重視しています。各プロダクトのUIデザインを変更するといった部分だけでなく、サービスポートフォリオ全体でどうやって薬にまつわるバリューチェーンを変革させていくのか、大局的な視点で取り組んでいます。
実は薬局はコンビニより数が多く、全国に6万店舗あります。こうした薬局の1つ1つが単に薬を渡す場所から、薬剤師さんが知識を活かして患者さんの健康をサポートする場所になれば、医療に対して大きなインパクトになると信じています。
そのために、カケハシはMusubiを中心に、Pocket MusubiやMusubi Insightといった他のプロダクトを展開しています。これらがうまく連携することでより薬局業務の良いループを回していきます。また、サービスのポートフォリオをさらに拡大していくことで、薬局の中に閉じるのではなく、薬をもらう、飲む、薬局に行くという体験自体を変えていき、さらには医療の業界全体を大きく変えていきたいと考えています。
赤間 康弘|サントリー食品インターナショナル株式会社 戦略企画本部 イノベーション開発部
武蔵野美術大学卒業。同大学にて深澤直人氏に師事。任天堂株式会社入社。企画制作本部にてゲーム/サービスのプランナー、ディレクターとして従事。スーパーマリオシリーズ、スプラトゥーン、ゼルダの伝説シリーズ、ニンテンドーeショップ、ニンテンドーアカウントの企画開発を担当。その後、サントリー食品インターナショナル株式会社に入社。伊右衛門 特茶のブランドマネージャーを担当後、イノベーション開発部にてSUNTORY+(サントリープラス)の立ち上げを行う。 第20回英国アカデミー賞、第20回日本ゲーム大賞グランプリ、グッドデザイン賞、TheGameAwards2015 2部門受賞、第17回D.I.C.E Awardsなど受賞多数。
SUNTORY+(サントリープラス)は法人向けのヘルスケアサービスです。近年、多くの企業で健康経営の必要性が高まってきています。一方で、健康意識の高い従業員だけが健康施策に反応して、約7割の健康無関心層はなかなか動いてくれないという課題や、いざ健康経営をやろうと思っても予算がないという企業もあったりと、健康経営を行うには様々な壁があるのが現状です。こうした課題を解決するのがSUNTORY+です。

SUNTORY+は、健康意識の低い方でも楽しく取り組めるよう、とにかく超低ハードルな健康タスクを続けてもらうことにフォーカスしていたり、続けたくなる遊び心のある仕掛けが沢山ちりばめられています。健康タスクは筋トレやランニングといった大変なものでなく、例えば「朝1杯の水を飲む」とか「階段を使おう」とか、既に生活の中でやっているような簡単なものが約50種類用意されています。また、簡単でありながらも実はしっかり生活習慣病対策に効果があるものを専門家の先生に監修いただいています。加えて、サントリーの健康飲料や自動販売機というアプリとつながるリアルな接点があるのが特長です。
このサービスでは多くの健康アプリが対象としている体脂肪の対策だけでなく、高血圧、コレステロール、血糖といった様々な生活習慣病リスクの対策ができるものになっています。例えば血圧対策を行いたい人にとってもいつもの生活の延長線上で無理なくできる設計になっています。

また、企業の課題を見てみると、健康保険組合の約6割が赤字(平成31年 健康保険組合連合会調査)という深刻な状況で、今後高齢化が進み従業員の平均年齢が更に上がることで医療費負担が増えていくので、企業にとって健康領域というのはこれまで以上に大きな経営課題になっていくと考えています。そこで我々は、他社のヘルスケアサービスの多くが有料で提供されるのに対し、SUNTORY+を無料で提供しています。SUNTORY+の導入と同時にアプリで獲得できる飲料クーポンを交換できるサントリーの自動販売機をオフィスに置いてもらうことで、飲料を購入いただける機会が増えるというモデルを構築しています。
サービスを0から構築していくことは、プロダクトメーカーであるサントリーにとって新しく非常に難しい挑戦でした。ヘルスケアというなかなか続かないサービスに対し、真正面から挑んでもなかなかうまくいかないことはわかっていました。
そこで、我々はGoodpatchさんに協力を仰ぎデザインの力を最大限に活用しました。
参考記事:サントリーとGoodpatchの共創による「SUNTORY+(サントリープラス)」の開発ストーリー
このサービスにおいてデザインが貢献したポイントは3つに集約できます。
1.つまらないものを面白いものに変革する力
健康領域や社会課題への取り組みは、つい堅苦しく真面目な印象のものになってしまいがちです。そういった、一見するとつまらなそうなものを面白い体験に変革する力をデザインは持っています。
2.ロジカルとは別物である「遊び心」を持つこと
多くのデザイナーが持つ資質の一つに、遊び心を持っていることがあると思います。それによって物事を多様な視点から捉えることができて、真正面から取り組んでも解決できないような課題に対して、これまでになかった新しい切り口からの解決策を見つけ出すことができます。これは今回のプロジェクトで相当な強みになりました。
3.まずは形にするプロトタイプ思考
新規事業を立ち上げる時、会議室で議論ばかりしていても何も前に進まないという状態に陥ります。デザインの基本に、まずは形にしてユーザーに当ててみるというプロトタイプ思考があります。大企業ながらスピード感を持って新規事業を立ち上げられたのは、このプロトタイプ思考が非常に重要だったと感じています。
企業の本当のゴールはお客様の生活を豊かにすることだと私は考えていますが、我々サントリーはこれまで飲料などのプロダクトでしか価値を提供できていませんでした。しかし、ユーザーの健康的な生活を送りたいという願いを本当に叶えるためにはそれだけでは足らず、サービスという形でも寄り添い続けることが必要になります。また、SUNTORY+の開発背景には、サントリーがプロダクトだけでなくサービスやデジタルという領域でも大きな価値を届ける会社だと言われるようになる、そういった変革を起こす起爆剤にしたいという想いが込められています。
サントリーには昭和36年に発表された「人間らしくやりたいナ」という有名なキャッチコピーがあります。人生100年時代と言われますが、最後の一瞬まで人間らしく、健康の先にある生活を明るく豊かにしていきたいと思っています。

後半はReDesigner事業責任者の佐宗がモデレートしながら、登壇者の皆さんとインタラクティブセッションを実施しました。

エス・エム・エス 井辺さん:きっかけは、親族が介護事業所を併設するクリニックを運営していて、いつか自分もそういった領域で貢献していきたいなと漠然と考えていたからです。医療・介護はまだまだテクノロジの恩恵を受けられていない領域が多くあり、自分が培ってきたキャリアも活かせると考え入社しました。
エス・エム・エス 林さん:私が介護や医療に注目したのは、中国にいる家族が有料老人ホームに入ってからです。中国では介護保険や介護サービスの体系が整っていません。そこで日本はどのような仕組みになっているか調べてみると、圧倒的な介護の先進国であることがわかりました。この領域で自分のデザインスキルや経験を生かせれば、日本の高齢社会を元気にするだけでなく、日本の介護モデルを世界に広げ、世界をよりよくしていけるのではないかと思いました。
カケハシ 中川さん:きっかけの1つに、とある勉強会で出会った薬剤師さんの言葉があります。その人は学校を卒業して社会のためになるんだ、医療に貢献するんだという熱い思いで薬局に入社したそうです。しかし入ってみると、棚から薬を取ってきては患者さんに渡す日々。いろいろ考えて医師に新たな処方を提案しても、薬剤師のくせに指図しないでくれと怒られ、その挙句、患者さんに待たせないでくれと怒られて。そうしているうちに、なんで仕事をしているのか、やりがいを見出せなくなってしまったんです、と目を潤ませながら話していました。それを知ったとき、強い想いを持って頑張ろうとしている人が業界構造の課題ゆえにそれを生かせないことがすごくもったいないと思いました。逆にいえば、我々がアイデアやデザイン、テクノロジーを使って構造自体を変革できるのではないかと感じました。私はこうした人の話を聞く中で課題の重さややりがいを見出してきました。
カケハシ 海老原さん:決め手になったのは、解こうとしている社会課題の大きさが創業時からかなり大きかったことです。理想を描くだけなら誰でもできますが、そこに向かってどういう事業のステップで進んでいくかというブループリントまで、カケハシはその時点で最大限明確にしていました。取り組む課題の大きさと事業の成長可能性の両方が備わっているスタートアップはなかなかないと思い、3人目として参画しました。
サントリー食品インターナショナル 赤間さん:私は学生時代からずっと世の中の社会課題を解決したいという強い想いを持っていました。その中で、サントリーが提供している飲料というのは、1日に沢山の接点があり、生きていくために欠かせないものです。その飲料を通して人の生活を豊かに健康にしていけることは非常に魅力的で、とても社会的インパクトが大きいと思い入社を決めました。

エス・エム・エス 井辺さん:介護事業者の方に使っていただくプロダクトを作っているのですが、我々自身には介護現場での業務経験がありません。そういった意味で当事者目線での業務理解に難しさを感じることがあります。それに加えて、介護は政策動向に大きく影響を受けるため、国の政策がどう変遷していくのかトレンドを読んだ上で、それをどうプロダクトに昇華させていくのかを考える必要があります。そういった難しさを踏まえた上で、本当に介護事業者の方に必要なものは何なのか?ということを考え、形にしていくことがやりがいだと感じています。
カケハシ 海老原さん:私たちのプロダクトは詳細な個人情報を扱うのでセキュリティに万全を期さなければいけないのですが、それに対する現場の理解を得るのが難しいことがあります。薬剤師の方は年齢層が高かったりするので、スキルとしても感情としても「私そんなにコンピューターとか知らないわ」ということが多くて。パスワードは8文字以上で大文字と小文字などと強制しても、実際に理解していただくことは難しいと感じます。お客様のメディアリテラシーやITに対する感情に関しては、体験のデザインによってこれから取り組む必要があります。
サントリー食品インターナショナル 赤間さん:2つあります。1つはサントリーというものづくりのプロダクトメーカーがデジタルサービスを作るという大きな壁があったことです。飲料を作るのとサービスを作るのでは発想も体制もスピード感も全然違うので、そこを説得しながら1つずつ構築し、実現していくのは大変な道のりでした。もう1つは健康という社会課題の難しさです。みんな健康を望んでいる一方で、そのための行動やプロセスは大変で面倒というイメージを持っています。本質的には自分のための行動なので、もっと楽しくあって良いはずです。健康の概念を塗り替えて、もっと楽しく豊かなものにしていく必要があると感じています。

エス・エム・エス 井辺さん:我々がやっていることは、負の積み重なっている先行きが見えづらい業界の未来を作っていくことだと考えています。そういった負を抱えた業界に愚直に向き合い、デザインの力を持って良くしていくことに本気で取り組んでいるので、もし共感していただける人がいればぜひお声がけください。
カケハシ 中川さん:医療や介護、健康みたいな領域はやはり堅苦しいイメージがありますが、だからこそイノベーションの余地が大きいと思います。課題がたくさんあってやれることが多いので、こういった分野にまだ携わっていない人たちとも業界を変えていく仲間として歩んでいければいいなと思います。
サントリー食品インターナショナル 赤間さん:健康や医療や社会課題というとついつい真面目で堅苦しくなりがちな領域です。それだけに、大きく変革できる可能性があり、挑戦する価値があると強く思っています。もっとみんなが取り組みたくなるすごくポジティブで楽しいイメージになって世の中に広がっていったら、多くの人がもっともっと明るく豊かな人生が送れるようになりますし、これをSUNTORY+で実現していきたいと思っています。
以上、「Social Impact Week #1【健康・福祉 x デザイン】人生100年時代を支える健康の仕組みとは?」のイベントレポートでした。エス・エム・エスさん、カケハシさん、サントリー食品インターナショナルさんの各社による社会課題への挑戦の熱意が伝わってくる会になりました。
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この記事を書いた人

ReDesigner
ReDesignerは、デザイン会社によるデザイナー向けのキャリア支援サービスです。 企業とデザイナーの間に入り、独自のオンラインアンケートや面談を通じて、 デザイナーの特性やキャリアの指向性を理解した上で適切なマッチングを行います。単純に紹介をするだけでなく、デザイナー特化型の求人票も用意しており、デザイナーが働きやすい環境設計も支援します。
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