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生産から消費まで。「食」×デザインの可能性〜ReDsigner Social Impact Week 【食×デザイン】

ReDesignerでは2020年を締めくくるイベントとして、社会課題×デザインについて考えるための“Social Impact Week”を開催しました。全5回に渡り、様々な社会課題に取り組む企業に登壇いただきました。 Design Action・Creative Actionの重要性が叫ばれている中、各社は社会課題に対してどのようにアプローチし、その中でデザインはどのような役割を担っているのでしょうか。
今回は、食分野の社会課題の解決に取り組むオイシックス・ラ・大地株式会社、ファームノート株式会社、クックパッド株式会社の3社が登壇した、【食×デザイン】をテーマにしたトークセッションの内容をお届けします。
コロナウイルス感染症の影響で日々の食生活は変容し、その重要性と課題が浮き彫りになりました。今回登壇していただいた3社の、生産者・消費者それぞれのサイドでの食と社会課題へのデザインの取り組みをお話いただきました。

戸田 俊作|オイシックス・ラ・大地株式会社 シニアアートディレクター/デザイナー
2008年に多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、広告制作を経て2017年にオイシックス(現オイシックス・ラ・大地)入社。 現在は、OisixECの売場全般のWebや紙のアートディレクションとデザインを兼務。

戸田さん:オイシックス・ラ・大地では、全社員がここに書かれている企業理念のもと日々仕事に向き合っています。社内には70名以上のデザイナーやカメラマンが在籍し、日々ブランドの食のタッチポイントを作成しています。
食の社会課題というと、世界的な視点で見るとフードロスやコロナの影響、畜産業の環境汚染など様々な課題が目につきます。一方、普段接するお客様に目をむけると、日々の献立のマンネリ化や子供がご飯をあまり食べないといった悩みが聞こえてきます。私はこのような家庭規模の悩みも社会課題の一つであると思っています。
オイシックス・ラ・大地では、世界規模の課題から一つの家庭の悩みまで、様々な課題にまんべんなく向き合っています。本日は、現在行っている取り組みの中から課題の規模ごとにいくつかピックアップしてご紹介します。

①世界規模の課題への取り組み:ヴィーガンミールキットの提供
まずは世界規模の課題に関する取り組みをご紹介します。オイシックス・ラ・大地はアメリカでヴィーガンミールキット販売する「Purple Carrot」を2019年に子会社化し、日本国内でもヴィーガンミールキットを提供するサービスを開始しました。ヴィーガンは日本ではまだまだ馴染みがありませんが、健康意識や地球環境への関心の高まりからアメリカではこの5年間で市場規模が倍近く成長しています。
Purple Carrotには”FUN”、 “GOOD TASTE”、”SUSTAINABLE”という3つの提供価値があります。植物の力で食卓に新たな驚きと発見、ヴィーガンフードから連想されるイメージの想像を超える美味しさを提供する。そして手軽で健康的な食卓をお客様に取り入れ、なおかつ持続可能な地球環境に配慮する。これらの価値観がオイシックス・ラ・大地の理念と親和性が高く、ミールキットという共通の商品を持っていたことからより大きなシナジーを生み出すことを期待しています。

②国内規模の課題への取り組み:Oisixおうちレストラン
二つ目は国内規模の課題への取り組みです。現在多くの飲食店がコロナウイルスによる時短営業や営業自粛の影響を受け、経営難に陥っています。そんな外食業界からの直接の声と、外食したい気持ちはあるものの外に出ることができずフラストレーション溜まっているお客様のニーズを結びつけた「おうちレストラン」というサービスをコロナ禍にスタートさせました。
3.11の経験からも、非常時のとき強い文化を持っているので、スピーディにサービスローンチ。飲食店の商材とOisixの食卓を楽しむ価値提案のノウハウを掛け合わせて、食材だけではない「外食」の体験を提供することができました。

③家庭規模の課題への取り組み:#StayHomeプロジェクト
最後に家庭規模の課題への取り組みをご紹介します。外出自粛期間中、おうち時間が増えることでお母さんたちの負担が増している、コロナ禍の混沌とした状況に気持ちが滅入っているという声が会員様からあがりました。
それに対して、「#StayHomeプロジェクト」を立ち上げ、家で過ごす時間を楽しくするためにOisixのデザイナーが知恵を出し合いました。紙を切り取って桜のモビールを作成するツールを提供してお花見気分を感じてもらったり、PB製品を加工してマラカスやギターなどの楽器を作ることを提案しました。
SNS上でも「おうち時間を楽しむ知恵を学ぶことができた」「ほっこりする気持ちになった」などたくさんの反響をいただくことができました。
前提として、私たちはより多くのお客様にサービスを利用していただくことが社会課題の解決につながると考えています。なぜなら、Oisixは創業から20年間、食の課題解決の方法を様々な面で磨き上げてきた企業であり、そんな我々のサービスを利用していただくことこそがサステナブルな事であると信じているからです。
そのような会社でデザイナーが大切にしているのが、DEHECS(読み:デヘックス)という言葉です。

これはOisixの6つの理念と約束を示したアイデンティティーのことです。Oisixには、デザインガイドラインがまだまだ充実していない為、デザイナーはこのアイデンティティーを礎にデザインを作成しています。
私は、この中でも”Delicious”と”Enjoyable”が特に重要だと考えています。なぜなら、たとえ体に良い・環境のためになっているサービスだとしても、「美味しい」「楽しい」と感じていただかなければ、持続して利用し続けていただくことが難しくなるからです。辛いこと、面倒くさいことを楽しいことに上書きしていくことが必要だと思っています。
食の課題に向き合うことは大事ですが、重く受け止めすぎると疲れてしまうので、「美味しい」「楽しい」と感じることに夢中になっていたら、実は課題が解決されているくらいがちょうど良いと思っています。
これまでご紹介した3つの事例はいずれも食の課題と向き合いながら「美味しい」「楽しい」をデザインでハイレベルに表現できている例です。
Oisixでは、サービスを「美味しい」「楽しい」と感じて利用し続けていただくためにデザイナーが(というか私が個人的に)大事にしていることが2つあります。
一つ目はノイズをできるだけ取り払うこと。企業の思いや考え方はデザインで表現・判断されますが、そこに売り手目線やいやらしさといったノイズが見えてしまうとブランド価値が正しく伝わりづらくなってしまうので、「美味しい」「楽しい」が最優先で伝わるように、デザインの見せ方を気をつけています。これは、お客様と一番近い川下にいるデザイナー全てが心掛けるべき事だと思っています。
二つ目は常にユーザに対して誠実であること。この写真は、ナマズの蒲焼です。Oisixでは毎年土用の丑の日特集を展開しているのですが、現在うなぎは絶滅危惧種に指定されているため、うなぎではなくナマズの蒲焼きを食べることを推奨する取り組みを行ないました。

このナマズの蒲焼は、本来は湯煎して食べる商品なのですが、撮影の時に実際に湯煎して食べてみると少し生臭さが残っているなと感じました。パッケージの説明書きを見てみると、「炙って召し上がっても美味しい」という事が書いてあったので、ナマズを炙った状態で撮影し、企画者にも炙って召し上がって頂く事を推すようにと提案し、サイト上で販売しました。
このように、お客様に「美味しい」という体験を届け続けるためには、時には1枚の写真にすら妥協せず徹底的に考え抜く事が重要だと考えています。
食の課題は一生つきまとうものであり、向き合い続けるためには、続けようと思う美味しさや楽しさがなければいけない。その為には、ナマズの調理の仕方やその撮り方にまで本気になります。
私たちオイシックス・ラ・大地のデザイナーは、「美味しい」と「楽しい」を届ける為、一つ一つのデザインに全力で向き合っています。

本多 壮一郎|ファームノート株式会社 取締役 事業統括
福岡県生まれ。立命館アジア太平洋大学卒。英国系医療機器メーカーのPMとして複数プロダクトの日本上市や拡販を成功させ、新たな治療方法の普及に貢献。2017年にファームノートにPMとして入社し、2018年9月よりプロダクトの執行役員として従事し、2019年9月より取締役 事業統括の職務に就く。

本多さん:ファームノートは「世界の食糧課題を解決する」というビジョンを掲げて、酪農畜産領域の社会課題解決するため酪農畜産の中で「牛」の領域にビジネスを展開しています。
「世界の農業の頭脳を作る」というミッションを掲げ、インターネット技術と最新の畜産技術を通して誰もが自分らしいの生産の実現をできる世界を目指しています。そして人と人、人と動物と自然、命と命をつなぐ産業である農業に多くのイノベーションを生み出して、人々の活力を支える食料を供給していく存在として、さらに前進させていく存在であると考えています。
「農業」「酪農畜産」というと遅れているようなイメージがあるかもしれませんが、実は酪農畜産は世界的に見ても基幹産業であり、テクノロジーはかなり進んでいます。なかなか皆さんが生産の側に携わる事はないと思いますが、このセッションを通じてファームノートが生産者向けに行っているビジネスを少しでもご理解いただけると嬉しいと思います。

大きな規模の話をすると、現在世界中の農業の形は人間に都合の良い効率的な仕組みがベースになっています。そのために農薬散布や過剰摂取、農地拡大のための森林伐採、過剰灌漑などが行われ、地球の持続可能性をベースに農業が行われていないのが現状です。先進国ではこのような問題が少しずつ取り上げられてきてはいますが、世界的に見ると農業の形は人間の都合に寄ってしまっています。

畜産の生産性についても、家畜の穀物の消費量が問題にされています。肉1kgの生産に必要な穀物量は牛で10kg、豚は7kg、鶏は3kgと言われています。肉はタンパク源として必要ですが、その効率性は問われています。私たちはSDGsの2番、「飢餓をゼロに」を中心に事業を通じてこのような課題に取り組んでいます。食の社会課題を解決するためには、人にとっても動物にとっても持続可能な食糧生産の実現が必要だと考えています。

ファームノートは牛群管理システム「Farmnote Cloud & Connect」、牛の行動をセンサーで検知する「Farmnote Color」 の2つを柱に事業を展開しています。

ファームノートは顧客体験、判断精度の向上、知恵の集約をコアにしています。生産者の顧客体験は実際に入ってみなければわかりません。都会に住む我々とは全く異なる生活の中でいかに使いやすいと思える製品を作るか、集めたデータを自動判断させていくこと、バラバラになっている生産者のデータを集約させることが事業のコアになっています。

今では「Farmnote Cloud」では、日本の牛の12%ほどの頭数のデータが管理されています。今年の11月には、ユーザビリティを向上するために牛群の管理がスマホで簡単に行えるアプリケーションをリリースしました。今まではパソコンベースで使用されている生産者の方が多かったのが、スマホを片手に高度な管理が行えるようになりました。生産者の方が扱いやすい製品の開発を日々心がけています。
ファームノートは顧客体験のデザインはデザイナーだけが考えれば良いのではなく、全員が生産者と近いところで製品を作ることが重要だと考えています。ファームノートに会社に入社したらデザイナーだろうがエンジニアだろうが基本的には全社員牧場で働いてもらいます。私たちはデザインするということは課題解決をすることだと捉えており、生産者とともに働くことでその課題を理解しています。
生産者課題を解決する(=デザインする)ことの事例として、Farmnote Colorのをご紹介します。Farmnote Colorは牛の首にセンサーのついた首輪をつけることで活動量や食べた餌の量を解析します。その行動分類から牛の異常である発情や疾病を検知し、生産者へ通知します。
生産者は子牛を生ませて初めて利益を得ることができるため、発情を発見して受精させ子牛を生ませるサイクルがとても重要です。生産者の方は発情のタイミングを見逃さないよう一日中牛を見て回っているのが現状で、それが大きな負担になっていました。Farmnote Colorはその負担をIoTで解決することができました。センサーで牛の行動を管理し、その情報を元にAIが発情を検知します。
他にも、肥育をする肉牛が起立困難になり死んでしまうのを防いだり、病気を検知したり、分娩のタイミングを検知したりすることができます。

私たちは”Animal Life Care”という考え方を大切にしています。全ては牛1頭1頭のために人が情報に自覚的になることが重要です。データをただ集めるだけでなく、動物と人の利益を最大化するために行動することが大切だと思っています。ファームノートはいきとしいけるもの全てに対する感謝と尊重を持って農業を行うという視点で農業と関わっています。
そのために、データと技術を人とつなげるための取り組みとして獣医師や農学博士を採用して他業界の出身者に知識を共有したり、実際に北海道に牧場を設立りて生産に関わることができる体制を作っています。

宇野 雄|クックパッド株式会社 デザイン戦略部 本部長/UI デザイナー
制作会社やソーシャルゲーム会社勤務の後、ヤフー株式会社へ入社。 Yahoo!ニュースやYahoo!検索などのデザイン責任者/デザイン部長を務める。2019年2月より現職。

宇野さん:クックパッドというとレシピサービス「cookpad」をイメージされる方が多いと思いますが、実はその他にもたくさんの事業を展開しています。動画メディアやスマートキッチン事業も展開しています。クックパッドは2020年9月30日現在、国内のレシピ投稿数は約343万品、月間利用者数は約6100万人にのぼります。海外にも展開しており、74ヵ国・地域/32言語でサービスを提供しています。

クックパッドの事業は全てこの「毎日の料理を楽しみにする」というミッションから始まっています。デザインはもちろん、事業モデルや広告など全ての判断軸になっています。そのためミッションから少しでもズレたものは世の中に出してはいけないと強く信じています。

また、こちらがクックパッドのビジョンです。「つくり手」という言葉はクックパッドでよく使用される言葉です。料理を作る人はもちろん、レシピを投稿する人、それを見て実際に料理を作ってレポートを投稿する人なども立派なつくり手の1人です。食材を作る生産者の方々ももちろんつくり手です。そのようなつくり手の人々をどのようにエンパワーするかを日々考えています。

ミッションがサービスに反映されている理想的な状態は、会社からのアウトプット全てに「毎日の料理を楽しみにする」ことが体現されており、行動に移っている状態です。

さらに、生産者や八百屋さんなどの小売業の方、料理を作るお母さんやそれを食べる子供など、関わる全ての方が毎日の料理を楽しいと思っていただける状態が、ミッションの浸透だと考えています。
そのことをわかりやすく捉えた文章が、クックパッドの定款にあります。「当会社は、「毎日の料理を楽しみにする」ために存在し、これをミッションとする。」というものです。さらに続けて、「世界中の全ての過家庭において、毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する。」と書かれています。私たちは解散する日を夢見て日々仕事をしているということになります。
世界には様々な人がいます。食べたくないもの、食べられないものは宗教やヴィーガンなどの主義など、国の環境や生産状況によって異なるものもあります。そのような課題も全て含んだ上で世界中の料理が楽しみになる日を目指しています。
「毎日の料理を楽しくする」には、1日だけでもダメで、食事ではなく料理を楽しくしなければなりません。様々な料理の工程やタッチポイントが存在する中で、まだまだ全ての課題を網羅することはできていません。
食や料理の課題はライフステージや環境によっても大きく変わってきます。健康や地球環境、フードロスなどの課題も料理の文脈の一つです。クックパッドはそれらの課題解決の流れを作っていくデザインをしたいと考えています。その取り組みの事例をいくつかご紹介します。
事例①:クリエイティブクッキングバトル

フードロス削減を目的に、余った食材で美味しい料理を作ってそれでバトルをする「CREATIVE COOKING BATTLE」という企画を実施しています。スライドの企画では、食材の皮をテーマに料理を作りました
事例②:クックパッドの学び支援

学校を訪問して、食をテーマに授業をする「クックパッドの学び支援」を行っています。どのような年齢でもこのような学びの場があっても良いのではないか、逆に大人になってから考える場は少ないと考え、小学校や中学校を訪問しています。
事例③:おりょうりえほん

未就学児を対象に食育をテーマにした絵本を読み聞かせる「おりょうりえほん」という取り組みもあります。料理や食材に興味を持ってもらい、お父さんやお母さんと一緒に料理を作る。そして「料理って楽しい」と自然と身思ってもらおう、家族一緒に料理を楽しんでもらおうという試みです。
事例④:Komerco

「Komerko」という、小規模のクリエイターの方々が作成したお皿やお鍋、食材を販売するサービスも行っています。一つ一つ手作りしたお皿や、町の鉄工所の方が作ったフライパンと実際の消費者をつなげています。
事例⑤:クックパッドマート

「クックパッドマート」という生鮮食品ECも運営しています。地域の農家さんや行列のできる精肉場などの生産者さんや販売者さんたちを消費者の方々とつなげてよりおいしいものを手軽に手に取ることができるようするサービスです。
料理をされない方に聞くと、「クックパッド利用する人はみんな料理が好きなんでしょ」と言われますが、実は料理をしていても苦しい方が多いです。毎日料理しなければならないから料理をするという状況に追い込まれてしまっている方もいます。
私たちはそのような方にどのようなアプローチ、デザインができるかを日々考えています。クックパッドのレシピサービスに来て「ハンバーグ」と検索した人は今1番人気のレシピが知りたいのです。そのため、1番人気のレシピをご提供しています。

でも実は、私たちはそれが最も良いとは思っていません。そもそも1番人気のレシピが常に全ての人にとって美味しいかというとそうではありません。1番人気のレシピが知りたいのではなくて、多くの方はレシピを選ぶ苦しみを減らしたいのです。私たちはその苦しみ自体も楽しみにしたいと考えています。
「ハンバーグ」と検索した方が常にハンバーグを作りたいわけではなくて、ひき肉を消費したいだけという場合がよくあります。
疲れていてハンバーグしか連想できなかった。そのような場合にキーマカレーでもいいんじゃないか、ミートローフでもいいんじゃないとかといったご提案をしていくことでその人の料理の価値観や固定概念が和らいでいくと、楽しみにつながると思っています。

クックパッドのデザインの考え方は、基本的にすべて表層的なものを伝えるための道具だと思っています。様々なコンテンツが存在し、様々なプロダクトがあり、その中にテクノロジーや課題解決が入ってきて、それをいかにして伝えるのかがデザインの力だと思っています。

そのため、デザイナーは企画の立案の段階から入るようになっています。それが世に出るまで、世に出てからそれを改善していく流れに一貫してデザイナーが関わるようになっています。サービスはデザイナー以外の人間全員で作るものであり、それをリードする立場の人間がをデザイナーと呼んでいます。
後半はReDesigner事業責任者の佐宗がモデレートしながら、登壇者の皆さんとインタラクティブセッションを実施しました。

戸田さん:正直に言うと、大学時代の友人がOisixで働いていたからです(笑)。真面目に言うと、妻の実家が岐阜県で農業を営まれていて干柿を作ってるのですが、柿の苦手な私が食べてもすごいおいしく感じたんです。その時に、世の中には美味しいモノやそれを作るヒトがいるのに、それが全く知られていないという事実がたくさんあるということに気づき、そのようなモノやヒトがちゃんと報われるようにしたい、という気持ちが芽生えました。
オイシックス・ラ・大地は、お客様にも農家さんにも目を向けている会社だったので、ここであれば素晴らしいヒトやモノを世の中に広める事に携われるだろうと思い、ジョインしました。
本多さん:入社した当時は、どうせやるなら社会課題として大義名分の大きいものに取り組みたいという気持ちがありました。当時代表が語っていた、酪農畜産領域における高齢化問題や、生産性の低下などの課題に取り組めることが当時の私にはすごく綺麗キラキラ見えて、面白そうだと思ったのが入社したきっかけです。
一方で現在は入社した当時と考えが少し変化しています。農業における問題は、テクノロジーだけを提供しても生産者が変わらないんです。技術だけをただ単に提供し続けても生産者の意識にはあまりリーチしないと実感しました。社会課題は人の意識そのものだと考えています。今後は生産者の意識を変え、酪農や畜産業が本当の意味で豊かになる選択をしていきたいと思います。
宇野さん:正直なところ最初はクックパッドに全く興味がありませんでした。私自身は元々料理が好きでクックパッドのユーザでしたが、サービスが既に完成されていると思っていました。
ご縁があってCEOと会う機会があり、そのときに「宇野さん、クックパッドって何の会社だと思いますか」と聞かれて、私が「レシピの会社です」と答えると、「そう思われているのだったらやっぱりクックパッドはまだまだ、クックパッドは料理の会社になるんですよね」と言われました。
そのとき、クックパッドが「料理」にフォーカスして様々な課題にアプローチできる会社だと感じ、面白そうだと思ったのがきっかけで入社することになりました。実際に料理を起点に様々な事業に携わることができています。

戸田さん:最も難しさを感じ、意識しているのは「見え方」のコントロールです。例えば、届いた野菜がサイト上で見た写真よりも明らかに小さかったら、期待とのギャップからガッカリとされてしまいます。弊社ではそれを「期待値コントロール」と呼んでいるのですが、そのようなものの「見せ方」はデザイナーにとって非常に重要だと考えており、写真一つ一つにも気を使っています。
本多さん:これは生産者を相手にするファームノート特有の難しさかもしれませんが、生産者を前提としたUXの設計をする必要がある点です。酪農畜産業界はプロダクトを作る上で、一般的な経済的合理性が通用しないことがあります。例えば、補助金をベースに物事を考えているために経営の課題を生産者自体が理解していないなどのケースがあります。
また、生産者さんだけでなく全農や農協などの関係者や、獣医さんなどプロダクトを触る可能性がある人など、様々なプレーヤーがいる業界のダイナミクスを捉えることが必要です。
宇野さん:食分野に限らないことかもしれませんが、クックパッドではつくり手さんの顔を見せることに拘っています。「このレシピはこの人が作りました」「この食材はこの生産者さんが作りました」などの情報はレシピを探す人は求めていません。しかしいざレシピを活用して作った料理を美味しいと思ったときに、「もっとこの人のレシピを作ってみたい」「この生産者さんの作った食材は美味しい」というような繋がりが生まれます。
クックパッドはそのようなつながりを大事にしていて、あえてユーザーが必ずしも求めていないつくり手の情報を見せるようにしているんです。

戸田さん:あまり大きな変化は感じていません。そもそもオイシックス・ラ・大地には「変化があったときこそ輝くべき」という社是があります。
医療従事者の方に食事を届けるサポートなどコロナの影響で今年新たに始めたサービスもありますが、そのような事業も全て社是のもとにやっていることなので、自然と行えている実感があります。
本多さん:会社としてはそれほど影響を受けておらず、逆に好機ととらえています。確かに外食需要が減少し、牛肉の需要なども一時は減少しました。一方で生産者には十分な補助金が出ており、生産性を上げるための投資ができる機会でもあります。その機会をうまく使うことで、酪農畜産業を前進させられると考えています。
宇野さん:クックパッドは、自粛に伴いおうちで料理をする方が増え、クックパッドを活用してくださる方も増えたように感じます。また、嬉しい変化として、「街から強力粉が消えた」というようなニュースを聞きました。強力粉なんてなかなか使う食材ではありません。一般の方が家でパンを焼いたりうどんを打ったりすることは、よほど好きな人以外は今までだったらあり得ないことでした。多くの人が家で料理を楽しむようになり、日々の料理にバリエーションが生まれたことは喜ばしいと思っています。

戸田さん:「衣・食・住」という人間の根源的なものの一つである「食」分野に関わる仕事はやりがいもあり、その分課題も多くあります。何よりも人のため、世の中のために役立っている実感を感じられる仕事だと思っています。皆さんも、一度思いを馳せてみてください。
本多さん:先ほども申し上げた通り、デザインというのはどのポジションであっても本来考えるべき事項であり、デザイナーはそれをリードする立場だと思っています。ファームノートは顧客の本質的な課題をとらえて全員で解決しようとしている会社です。もしご興味がありましたらご連絡ください。
宇野さん:現在、コロナ禍で料理の価値が見直されてきていると感じています。外食が悪いのではなく、このような世の中だからこそ料理にできることを考えられるいい機会なのではないかと思います。
クックパッドではデザイナーを絶賛募集しています。料理の課題をデザインの力で解決していく仕事は、私自身非常に楽しんで取り組めています。一緒に働いていただける方はぜひご応募ください。
【食×デザイン】をテーマに、生産者・消費者それぞれが抱える社会課題に取り組む企業の、それぞれの取り組みとデザインの役割についてお話を伺いました。
複雑な業界のダイナミクスが働く生産者、予測不可能な時代の影響を受け生活様式が変化しつつある消費者それぞれの再度でデザインの役割は今後さらに大きくなっちくことが予想されます。セッションを受けて、デザインの力を活かして食の課題解決を共に進めていきたいと感じた方はぜひ以下のリンクからご連絡ください!
❏ クックパッド株式会社の求人はこちら
https://redesigner.jp/jobs/cookpad_uiux
❏ 転職をご希望の方はこちらからお気軽にご登録ください
https://redesigner.jp/registration
❏ カジュアルなキャリア相談もオンラインにて実施しています
https://redesigner.jp/regular-events/onlinecoaching.html
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この記事を書いた人

ReDesigner
ReDesignerは、デザイン会社によるデザイナー向けのキャリア支援サービスです。 企業とデザイナーの間に入り、独自のオンラインアンケートや面談を通じて、 デザイナーの特性やキャリアの指向性を理解した上で適切なマッチングを行います。単純に紹介をするだけでなく、デザイナー特化型の求人票も用意しており、デザイナーが働きやすい環境設計も支援します。
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