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未来への礎を築き上げる。教育をデザインする矜持と挑戦 〜ReDesigner Social Impact Week 【教育×デザイン】〜

ReDesignerでは2020年を締めくくるイベントとして、社会課題×デザインについて考えるための“Social Impact Week”を開催しました。全5回に渡り、様々な社会課題に取り組む企業に登壇いただきました。 Design Action・Creative Actionの重要性が叫ばれている中、各社は社会課題に対してどのようにアプローチし、その中でデザインはどのような役割を担っているのでしょうか。
今回は、教育分野の社会課題の解決に取り組むClassiさん、Quipperさん、GLOBISさんの3社が登壇した、【教育×デザイン】をテーマにしたトークセッションの内容をお届けします。
国や人々の将来に大きな影響を与える教育。そんな教育領域における社会課題に対して、学校教育向け・社会人教育向けにサービスを展開されている各社の取り組みとデザインの役割についてお話いただきました。

安東 雅之|Classi株式会社UXデザイン部
楽天やリクルートテクノロジーズで、WebディレクターおよびUXデザイナーとして様々なサービスの新規立ち上げや改善プロジェクトに従事し、2019年よりClassi株式会社へジョイン。UXリサーチやユーザー設計、価値探索などを推進するUX設計担当を経て、2020年よりUXデザイン部の部長職。ユーザーに会いに行き、そこでチームや自分が学び変化する瞬間がスキです。
本日は、教育プラットフォーム「Classi(クラッシー)」が向き合う学校教育の課題と、Classiに携わるデザイナーの取り組みについて紹介します。
Classi株式会社はベネッセとソフトバンクが各社の特徴や強みを生かして、学校教育の変革と支援を目的として設立したジョイントベンチャーです。
クラウドを活用した学校教育受けのサービス「Classi」を提供しており、主に高校の教育現場を支援するサービスとして、先生や生徒、保護者にご利用いただいています。2019年時点で、2500校以上の学校に導入していただいており、日本の高校の約半分にClassiをご利用いただいています。

高校における学校教育の課題は様々で、生徒や先生、保護者といった各レイヤー毎に課題が存在しています。Classiはそれらの多種多様な課題を解決するサービスです。

Classiは4つの視点で様々な機能を提供しています。「コミュニケーション」の視点では、生徒や先生、保護者向けのグループチャット機能を提供。先生から生徒・保護者への連絡やPDFなどの資料の共有、また、先生同士の書類のやり取りを行うことができます。「アダプティブラーニング」の視点では、デジタル上で生徒が取り組めるテストや学習動画コンテンツを用意しており、それらを先生から生徒へ配信したり、生徒が自ら検索して取り組むことができる機能を提供しています。

それらの機能の提供により、学校現場ではペーパーレス化が進んだり、生徒は気軽に先生と1対1でのコミュニケーションをとることができます。また、保護者はデジタル上で学校からの情報を確実に得ることができます。
昨年から新型コロナウイルス感染症の拡大によって、多くの学校が一斉休校を行わざるを得ませんでした。その中でClassiは、デジタル上で学校と生徒を繋いで、学習と気持ちを途切れさせない存在となりました。コロナにより、学校のデジタルツールの導入・活用が一気に加速した一方で、教育領域は新たな変化の真っ只中にあります。

社会の変化から逆算する形で教育にも変化が求められています。また、2022年からは、高校において文部科学省の新学習指導要領が実施され、新たな学校教育が適応されます。大きな変化が起こる前に、教育現場も我々も解を持ちにくいといった状況があります。
ClassiのUXデザイン部は、「将来のオトナたちのために少し未来の学校をデザインする」というミッションを掲げています。
現在、UXデザイン部には約10名のデザイナーが所属しており、各プロダクトチームが機能ごとに職種横断型のチームを結成し、プロダクトのUXやUIの設計、開発にコミットしています。また、企画職が所属するディレクション部と共同で、プロダクトデザインに関する専門性の開発・育成も行っています。

Classiが考えるデザインは大きくUXとUIに分かれています。UX領域では、ユーザーリサーチやユーザーストーリー作成などのモデリングを行います。UI領域では、現状のプロダクトの使用法の分析や、こう使って欲しいというシナリオを描いたり、情報設計・画面設計などを行っています。各デザイナーがUX担当/UI担当と大まかに役割を分担しているのですが、臨機応変にカバーし合うことが特徴です。
Classiにおけるデザイナーのアプローチは大きく2つあります。

1つ目はユーザーのことを考え抜くことです。デザイナーが主導してユーザーインタビューを行っており、アンケート設計フォーマットを整理。インタビュー結果の分析・モデル化を行い、チームの共有知にしてプロダクト開発への道標にしています。また、OOUIの考え方をベースとして、オブジェクトの抽出や情報設計を行い、プロダクト開発へと繋げています。
このように、インタビューで得た情報を分析・可視化してまとめる局面でデザイナーが大きな価値を発揮しています。

2つ目は「つくりかた」もデザインすることです。実際のユーザーである先生や生徒と共創するために、ディスカッションやワークショップを開催しています。
先生方が積極的に参加できるようなディスカッションの進め方をデザインしたり、ユーザーインタビューでは見えにくい生徒の本音を引き出すためのワークショップ設計をデザインしています。
我々は、プロダクトの専門家ではないユーザーや本音が見えにくいユーザーと対峙しているので、一緒に考えることができる場をデザインすることもデザイナーの価値発揮ポイントです。

ユーザーのことを考え抜く理由は、重要な問いは常にユーザーが持っているからです。学校教育という変化が激しく明確な解がないマーケットに対峙する以上、現場のユーザー視点で何かに気付けるかどうかが、プロダクト作りにおける大きなポイントであると考えています。
また、つくりかたをデザインするという点においては、学校のユーザーに限らず、社内にも多種多様な専門家がいます。様々な考えを持ったステークホルダーたちを巻き込む際に、デザイナーが議論をいち早く可視化する・プロトタイピングすることが、チームを大きく推進させます。
教育へ関与する矜恃という言葉を選んでいますが、Classiは高校生が自らのIDを持って使用するサービスです。生徒によっては、初めて使用するIDサービスがClassiになり得ます。その体験を可能な限り価値のあるものにするという大きな挑戦に緊張感を持って臨んでいます。
学校教育という領域自体が高難易度であり、それに対してプロダクト・サービスを提供することも簡単ではありません。だからこそ、デザイナーとしてのやりがいも大きいと感じています。
今日お話ししたことは、積み重なる試行錯誤の結果の一部で、まだまだ課題や挑戦がたくさんあります。学校教育をデザインすることに興味を持ったデザイナーの方がいらっしゃれば、ぜひお話ししたいです。

鳥居 大|Quipper Ltd VP of Design
制作会社を経て前職事業会社へデザイナーとして入社後、新規事業責任者に。その後デザイン組織マネージャーに従事し、2017年10月 Quipper へ入社。現在は VP of Design として国内ではスタディサプリ、グローバルでは Quipper のデザイン組織を統括。1児(もうすぐ2児)の父でありバンドマン。

本日は新しい時代の教育とデザインの役割についてお話します。
私たちは「Distributors of Wisdom」というビジョンのもと、オンライン教育サービスを通じて、「Bringing the Best Education to Every Corner of the World」、世界の果てまで最高の学びを届けよう、というミッションを掲げて活動しています。
Quipperはリクルートマーケティングパートナーズの子会社なのですが、実態はリクルートメンバーもQuipperにジョインして、Quipper内でスタディサプリとQuipperを運営しています。

日本とインドネシア、フィリピンでオンライン学習サービスを提供しており、小中高校生向けにスタディサプリ、学校向けにはスタディサプリ for TEACHERS。また、社会人向けにはスタディサプリ ENGLISHやオンラインコーチングサービスを提供しています。
我々は、教育格差の大きなエリアに対して、教育の進化・革新を起こすために、学習成果に貢献する最適価格のオンライン教育サービスを目指しています。
「新しい時代の教育」について説明する上で、まず『新しい時代』に関してお話しします。

我々のサービスは、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」のターゲットである、①4-3、②4-4、③4-7に貢献できていると考えています。

目標4-3「無理なく払える費用で、技術や職業に関する教育や、大学を含めた高等教育を受けられるようにする」に対する取り組みを紹介します。
私たちのサービスは学校への提供に留まらず、幅広い年代のユーザーにオンライン学習サービスを月額1980円で提供しています。他にも、教育格差解消に対する取り組みとして、愛知県名古屋市で不登校学習支援を行ったり、大阪府寝屋川市では週末無料塾を開催しました。
またグローバルの観点からは、コロナの影響により日本同様、インドネシアも甚大な被害を受けました。そこでQuipperはインドネシア政府から推奨教育サービスとして認定され、教育領域の取り組みに協力させていただきました。
参考プレスリリース:
オンライン学習サービス『Quipper』 ジャカルタ市での学校閉鎖を受け インドネシア政府より推奨教育サービスに認定
続いて、新しい時代の『教育』に関するお話をします。

教育は「知識を増やす」「技能を身に着ける」「道徳を体得する」ことにより、人が持つ能力を引き出すことができるとされています。そして、能力とは大きく2つに分けることができ、IQといった認知的能力と、EQ(Emotional Intelligence Quotient)といった非認知能力があります。

英数国社理などのベーシックな基礎教育を個別最適化学習へと変換することで生じた時間を活用して、非認知能力を伸ばすことが新しい時代の教育であると言われています。スタディサプリでもこの流れに即したサービス展開をしています。
新しい時代の教育では、効率的に基礎学力を身につけ、EQ・考える力といった非認知能力向上への時間を増やす必要があると考えています。
次は、教育におけるデザインの役割についてです。

学力向上のメソッドは、沢山の情報をインプットし、それが定着し、演習でアウトプットするということの繰り返しです。これをひたすら繰り返すシンプルな仕組みなのですが、勉強は面倒であるという前提があり、なかなか実践することは難しいと言えます。
また、大学受験においては、遠い先のゴールから逆算した上で勉強に取り組む必要があり、学習成果のゴールである未来の利益を短期の施策やモチベーションに落としづらいという課題もあります。
こちらは、縦軸がモチベーション、横軸がアビリティ(=行動のしやすさ)であるFogg Behavior Modelです。人々は、モチベーションが高い場合はアビリティが低くても行動することができるが、逆にモチベーションが低い場合は、容易なことでないと行動することが難しい、といったことを表しています。
そのため我々は、勉強嫌いな学生のアビリティとモチベーションを高め、行動しやすいサービスをデザインする必要があります。

私たちが考えるデザインの役割は、①「行動のハードルを下げる」②「行動を褒める」③「モチベーションを上げる」④「トリガーを作る」です。
この考え方はフックモデルをベースにしており、本来のフックモデルは、④「トリガーを作る」から始まります。しかし、教育領域には勉強は面倒であるという前提があるため、①「行動のハードルを下げる」の役割を1番上に置き、サービスへ反映しています。
フックモデル参考記事:
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/hooked-model/

具体的には、スタディサプリで良質なコンテンツを提供するために、映像授業の短縮を行ったり、ユーザーのアクションに対して、評価して表示するといったリワードの可視化を行っています。また、スタディサプリENGLISHでは、連続勉強日数を表示しています。

我々がサービスを展開しているインドネシアやフィリピンでは、日本に比べるとGDPが低く、貧富の差が多く見受けられます。また、交通渋滞がひどい為、教育を受けたくても受けられない人々が沢山いるんです。それでも皆、広がる世界の可能性を信じて、携帯電話やスマートフォンを所得が少ない中で購入しています。その中にQuipperがダウンロードされているんです。
そういった現状に対して、オンラインサービスという形で教育機会を提供できることに誇りを感じています。国内海外問わず、Distribution of Wisdomを本気で目指していきます。

鳥潟 幸志|株式会社グロービス グロービス・デジタル・プラットフォーム 事業リーダー
サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコム株式会社を共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。 現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。
神崎 正明|株式会社グロービス グロービス・デジタル・プラットフォーム プロダクトマネージャー
大学卒業後、3つの企業で約8年間、デザイナーとして働く。主に自社サービスの新規立ち上げやエンハンスにおいてUI/ビジュアルデザインを担当し、その後、デザイナー+ディレクターな働き方に移行し、2014年に新規で立ち上げた不動産サービスにおいて制作チームをリード。KPI設計・CVR改善により事業に貢献。デザイン組織のマネジメントも兼務し、デザイナーの採用活動およびメンバーの目標設定と評価も担当する。2018年から旅行予約サービスのアプリネイティブ化プロジェクトにおいて、プロダクトマネージャーとして、ビジネス/開発/マーケティングを担当。同年にグロービスに転職。「グロービス学び放題」のプロダクトマネージャーとして、プロダクトビジョン実現にむけて日々尽力している。

グロービス 鳥潟さん:
まず、事業を0→1で立ち上げた私からは、GLOBIS学び放題の立ち上げの背景と、今後の挑戦や実現したい世界観についてお話しをします。

グロービスは、経営に関する「ヒト」・「カネ」・「チエ」の生態系を創り、社会の創造と変革を行う会社です。「ヒト」に関しては、グロービス経営大学院を設立して企業内リーダーを育成しており、「カネ」に関しては、ベンチャーキャピタルを運営しています。それらで得られた「チエ」を元に、経営ノウハウなどを出版・発信しています。

その中で私は、GLOBIS DIGITAL PLATFORMという部門を0→1で立ち上げました。
立ち上げの背景は、ビジネスパーソンに向けた教育の民主化への挑戦です。インターネットが普及した現代においても、ビジネスパーソン間での情報格差が生じています。そういった課題に対して、デジタルの切り口で挑戦しようと考えているからです。また、明治時代以降から続いている全体最適な教育から、デジタルによって個別最適な教育への転換を目指そうとしています。
我々の部門は、”デジタルテクノロジーを活用し、世界中のビジネスパーソンの成長のための新たな価値を創り出す”ことをミッションに掲げて、日々取り組んでいます。
部門では、大きく二つの事業に取り組んでいます。①学習サービス事業、②法人向けプラットフォーム事業です。本日は、学習サービス事業である「グロービス学び放題」を中心にお話します。

グロービス学び放題の提供価値は、職種・ポジションを問わない、汎用的なビジネスナレッジを気軽に習得できることです。グロービス経営大学院で培った、ほぼ全てのカリキュラムをオンラインコンテンツとして提供しており、キャリアを前向きに変化させたい20代〜30代の方々に利用いただいています。
立ち上げ時からこだわっているコース修了率は、92%で、2020年10月時点の有料会員数は14万人に到達しました。「GLOBIS Unlimited」という完全英語版のサービスも立ち上げており、来年からグローバルのBtoC事業を拡大することを考えています。

GLOBIS DIGITAL PLATFORM部門のビジョンとして、”社会課題の解決を志す人の知識、繋がり、行動を支える”を掲げています。
我々は、「チエ」・「ヒト」・「カネ」のカテゴリーを起点として、ビジネスにおいて失敗しないための知恵の提供。熱量が高いラーニングコミュニティの形成。ベンチャーキャピタルからの出資やクラウドファンディングを通じた支援などを実現していきたいと考えています。
デジタルでグローバル規模の生態系を構築し、社会課題の解決に取り組む世界中の人々をサポートできるプラットフォームを作り上げたいという想いで、事業を展開しています。

グロービス 神崎さん:
続いて、私の方から具体的なデザインに関するお話をします。
プロダクトマネージャーとして開発を行う中で、2つの疑問が生まれました。それは、①現在、プロダクトを利用してくれているユーザーは本当に志や熱量が高い人が多いのだろうか。②大半の人が、将来やキャリアのために勉強している中で、様々な誘惑に負けてサボってしまっているのが現実ではないか。ということです。
私はプロダクトマネージャーとして向き合うべきことは、ユーザーの現実を知り、今、プロダクトが成すべきことを具体化することであると考え、ユーザーの行動分析と定性調査を行いました。

行動分析では、目的を持ったモチベーションが高い状態で、継続的に学習しているユーザーは少数であり、大半は月に数回ログインする程度であるという結果を得ることができました。

また、定性調査では、学習意欲の維持や学習時間の確保が予想以上に難しいという現実や、何をどう始めたら良いのかわからないユーザーが多いといったことが見えてきました。
分析・調査結果から、ユーザーに対して、「学習はしたいし、するべきと思っているが、それを続けること自体に高いハードルがある」という課題仮説を構築。プロダクトが成すべきことの明確化として、継続して学んだこと自体が、キャリアにおける自信や糧になるような世界観を作ることをプロダクトの理想的な提供価値として定義しました。

価値定義を行った上で、プロダクト開発上の問題に着目しました。
その中で見えてきた課題は、仮説を立てながら検証を回すことでユーザー体験を向上させるという仕組みがなかったということ。また、初期のモチベーションが高いユーザーから、現状の学習意欲が低くなっているユーザーへの、大きなユーザー層の変化に適応できていなかったということでした。
開発プロセスにおける課題を解決するために、①仮説検証を重視した開発プロセスへの変更と、②利用ユーザーと近い距離で生の声を聞くといった、シンプルなことを実行しました。

仮説検証の仕組み構築する上で、まずは関係者が納得しやすい成果を作る必要性を感じました。そういった成果を作る上で重視したことは、変化の起こしやすさとスピード感です。
変化の起こしやすさの観点では、プロダクトのメイン導線かつ、ユーザビリティに問題がある箇所は、課題を発見しやすく改善しやすいので、そこを重点的に取り組みました。
また、スピード感の観点では、リクルーティングも含めてユーザーテストを素早く行いました。

社会人学習領域でのプロダクト開発における学習理論は非常に数が多く、アップデートされ続けています。
そのような理論を、我々が提供する隙間時間での学習体験に対して、そのまま適応してしまうと、ユーザーの利用コンテキストにそぐわず、ユーザー体験が悪化する恐れがあります。
滑らかな学習習慣の形成のために、ユーザー体験と学習理論をプロダクト上で融合させることへの挑戦にやりがいを感じています。
後半はReDesigner事業責任者の佐宗がモデレートしながら、登壇者の皆さんとインタラクティブセッションを実施しました。

Classi 安東さん:
キャリアに行き詰まった時に、自分自身を深く知る機会の重要性を感じました。そのような中で、自分の子供が生まれたり、学生達と触れ合う機会があり、”子供に何か機会を提供すると、グッと変化する”ことに気付いたんです。
そこで、子供が成長の過程において、自分自身を深く理解することは将来の大きな強みになるのではないかと考えました。そういった機会に携わりたいと思ったことがきっかけです。
Quipper 鳥居さん:
私は大きく二つあります。まずは、英語をしっかりと使える環境で働きたかったということです。私は、前職時代に相続税に関する市場調査を行っていました。その際に、日本の人口ピラミッドの推移や労働人口減少といった現状を受け、日本は今後、GDPを保つために移民の受け入れが進んでいくのではないのかと考えたからです。
また、同じ調査において、日本はGDPに対する教育への予算の割合が他国に比べると、低いことが分かりました。そういった課題は今後さらに大きくなると考えたので、その分野に対して与えるインパクトにやりがいを感じられると思い、入社しました。
グロービス 鳥潟さん:
私は、20代の時に3名で起業して、10年ほどかけて70名規模の会社に拡大しました。しかし、会社の成長に伴い、様々な課題が発生していたんです。その時期に、たまたまグロービス経営大学院で学ぶ機会があり、2年間ほど学習しました。
そこで、「もっと早く学んでおけば良かった」という後悔の念が生じて、「自分と同じような失敗をビジネスパーソンに経験して欲しくない」と思ったことがきっかけとなり、グロービスを多くの方へ広めるために入社しました。
グロービス 神崎さん:
私はデザイナーの時、自分が満足できるものを作ることが出来れば良いくらいに考えていました。しかし、UXやビジネス、お金に関する勉強をした時に、視野や考え方が広がったんです。「社会人になってもこんな経験があるんだ」と感じて、社会人の教育領域に対して興味を持ったことがきっかけです。

── Classiさんに関しては『「つくりかたもデザインする」ということで先生、ユーザーと一緒にユースケースの洗い出しをしているということでしたが、どのようにしてコミュニティを作り上げて行ったのか。また繋がる上で気をつけていることがあれば教えてください』との質問を受けています。
Classi 安東さん:
コミュニティに関しては、ファンミーティングという形で、ユーザーである先生方をご招待してイベントを行っています。今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から対面でのイベントを開催できなかったのですが、オンライン上でのディスカッションを行ったり、Facebookコミュニティを立ち上げて運営を開始しました。
繋がる上で気をつけていることは、我々が本当にサービスを使っていただきたいユーザーさんの声を集めることが出来ているのか。ということを絶えず自問することです。
Quipper 鳥居さん:
私たちも学校向けにサービスを提供しています。その上で難しいことは、ステークホルダーの数が非常に多いことです。また、中学生の場合に多いのですが、サービスへの意思決定者や決裁者と利用ユーザーが異なり、大きなモチベーションの差が生じることがあります。
そういった中で、サービス価値を抽象化して、様々なユーザーへと価値を届けていくことが難しいと感じています。
グロービス 鳥潟さん:
学校教育の場合だと「テストで良い点をとる」といった目標の設定を行いやすいと思うのですが、前提として社会人教育の場合、100人いたら100通りの目標があります。
その為、完全にアダプティブな世界観を目指すのか、ラーニングパスを用意してある程度導いた方が良いのかという、2つのバランスにおける最適解を考え続けています。
また、「人はそんなに学びたいんだっけ?」という議論がよくあります。しかし、グロービスのプロダクト理念に「可能性は無限大 Your Potential is Unlimited」人の可能性は無限なので諦めないで欲しいというものもあります。これら2つの視点を上手く掛け合わせることが1番のポイントです。

Classi 安東さん:
コロナ禍で様々なICTサービスが登場しており、学校は状況に応じてサービスを使い分けています。そこで教育プラットフォームであるClassiは、どのように使用されれば良いのかをデザイナーとして考えなければいけません。
Quipper 鳥居さん:
教育業界全体の話になるのですが、オンライン教育の普及は長時間かかると言われていましたが、コロナにより、学校側の受け入れ体制が急激に進みました。
そうすると逆に、成熟前のサービスを提供すると、ユーザーさんの期待値を超えることができず、サービスに対して諦めを持つ方が現れてしまうことが生じ得ます。
コロナ禍において、オンライン教育市場は急拡大したことは事実なので、責任を持って取り組みたいと思います。
グロービス 鳥潟さん:
定量的には、有難いことにユーザー数が倍以上に成長しました。ユーザーさんも自らを変化させる為に学習の必要性を感じているようです。また定性的には、Slackコミュニティが活性化しています。コミュニティ上で、ユーザーさん同士の「このテーマで勉強会しませんか?」といったやり取りが頻繁に起こり始めています。同じマインドセットを持つ人と繋がりたいというニーズが高まったりと、ユーザーさんの心理的変化を感じていますね。
グロービス 神崎さん:
プロダクトの観点でいうと、ユーザーさんの利用シーンが大きく変化してきています。我々は、隙間時間学習を標榜していたのですが、どんな時間でも学べる時間になりつつあります。プロダクト提供側としては、変化している利用シーンに合わせた体験を提供し続ける必要があるんです。

Classi 安東さん:
お伝えした通り教育領域は高難易度です。しかし、本気でユーザーについて考え、国や生徒の将来に対して影響を与えられる、やりがいのある仕事であると感じています。ご興味のある方は採用ページを訪れてみてください。
Quipper 鳥居さん:
私たちも、世界の果てまで最高の学びを届けたいデザイナーを募集しています。是非お気軽に採用ページやWantedlyからご応募いただけると嬉しく思います。
グロービス 鳥潟さん:
教育は社会的価値との繋がりを感じられ、誇りが持てる仕事であると思っています。現在、完成されたデザイン組織があるわけではなく、プロセスを含めて作り上げている段階です。何か一つでも武器があるだけでチームを作れる状態なので、是非ご興味のある方は気軽にお声がけください。
【教育×デザイン】をテーマに、教育分野における社会課題に対峙する企業の、それぞれの取り組みとデザインの役割についてお話を伺いました。
国の未来や人々の将来に直接関与する教育領域だからこそ、体験価値の向上といったデザインの力が貢献できる可能性を感じることができる貴重な内容でした。
セッションを受けて、デザインの力を活かして教育の課題解決を共に進めていきたいと感じた方はぜひ以下のリンクからご連絡ください!
ReDesignerは、デザイナー向けのキャリア支援を行っています。 様々な領域の企業と連携し、企業とデザイナーの間で適切なマッチングを行います。今回の登壇企業に興味のある方やキャリア相談をしたいデザイナーの方は、お気軽にこちらからお問い合わせください。
❏ カジュアルなキャリア相談もオンラインにて実施しています
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この記事を書いた人

ReDesigner
ReDesignerは、デザイン会社によるデザイナー向けのキャリア支援サービスです。 企業とデザイナーの間に入り、独自のオンラインアンケートや面談を通じて、 デザイナーの特性やキャリアの指向性を理解した上で適切なマッチングを行います。単純に紹介をするだけでなく、デザイナー特化型の求人票も用意しており、デザイナーが働きやすい環境設計も支援します。
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