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「愛される社会インフラ」をどうデザインするか。 キャリアを再構築したデザイナー・城戸菜通子さんがKOELで挑む長期的な価値創造

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インタビュー

2025/12/24

「愛される社会インフラ」をどうデザインするか。 キャリアを再構築したデザイナー・城戸菜通子さんがKOELで挑む長期的な価値創造

今回インタビューしたのは、NTTドコモビジネス(旧:NTTコミュニケーションズ)のデザインスタジオ「KOEL」でUIデザイナーとして活躍する、城戸菜通子さんです。

グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートし、複数の会社を経験しながら、WebデザインやUIデザイン、デジタル体験設計、さらに上流の企画設計へと、着実にスキルの幅を広げてきました。前職の日本デザインセンターでは、「本質を見据え、視覚や体験に落とし込む」というデザイン姿勢を深め、多くのプロジェクトで成果を残します。

経験を重ねる中で、自身の価値観や興味にも変化が生まれてきたという城戸さん。その節目にあわせて、新たな環境を探る時間を経て、KOELへの入社を決めています。キャリアの流れとともに、その背景を伺いました。

城戸 菜通子(Natsuko Kido)|NTTドコモビジネス株式会社 KOEL Design Studio UIデザイナー
地元・香川県のグラフィックデザイン事務所でデザイナーとしてのキャリアをスタート。2012年より上京し、クリエイティブカンパニー、制作会社を経て、Webサイトやインタラクティブコンテンツ等、デジタル領域のデザインを軸に、専門性を拡張する。2019年に日本デザインセンターへ入社し、Webデザイナーとして様々なプロジェクトに従事。2025年3月よりKOELにUIデザイナーとして参画する。

興味のまま進んだ先が、グラフィックデザインだった

──まず、デザインに興味を持つようになった原点を教えてください。

「デザイナーあるある」かもしれませんが、小さい頃から絵を描くことが好きでした。最初は漫画家になりたいと思っていたんです。その夢は中学生のとき、クラスメイトの絵のうまさに圧倒されて、諦めてしまいました。ただ同じくらいのタイミングで、父がパソコンを買ってきてくれて。パソコンで絵を描いたり、簡単なHTMLを触ったりして、デジタルでモノづくりをする面白さにすっかり夢中になりました。

──高校では専門的な学科に進まれたそうですね。

はい。地元である香川県の商業高校内に新設された「情報技術科」に進みました。プログラミングやマルチメディアデザインを学べる、自分の関心と重なるテーマを扱っている学科でした。色彩やコンピューターなど基礎的な知識から、Webデザインや写真、映像、3D制作といった実践的な領域まで幅広く学べたことがその後のキャリアの土台になっています。

「グラフィックデザイナーを目指そう」と意識し出したのはこの頃です。当時、グラフィックデザイナーがテレビや雑誌で特集される機会が多く、佐藤可士和さん、森本千絵さんなどが手掛ける広告デザインや、細谷巌さんや佐藤卓さんなどが手掛けるパッケージデザインなど、著名なデザイナーの作品に触れたことをきっかけに、はじめて「デザインを職業にする」イメージが具体化しました。

──デザイナーを志す気持ちが芽生えた上で、大学はどのように選ばれたのでしょうか。

美大進学への憧れもありましたが、自分の実力など現実的な制約も考慮して、家から通える短期大学でデザインを学ぶ道を選択しました。そこではグラフィックデザインや写真、映像に加えて、アートの勉強もできたんです。幅広い領域に触れられる環境でした。学びの期間は2年間と限られていましたが、ツールの習得だけにとどまらず、大きなキャンバスに絵を描くような創作に取り組めたことが、今振り返ると良かったと思います。

卒業後は地元のデザイン事務所に入社し、紙媒体中心の案件を担当しながらデザイン業務の基礎体力を身につけていきました。将来的には、東京でチャレンジしたいという意識はありましたね。

3つの会社で培った、デザインへの眼差し

──その後、念願かなって上京されますが、東京ではどのような環境でデザインの仕事に携わられたのでしょうか。

東京では、ご縁をいただいた3社でさまざまなプロジェクトに関わりました。そこでの経験が、デザイナーとしての視野を大きく広げるきっかけになりました。

──まず1社目でのご経験を伺わせていただけますか。

上京したての頃は、フリーランスのグラフィックデザイナーとして活動しつつ、クリエイティブカンパニーでアルバイトをしました。その会社は、大規模なWebサイト構築から、企業のイノベーションを推進する事業、デジタルファブリケーションツールを使えるものづくりカフェの運営など、多彩な事業領域があって、新しい領域に触れられると思い、応募したんです。入社後は、Webサイト制作やワークショップ運営のサポート、社内イベント用のグラフィックデザインなどを担当しました。

印象的だったのは、クライアントとアイデアを共創する際に、ワークショップやアイデアソンのような共創型の場を積極的に取り入れていたことです。こうしたプロセスに触れたことで、デザインはアウトプットだけでなく、つくるプロセスにも価値があることを知りました。

さらに多様な業界のクライアントや大小さまざまな規模のプロジェクトに携わる中で、それまで「デザイン=グラフィックデザイン」と捉えていた認識が大きく更新されました。コミュニケーションデザインやUXデザインと言った専門分野があることも知り、デザインの世界の広がりを実感しました。

ただいつまでもアルバイトでいるわけにいかないと思い、転職を決意しました。就職先を検討しているときに、デザイナーとして参加したハッカソンをきっかけに、ご縁をいただいた制作会社に正社員として入社しました。

──その制作会社ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

体の動きに反応して映像が変わるインタラクティブなデジタルサイネージ広告や、Webを起点にした芸術祭のコミュニケーション設計など、デジタルを軸とした幅広い案件にデザイナーとして関わりました。技術と体験を組み合わせた案件が多く、新しい表現に挑戦する機会が豊富な環境でした。

経験を重ねる中で、次第に「良い体験設計には、見た目だけでなく企画・編集の視点が欠かせない」と感じ、企画の考え方を学ぶようになりました。著名なインタラクティブ広告を数多く手がけられている777CreativeStrategiesの福田敏也さんの企画塾にも参加したのもその一環でした。

また当時は、腕試しをするためにハッカソンやアイデアソンにも積極的に参加しました。いくつかの賞をいただいたことで、それまで学んできたことが確実に身についているという実感が持てて、自信にもつながりました。当時は若さゆえの猪突猛進力と「成長したい」という気持ちを原動力にいろいろとチャレンジしていましたね。

──その後、日本デザインセンターに転職をされます。転職に至った経緯を教えていただけますか。

制作会社の仕事はインパクトが強く、サイクルの早いクリエイティブを制作することが多く、場数を踏むことで大きな成長につながりました。一方、次第に「より根源的にデザインと向き合いたい」という思いが強くなっていったんです。

ちょうどその頃、日本デザインセンターの求人を目にしました。歴史ある会社で、デザイナーとしても憧れの存在でしたし、制作される作品の質から「ここでなら本質的なデザインに向き合えるはずだ」と感じて。チャレンジの気持ちで応募したんです。ありがたいことにご縁をいただき、転職することになりました。

オンスクリーン制作室という、Webや映像などのオンスクリーン領域に強みを持つチームに所属し、Webデザイナーとして様々なプロジェクトを担当しました。

──印象的なお仕事はありましたか。

どのプロジェクトにも思い入れはありますが、大手酒造メーカーの周年記念サイトの制作です。

周年サイトはテンプレート的な構成になりがちなジャンルですが、企業が歩んできた歴史やブランドの核となる価値を丁寧に読み解き、「何をどう伝えるべきか」という根本から企画を整理していきました。

その上で、ブランドの背景にあるストーリーや長い歴史が持つ重みを、どのように表現するかをチームで何度も検討しました。単に情報をまとめるのではなく、企業のあゆみをどう可視化するかを突き詰めて形にしたプロジェクトで、今振り返っても強く印象に残っています。

──日本デザインセンターでの経験を通じてどのような仕事観が育まれましたか?

プロジェクトごとに求められることは様々ですが、企業やブランドの核となる価値を見極め、それをどう可視化するかを徹底的に考える事は共通しています。

仕事を通して、日本デザインセンターが掲げる理念「本質を見極め、可視化する」という姿勢の重要性を強く実感しました。

「なぜつくるのか」「何を伝えるべきなのか」という問いからスタートし、最適な構造やビジュアルに落とし込んでいく。このアプローチは、デザインをするときの軸として今も大切にしています。

また、経験を積み重ねる中で、与えられたお題を磨き込むだけでなく、そもそも何をつくるべきかという前提の部分から考え、ゼロから形にしていくプロセスにこそ、自分は力を発揮できるという自覚も芽生えました。

日本デザインセンターでの経験を通じて、自分が大切にしたいデザインの向き合い方と、得意とするスタイルの双方がより明確になったと感じています。ただ同時に、課題も見えてきました。

香川から東京へ。多様な経験が今のデザイン観を形づくった

進み続けるために、一度立ち止まる

──はたから見ると充実したキャリアを歩まれていたように見えますが、どのような点に課題意識をもたれていたのでしょうか。

主に2つありました。ひとつは、キャリア面の課題です。制作会社は「受託」という性質上、クライアントからの依頼によって成り立っています。そのため、立ち上げや長期伴走に関われず、担当範囲が限定的になると感じていました。

もうひとつは、技術への理解不足です。Webプロジェクトでは、デザインをして終わりではなく、エンジニアさんとの協業が不可欠です。

限られた時間の中で的確に仕事を依頼するには、「何が技術的に難しいのか」「どう実装するのか」をデザイナー側も理解している必要がある。そうでないと、お互いにとって良い協働が成立しません。

このままキャリアを重ねることに不安を感じ、思い切って学ぶ時間を作ろうと考え、退職後に転職活動と並行する形で、リスキル期間を設けました

WebGLという3D表現の技術やAstroといったモダンにWebサイトを構築するフレームワークなど使って、一からWebサイトを作ることにチャレンジしました。学んだことを活かし、趣味でつくっていたプレイリストをWebサイトにまとめるなど自主制作にも着手して。手を動かし続けることも大切にしていました。

音楽を聴きながらグラフィックアートを触って楽しめる自主制作のWebサイト。デザイン・3D・モーションの制作から、AstroやThree.jsを利用したWeb実装までの全行程を行った。

制作にあたってはAIも積極的に活用しました。WebGLもAstroもまったくわからない状態からのスタートでしたが時間をかけてひとつずつ進めることで形にでき、「技術に近づくためには実践が一番だ」と改めて実感しましたね。

こうした自主制作を通じて、これからのデザイナー人生を充実させていくことに自信をつけることができました。その一方で、仕事ではこれまで培ってきた企画力やデザイン力を社会課題の解決に役立てたいという思いが強まっていったんです。そのためには、プロジェクトの上流から関われること、長期的な視点で物事を考えられる環境が必要だと考えました。それに、引き続きできることを増やしていきたかったので、幅広い技術と多様な事業領域に触れられることも、次の転職先の条件になりました。

「人に愛される」という言葉に惹かれた

──KOELの存在をどのように知ったのでしょうか。

転職先をリサーチする中で知りました。検討の候補に上がったのは、ReDesigner経由でKOELの採用担当者から声をかけてもらったのがきっかけです。その後、カジュアル面談をさせていただきました。

──カジュアル面談を通じてKOELのどんなところに魅力を感じましたか?

カジュアル面談では、事業内容やチームの雰囲気など、ざっくばらんにお話を伺ったのですが、なかでもKOELのビジョン「人や企業に愛される社会インフラをデザインする」にとても共感しました。「人」という言葉が明確に含まれていることで、技術や効率だけでなく、人を起点に考える企業なんだと感じられたんです。

というのも、今の世の中には「これがいいから使っている」というよりも「これしか選択肢がないから使っている」デジタルサービスが多いと個人的に感じています。デザイナーとして、そうした状況に甘んじるのではなく、社会課題の解決につながり、長く愛されるサービスを作りたい。KOELなら、その実現に向けて主体的に関われるのではないかと思ったんです。

また、NTTドコモビジネスが掲げる「Smart World」の取り組みも決め手の一つです。産業のDX化を推進するにあたり、自然・エネルギー・都市・モビリティ・医療・教育などの注力領域を持っていて、いずれも社会課題に直結するテーマであり、デザインを通じて大きな社会的インパクトを生み出せる可能性が高いと感じました。

産業DXを通じて、社会課題の解決に挑む構想「Smart World」

──入社してまず感じた、メンバーや組織の雰囲気を教えてください。

様々なバックグラウンドを持つ、優秀な方が多い印象を受けました。リサーチャーやUXデザイナーなど、これまで関わる機会のなかった専門性を持つメンバーと働けるのは、とても新鮮です。まだ全員とご一緒できたわけではないので、これからが楽しみです。

──城戸さんの現在の業務内容を教えてください。

UIデザイナーとして主に2つのプロジェクトを担当しています。どちらも自治体向けの案件で、サービスの機能改善やUIの設計を行っています。今後の事業拡大を見据えた、拡張性のあるUIを事業部の方と協力しながら再設計しているところです。

──制作会社との違いで、ご苦労されている点はありますか?

これまではメンバー間で制作フローが暗黙知的に共有されていたり、それぞれの専門領域がはっきりしているため役割が明確でした。しかし、KOELでは他部署との協働も多く、進め方を都度言語化してコミュニケーションを取る必要があります。また、自分一人でカバーすべき範囲が広い点も、制作会社との大きな違いだと感じています。

大変だと感じる場面もありますが、プロジェクトの上流から関わり、様々なステークホルダーを巻き込み進行していくためには必要なプロセスだとも思っています。

──先ほど、リスキリング期間中の自主制作においてAIを活用されていたと伺いました。業務の中ではどのように使っていますか。

変わらずに、積極的に活用しています。例えば、キーカラーからカラースキームを自動生成するFigmaのプラグインを作った際は、実装したい機能の概要をAIに共有し、コードのベース部分を生成してもらいました。自分だけでゼロから書くよりもスピーディーに形にでき、アイデアを早く検証できる点でとても助かっています。

──他のメンバーも積極的に活用されているのでしょうか?

はい、他のメンバーも積極的に活用しています。Slackで日々情報交換をしつつ、2週間に1度有志メンバーが集まり、最近試したツールの利用感や活用方法などを共有する勉強会も実施しています。新しい技術を「どう乗りこなすか」を前向きに議論できるのもKOELらしさかもしれません。

愛される社会インフラをつくる——その視線の先にある確かな覚悟

「やってみる」姿勢を大切に、長く、愛されるサービスを届ける

──今後、KOELでどんなことに取り組んでいきたいですか?

大きく2つあります。ひとつは、KOELのイノベーションセンターにいるエンジニアや研究者の方々と連携しながら、新しいツールを開発してサービスへと繋げていくことです。技術とデザインの両面から価値を生み出す取り組みに挑戦したいと考えています。

もうひとつは、AIを上手に活用しつつ、自分でも手を動かし続けること。技術に頼りきりになるのではなく、AIと自分の感性やスキルを掛け合わせることで、より良いクリエイティブを追求していきたいです。

取り組みを進める上で、何より大切にしたいのは社会課題の解決に貢献できるかどうかという視点です。自分のデザインが社会にどう価値を届けられるのかを軸に、長期的に取り組んでいきたいと考えています。

──どんな方と一緒に働きたいですか?

「まずやってみよう」というチャレンジ精神を持った方とご一緒できたら嬉しいです。明確な答えがない状況でも、走りながら方向性を作っていける方と働けたら刺激的だなと思います。

KOELには挑戦を後押ししてくれる環境があります。多彩な事業領域があるからこそ、取り組めるテーマの幅が広く、学びへの投資も惜しまない。専門書の購入や展覧会への参加、外部イベントへの参加など、スキルアップに必要なものは「どんどんやってみて」と背中を押してくれる。自分から動けば動くほど、成長の機会がある場所だと思います。

──最後に、転職やキャリアについて考えている方にメッセージをお願いします。

次の一歩に悩む瞬間は、誰にでもあると思います。もちろん私もそうでした。どんなキャリアを歩みたいか、明確に見えていたわけではありません。香川から上京したとき、3社それぞれの会社に飛び込んだとき、いつもあったのは「未知のものに挑む」感覚でした。キャリアの選択に正解はありませんが、「少しでも興味があるなら動いてみる」という姿勢が、自分の可能性を一番広げてくれるのだと思います。

KOELでの仕事は、扱う領域は幅広く、新しい技術を取り入れながら、これまでにないサービスの形を模索する日々です。変化が大きい環境だからこそ、未知に向き合いながら成長していきたい人にとっては、醍醐味を感じられる場所だと感じています。技術とデザインの両輪に向き合いながら、新しく、愛される社会インフラを一緒につくっていけたら嬉しいです。

編集部より

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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この記事を書いた人

佐々木まゆ

1992年生まれ。ライター。デザインコンサルのロフトワークを経て、ライターとして独立。ウ ェブメディアにてインタビュー記事や事例記事を執筆。

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