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就活における「不安」との向き合い方〜結婚・子育ても考えるデザイナー就活〜

https://redesigner.jp/

イベントレポート

2025/4/3

就活における「不安」との向き合い方〜結婚・子育ても考えるデザイナー就活〜

デザイナーを目指す学生とデザインの力を信じる企業が一同に会するイベント、Designer Career Jam。今年第2回の開催となった、Designer Career Jam 2024では「『デザイナーとしてはたらく』に触れる日」をテーマに、2日間に渡ってオンラインとオフラインのイベントを開催。実に400名以上の学生が参加しました。

本記事では、day2にて行われた先輩デザイナーによる「"はたらく"が不安な学生のためのトークセッション① 〜 結婚・子育ても考えるデザイナー就活 〜」の模様をレポート形式にてお届けします。

──本日のトークセッションの趣旨について、田口さんからお話しいただけますでしょうか。

田口 和磨(Kazuma Taguchi)| ReDesigner for Student キャリアデザイナー

美術系大学の職員として学生募集、教務(学生サービス)、進路支援等の業務を経て株式会社グッドパッチ ReDesigner for Studentに参加。年間数百名の学生との面談・ポートフォリオフィードバック・進路選択支援を行うほか、大学や専門学校でのデザインに関するワークショップやポートフォリオレクチャー、美大におけるキャリア教育や、UI/UXに関する演習の非常勤講師も務める

田口:僕はたくさん学生さんと面談をさせていただいているのですが、どんなに優秀で就活が上手くいっているように見える人でも、不安は絶対に抱えているんですよね。学生の皆さんは「不安をゼロにしたい」と思いながら行動するのだと思うのですが、どんなに頑張っても皆さんの不安を先回りして全部取り除くってことは無理だと思っています。

例えば自分自身、学生に比べれば一定のキャリアや実績があるわけですが、働くことや将来に対して不安な気持ちはゼロではないわけです。結婚して、出産して、家を買ったばかりですが、「もし自分が倒れたらどうしよう」と考えて眠れない日があります。

ただ、学生と違う点があるとすれば、会社という所属があって決まった時間に出勤するという日常がある。僕は出勤時間が決まっていて、嫌でもタスクが発生するからこそ、前に進めているだけなんですよね。不安でも、手や足を動かしさえすればいつの間にか何かが積み上がっていく。「不安を解消しないと前に進めない」と思って、スマホで情報を得たりしているだけで、実は何も積み上がっていないみたいなことって、就活生は結構ありそうだなと思って学生を見ています。

もちろん学生の皆さんは所属が決まっていないことへの不安が大きいと思いますが、むしろ不安と付き合っていく状態を作っていただければいいんじゃないかと思っています。悩むより動いている状態を作るのが大事なのかなと。

就活におけるタブーと「エイブリズム」という課題

──就活において語りづらい話題があるとおっしゃっていましたが。

田口:就活では恋愛やパートナーシップ、家族のこと、自分が抱えている疾患などについて語るのはタブーとされているんですよね。学生はやはり「企業によって選ばれる側」という構造である以上、「これを話すと不利になるんじゃないか?」と思う話は、相談ですらしにくい仕組みになっている。社会に出れば、個人的な事情を抱えながらも働けている人はいるにも関わらず、それを知りにくい構造になっているわけです。

ここで「エイブリズム」という言葉を知っておいてほしいと思います。健常者優先主義という意味です。「できる人」を前提に社会を作ることをエイブリズムと言うんですけれども、就活も「あなたはできる人ですよね」という前提で作られた通過儀礼になっている。「柔軟な働き方が出来ればいいな」という話をしようものなら、企業によっては「うちにはマッチしませんね」と言われかねない環境に学生は身を置いているわけです。

この構造は企業と学生の間に不必要な対立を生みかねません。学生は「ありのままの自分を受け入れてほしい」と考え、企業は体制を整えつつも「優秀な人材が欲しい」という本音がある。この矛盾を解決するヒントとして、様々な困難を乗り越えて社会で活躍している人々のライフストーリーを、こうして企業と学生が一同に集まる場所で共有することが重要だと考えています。

なので今日は学生結婚をし、出産も経て、育児をしながらReDesigner for Studentを使ってくださっていた、元ユーザーさんにお話を伺おうと思っています。

うえだり | 株式会社MIXI UXリサーチャー

九州大学大学院統合新領域学府を修了後、2021年にGMOペパボ株式会社に新卒入社。担当するWebサービスのデザインや新規事業リサーチ、複数事業を横断した全社的なリサーチ活用の文化・体制作りを推進。2024年より現職。

予期せぬ妊娠から就活へ

──学生時代に妊娠が分かった時のことを教えていただけますか?

うえだり:妊娠が分かったのは、学部4年の卒業直前でした。大学院への進学が決まっていた時期でしたね。正直かなりびっくりしたし、カフェに行って3時間くらいずっと「どうしよう」と考えていました。

大学を休学するかどうかも悩みましたが、奨学金や学費など計算したり、修論の進め方について先生方とも相談した結果、半年の留年が良いと判断しました。

実際に先生方に伝えたときは「おめでとう、嬉しいね」と言ってくださって。周りの人々には本当に恵まれてたなと思います。

──実際に子育てをしながらの大学院通学はいかがでしたか?

うえだり:大学院では、子連れで授業を受けることもあり、その場合は事前に先生に相談し子連れでの授業参加を認めていただきました。後ろの方に子供を抱えながら授業を受けたり、オムツ替えの場所を探したり...。大学でオムツ替えをしたのは私だけじゃないかな(笑)。フィールドワークに子供を連れて行ったこともあります。

子育てしながらの就活における、挑戦と工夫

──就職活動はどのように進められたのでしょうか?そもそも「就活をする」という決断そのものも大きなものだったと想像していますが。

うえだり:いま振り返ってみると、当時はよくも悪くも本当に考えなしで、まずやってみようという気持ちで取り組みました。当時オンライン就活支援のサービスがあったので、それを活用したり、ファミリーサポートという制度を利用して子どもを3時間だけ預けて、その間に説明会に参加しに行ったり。

考えなしに始めたんですが、地域活性化のインターンにも参加していたし、なんとなくうまくいくだろうなと思っていたんです。でも実際には全然うまくいかなかった。「残念ながら貴意に添いかねる結果になりました」と連絡がきたときに、ものすごいショックを受けました。そこからが本当のスタートでしたね。

パートナーがデザインの仕事をしてたのもあり、就活の面では非常に助けられました。「本当にデザイナーになりたいの?何を優先して働いていきたいの?」など俯瞰的にフィードバックをもらうこともあり、そこで「何も考えられてなかったな⋯」と気づけました。就活の軸も定まっていなかったところからのスタートだったので、パートナーがいたことで就活が前に進められたことも大きかったですね。

──お子さんを育てる中でお祈りメールが続くと、就活を断念するか...ともなりそうですがいかがですか?

うえだり:でも当時は断念するという選択肢はなく、やらなきゃやらなきゃっていう気持ちでした。バイトもしていましたし保育園もまだ入れていなかったので、とにかく時間がないという問題はあったのですが、子どもを寝かしつけた後に暗い部屋でPC開いて作業してましたね。やらないと道がないと思って。子育てで時間が少ないなら、その時間で決めきろうという気持ちで日々取り組んでいました。

それこそ家に子供がいるとき、パートナーと家事・育児を分担するためにもGoogleカレンダーを共有してお互いの役割を分担して、就活の時間を確保できるようにしていました。

あとは、説明会などで聞いた企業情報を細かくまとめて、選考に進みたい企業を比較・検討できるようなスプレッドシートも用意していました。他にも自分の人生を書き出して大切にしたい軸を整理してみたり、シート自体は就活の相談に乗ってもらってた先輩から元データをいただいて編集したものになっています。

──それは効率化のための工夫ですか?

うえだり:効率化というよりは、ちゃんと納得する意思決定ができる素材を集めて整理するためですね。

──今改めて、子育てしながらの就活を振り返ってみてどうですか?孤独を感じる瞬間が多かったのではないかと想像するのですが。

うえだり:やはり同年代で同じ状況の人が1人もいなかったんですよね。誰とも分かち合えないという悩みが大きかった。

あとやっぱり大学院に進んでしかも半年留年したのもあって、就職した学部時代の同期の情報が気になっちゃうんですよね。同期は外資系企業の第一線で頑張ってたりとか2〜3年目になってみんなめっちゃ活躍してるのに、私は部屋で1人子どもとただただ遊んでみたいな。「何してんだろう」と思ってしまうことはありました。年齢のことも、今はあんまり気にならなくなったんですけど、当時は同い年の人がこんなに活躍してるのに自分は・・・、みたいな。

──今働いているうえだりさんは、当時の自分にどんな言葉をかけると思いますか?

うえだり:難しいですね。言葉をかけずに見守るかもしれないです。

当時は当時なりに頑張ってたので。「この言葉があれば、より良い道に行っただろうな」みたいなことは正直浮かばなくて。失敗もやらかしもあったんですけど、結局自分にとってのベストな道だと思ってるから、かけたい言葉はあんまりない。

動けた理由は “あとがない”

──お話しをお伺いしていると、「少なくとも動きつづけているな」とは感じたのですが、動き続けられた理由や背景に思い当たるものはありますか?

うえだり:やっぱりもう時間的なリミット、お尻が見えてるというか、時間がないみたいな感覚が強烈にあったのは大きいです。追い込まれていた感覚。

就活のスタートも遅かったんだと気づいたのはだいぶ後だったので、後がないという気持ちでした。OB・OGの方など色んな人に相談する予定も入れていたし、精神的には追い込まれて少し立ち止まりたかったかもしれないけど、立ち止まることができなかったのかもしれないですね。

──もちろんしんどさもあったとは思いますが、追い込まれた気持ちがむしろエンジンになったと。エントリーした企業に対して、「自分が子育て中である」ことは開示していましたか?

うえだり:企業によって、育児中であることを開示するかしないか、やはり判断を分けざるを得ませんでしたね。説明会での質問や回答の雰囲気から、新入社員が子育てをすることに対してどんな環境になりそうか、それがそもそも可能かどうかを察知してコミュニケーションの仕方を決めていました。自分が就職活動をやっていた2021年は、今とは理解や制度の浸透も状況が違ったとも思いますし。

実際に子育て中の社員さんってどれくらいいますかとか、それをサポートする体制や、ダイバーシティに対する考え方についてなど質問を投げかけて、それに対する回答から「今は子育て中だと言わない方がよさそうだな」と判断して、伝えるタイミングを伺うことも正直ありました。

逆に、説明会や面接中のやりとりや、子育てに関する質問の回答から、新入社員で子育ても不可能ではなさそうなんだなと推測できたりもしました。最終的に複数の企業から内定をいただき、その中でも、家族と仕事どちらも大切にしながら働けるイメージが特に強く湧いたGMOペパボ株式会社に入社を決めました。今改めて振り返ってみると、GMOペパボの選考段階では、早い段階からそういう話や質問が健全にできていたのも安心感につながりましたね。

──現在は株式会社MIXIで働かれていますが、仕事と育児の両立はいかがでしょうか?

うえだり:1社目では「子育て中の新卒」という立場で見てもらえるように意識して発信していたのですが、今は中途入社ということもあり、より対等に見ていただいているという感覚があります。所属しているのが「家族アルバム みてね」という家族向けアルバム共有サービスを扱っている部署なのもあり、仕事と育児の両立に対する理解も高い組織だなと感じますね。声高に「子育て中です」とアピールしなくても、サポート体制が充実していたり家族や自分のケアを優先しようという雰囲気が既に広がったりしているので、今の会社もとても働きやすくありがたいです。

「家族アルバム みてね」

うえだり:社会人4年目になるのですが、私はこれまでに休職を経験したこともあります。子育ても仕事もして、いろいろな発信もしていたので「バイタリティに溢れている人だな」と言われることもあるのですが、タイミング悪く事故や体調を壊す出来事が重なってしまい、長めのお休みをいただいたことも。そういう選択肢もあるのだと、学生の皆さんには知ってもらえると良いのかなと思っています。

私は落ち込みやすいのですが、メンタルの保ち方としてやっている試みとしては、「今日あった良かったこと」をどんなに些細なことでもいいから書き出してみることです。あの人からDMが来て嬉しかったとか、ご飯がおいしくて幸せだったとか、服がかわいかったとか。それを眺めているだけで、ポジティブな気持ちや自信が湧いてきたりするのでおすすめです。就活の時はなかなか知る機会が少ないかもしれませんが、休むという選択肢を持つことができる企業も多くなってきていると思います。自分の心身を第一に考えることができる環境に身を置くことで、仕事もしっかり頑張れるんだと知ってもらえると良いなと思っています。

(トークセッション②に続きます)

編集部より

以上、Designer Career Jam 2024「"はたらく"が不安な学生のためのトークセッション① 〜 結婚・子育ても考えるデザイナー就活 〜」のイベントレポートをお届けしました。

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