
株式会社ティアフォーは、「創造と破壊」をミッションに掲げ、自動運転OSの開発、自動運転を作る上で基盤となるReference Designの提供、そしてそれらを開発、運用していく上でのDevOpsプラットフォームの構築に関わるビジネスを手掛けています。
今回インタビューしたのは、 Architectの関谷英爾さんと、デザイナーの四宮光仁さんです。お二人のこれまでのキャリアや、デザイナー・組織の現在やティアフォーが描く世界について伺いました。
関谷 英爾 (Sekiya Eiji) |株式会社ティアフォー技術本部 Architect
前職では、分析基盤の運用・開発、ゲーム事業や交通事業への機械学習の応用に従事。 2018年にティアフォーにジョイン。運行管理システムや自動運転の評価基盤の立ち上げを行い、現在はクラウド開発の全体をリード。
四宮 光仁 (Shinomiya Mitsuyoshi) |株式会社ティアフォーCTO室 Designer
千葉大学工学部デザイン工学科意匠系、Umeå Institute of Design, MFA TD卒業。
BMW Group DesignworksのミュンヘンスタジオではDesignerとして自動車、航空機、電車、インフラ、ファッション、家電等のサービス立案から最終的なスタイリングまで幅広く従事。その後コンサルティングファームを経て、2020年にティアフォーにジョイン。
関谷さん:約4年前にティアフォーへ入社し、その時はエンジニアが10人しかおらず東京大学の2部屋を借りて仕事をしていました。自分はクラウドの開発エンジニアですが、自動運転のシステム開発に携わりつつクラウドのサービス系も立ち上げ、今に至ります。
入社の決め手は3つあります。1つ目は、20代の内にベンチャーに飛び込みたいという想いからです。その中で、面白く勢いがありそうだったのがティアフォーでした。2つ目は、エンジニアとして組込みシステムからクラウドまで様々なテクノロジーに触れる機会があること。3つ目は、産学連携が盛んであるため、多くの研究機関と関われることも魅力に感じました。

産学連携でいうと、現在ティアフォーではHMI(ヒューマンマシンインターフェース)関係で、東京大学や名古屋大学と研究を行っています。自動運転車両にはドライバーが乗っていないので、どう動きたいのかを自動運転車両が車両の周りにいる人々へと意思表示しなければなりません。そこで、eHMIという自動運転車両から歩行者や他のドライバーなどへのコミュ ニケーションするための新しいインタラクションの方法を研究していたりします。
四宮さん:幼少期から紐解くと、僕は親が芸術家である家庭で育ちました。その影響で、子供ながらにこの環境を活かさないのは勿体ないと半ば責任感を抱いていたのです。そして高校3年生の部活引退の際、約1週間考えてデザインの道に進むことに決めました。
千葉大学の工学部デザイン工学科を選んだ理由は、国公立で唯一トランスポーテーションデザイン(陸海空の公共交通や、車椅子など特殊なパーソナル・モビリティまで、人間の身体移動に関わる様々な事象の計画/設計/デザインの総称)を学べる環境があったからです。様々なデザインの要素を持つトランスポーテーションデザインを学ぶことで、汎用的なスキルが身につくのではと考えました。
就活時は海外でキャリアを積みたいと思っていたので、2年間色々な事をしながら浪人し、スウェーデンの大学院に進学しました。そこでトランスポーテーションデザインをさらに深く学び、卒業後はBMW Group Designworksのミュンヘンスタジオに入社しました。
海外に長く住んでいると、日本の知名度やマーケット重要度がどんどん低下していく様子が肌感覚でわかります。特に車の場合、もう日本市場なんて全く見ていません。日本には優秀な方々がいるのに何故上手くいっていないのか、外から見ていて不思議でした。そして、組織体制やプロセスがデザイナーの育つ環境になっていないのではと感じ始めたことから、組織の内部に入り改善したいと思い、日本で転職することにしました。
前職では、日本企業の組織を変えるためには最低でも5年から10年かかると感じ、より面白いものを生み出せそうだとスタートアップへの転職を考え始めました。そのとき、偶然ヘッドハンターから声がかかったのがティアフォーだったんです。
四宮さん:ティアフォーは、世界初の自動運転のオープンソースソフトウェアであるAutoware*の開発および、「自動運転の民主化」を実現するために二つのプラットフォーム「Web.Auto」と「Pilot.Auto」を提供しています。

Web.Autoは、Cloud-NativeなDevOpsプラットフォームです。様々な組織・個人が自動運転を開発及び運行管理するためのテクノロジーにアクセス可能となり、自動運転サービスに関する幅広い課題を解決できる基盤となることを目指しています。自動運転を開発し、自動運転サービスを運行管理するための多くのアプリケーションを開発しています。
Pilot.Autoは、Autowareをベースにした拡張可能なプラットフォームです。各種ODDに対してリファレンスデザインに基づいた適切なハードウェア(ECUやセンサー)とソフトウェア(アルゴリズム)を選定し、⾞両にインテグレートします。
*AutowareはThe Autoware Foundation (AWF)の登録商標です。
四宮さん:ティアフォーは、ミッション/ビジョン/コアバリューの位置関係が面白いです。ミッションは「創造と破壊」。何かを新しく作り出すことは、結果として他のものを壊す可能性があります。しかし決して破壊が目的なのではなく、創造した結果として、何かを破壊する可能性があるのであれば、その結果に対しても責任を負っていくという、責任のある破壊を意味しています。
ビジョンは「自動運転の民主化」。まさに我々が成し遂げなければならないことです。自動運転にまつわる全ての技術が、様々なパートナーへと行き渡り、自動運転が日常の風景となるようにしたいと考えています。そんな世の中を実現できるように、自動運転のオペレーションシステムをオープンソースで提供し、開発環境も出来る限り提供しています。
四宮さん:ティアフォーがすべきことは、自動運転を取り入れることによってそこに住む人々の生活が「こんな風に本当の意味で豊かになり、結果的ににこのような面白い文化ができる可能性があります」と世界観を見せ、関わる仲間を増やすことだと考えています。自動運転が社会に行き渡るためには、様々な役割を担う方々との連携が必要不可欠なのです。
関谷さん:コアバリューの「世界でつくり、世界をつくる。」を体現するためには、様々なテクノロジーパートナーと協力する必要があります。自動運転は技術スタックが幅広く、メカトロニクスから、コンピューターの低レイヤーの話だったり、AIの観点では本当に人や物を検出できるのか、トラッキングを通して次の行動を予想できるのかなどと無数にあります。これらは全て技術的に難易度が高い領域で、世界的にもまだ限られたエリアでしか自動運転に辿り着けていません。そのため、共創していくことが今の課題であり、面白いチャレンジだと思っています。
関谷さん:デザイナーに期待していることはヒューマンエラーが起きないデザインや、その観点をオペレーションに組み込んだUXを作ってもらうことです。自動運転を実現すると言っても一定人の力を頼るべき部分は出てくるので、そこをデザインの力で支えてほしいです。
自動運転は、エンジニアですら自分の専門領域とは違う技術を完全に理解することは難しい技術で成り立っています。そんな未知の世界をわかりやすく伝え、ワクワクを感じてもらえるようにしたいですね。
四宮さん:ティアフォーのデザイナーは、組織のデザインとプロダクトのデザインを両輪で行う必要があると思っています。デザイナー自らがデザイナーの能力を発揮できる組織体制を提案すると同時に、各プロダクトの磨き込み、ブランド作りも行います。
先ほど関谷はポジション上、技術と世界観を分けてお話しましたが、個人的に両者はシンクロしていると思っています。世界観は、技術や目に見えるものなどがシンクロしないと共感できるレベルにはなりません。実際きちんとしたプロダクトを提供している組織は、エンジニア/デザイナー/事業サイドの三者が同じ目線を向き、且つ同じチームで密にコミュニケーションを取っています。そんな組織体制やプロセスをデザインしていくことが重要だと思っています。
四宮さん:ティアフォーは、事業本部、技術本部、管理本部の3つの部署があります。僕は技術本部の創業者兼CTOの加藤が指揮をとっているCTO室に所属し、組織横断で物事を見ています。組織間を飛び回れる立場であり、Web/Autoチームやマーケティングコミュニケーションチーム、管理本部とよくやり取りをします。マーケティングコミュニケーションチームとはブランド作りのプロセス、管理本部の方とは採用における打ち手や社内の体験設計(目標設定や評価)についてよく話し、実際に手を動かしています。
今後ジョインしていただいた方は、Web/Autoチーム内にあるデベロップメントプラットフォームのデザイン設計を主な仕事にしつつ、同時並行でブランド作りや社員の体験設計を考えていくことになると思います。また、現在計画しているデザイン組織の設立にも関わっていただきたいと思います。
関谷さん:まだ組織全体としてデザインの位置付けや認識が曖昧なので、デザインを拡げる活動が必要だと思います。また、デベロップメントプラットフォームは現在デザイナーが所属していないので、開発陣の中でイメージを共有することに苦労しています。ここが主な仕事になると思いますし、開発陣のイメージを可視化していただけると嬉しいです。
関谷さん:普段、新機能開発に追われているので積み残しの開発機能が沢山あります。そのため、1個1個の機能の作り込みが甘く、半年から1年後にはもう1度大型のブラッシュアップをする必要があります。ただし、早い段階からデザイナーに入って要件定義など進めた機能は、しっかり作り込むことが出来ており、手戻りもほぼないため、デザイナーがいて良かったなと感じました。
四宮さん:ティアフォーの方向性に共感する方と働けたら嬉しいです。個人的にデザイナーはスポーツ選手に近いと思っていて、会社の方向性やデザイン部署のディレクターの戦術に合うか合わないかで能力を発揮できるかできないか変わってくると思っています。今後のティアフォーのコミュニケーションスタイルは先日設定したブランドガイドラインに沿っていくので、そこに心が響く方はとても合っていると思います。

また、個人的には10年、20年先の世界を想像し「こんなものをデザイン出来ると面白いよね」と考えるデザイナーと一緒に働けたら嬉しいです。
関谷さん:ティアフォーは成長段階の企業です。自動運転の社会実装もこれからという段階であるため、チャレンジングな環境だと思います。
例えばコアバリューの「世界でつくり、世界をつくる。」という観点では、The Autoware Foundationと呼ばれる自動運転のOSSコミュニティを設立し、グローバルなコミュニティでオープンソースの開発をしています。エンジニアとしても非常にモチベーションになりますし、デザイナーにもグローバルで活躍できるチャンスがあるのではと思っています。
本当に様々なチャレンジが出来るので、ぜひこの環境を活かして、ご自身の実力を発揮/表現をしていただけると嬉しいです。これから、各自治体や日本全国、そして世界全体に価値提供していく道のりを一緒に進んでいけると良いなと思っています。
四宮さん:この約1年半、ブランドの土台を作ってきた反面、まだまだ手を付けられていないことが沢山あります。デザイナー目線では、リファインメントのみならず抜本的にやり直すべきことも数多くあると思うので、そんな環境に興味を持って下さる方にはチャンスになると思います。
例えば、今回インタラクションデザイナーの枠で募集をしてますが、実際はインタラクションデザインという専門性を軸に、別の領域へ挑戦することも出来ます。本質的なデザイナーのアプローチは共通項が多いですよね。今まで培ったアセットや思考方法でロジックに従い、他の領域にも挑戦してほしいです。
それから最後にお伝えしたいことが2つあります。1つ目は、自分のポートフォリオと他者のポートフォリオを比較し、グローバルな視点で自分の立ち位置を確認することはとても大切だということです。今の時代、インターネットで世界中のプロの作品やスケッチ、ポートフォリオを見ることが出来ますよね。
2つ目は、失敗は気にしなくて良いということです。僕自身、沢山失敗をしてきているのですが、重要なのはやっぱり起き上がること。起き上がり方を1回でも知っておくと、また何か失敗しても何とかなると思えてきます。大学を卒業するまでに8年要した、本当に学びたい事が見つかるまでに紆余曲折あった、そんな色々な経験をしている人はとても面白いと思うんですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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この記事を書いた人

ReDesigner
ReDesignerは、デザイン会社によるデザイナー向けのキャリア支援サービスです。 企業とデザイナーの間に入り、独自のオンラインアンケートや面談を通じて、 デザイナーの特性やキャリアの指向性を理解した上で適切なマッチングを行います。単純に紹介をするだけでなく、デザイナー特化型の求人票も用意しており、デザイナーが働きやすい環境設計も支援します。
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