自分のことを知ると、働きやすいし生きやすい。 『note』デザイナー沢登達也さんのクリエイター人生
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インタビュー

自分のことを知ると、働きやすいし生きやすい。 『note』デザイナー沢登達也さんのクリエイター人生

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今回インタビューしたのは、株式会社ピースオブケイクのデザイナー沢登 達也さんです。沢登さんは専門学校でデザインやFlashを学び、新卒でWeb制作会社に入社。その後、2社の制作会社でデザイナー兼マークアップエンジニア、リードデザイナー兼フロントエンドエンジニアのポジションを約10年間経験し、現在は株式会社ピースオブケイクが提供するサービス『note』のデザイナーとして活躍されています。これまでデザイナーとしてどんな選択をしてきたのか。2018年末に移転したピースオブケイクの新オフィスでお話を伺いました。

沢登 達也 | piece of cake, Inc. Designer

専門学校卒業後、Webサイト制作を主とするMOGRA DESIGNに新卒入社。デザイナー兼マークアップエンジニアとしてデザインからプロジェクト進行に携わる。8年務めたのち、UI/UXデザインを制作する受託会社のDENDESIGNに転職。リードデザイナー兼フロントエンドエンジニアとして、デザイナーのマネジメントやアートディレクションを担う。そして現職のピースオブケイクに転職し、noteのwebカイゼンチームでデザイナーとして従事。

Twitter/note/ポートフォリオサイト/Dribbble

高校から専門学校へ。好きなことを極める道へ進んだ

ーー まずは、沢登さんのクリエイターとしてのはじまりから教えてください。

小学生まで遡ると漫画を描いていましたね。そこがクリエイターとしてのはじまりでしょうか。棒人間の四コマ漫画をめちゃくちゃ描いてて、クラスに一人はいた「絵がうまいキャラ」のポジションでした。周りに見せて反応が返ってくるのが楽しくて、毎日のように描いていました。まだ小学生だったので明確に意識していませんでしたが、今振り返ると一種の承認欲求だったと思います。「絵がうまくなりたい」よりも「フィードバックをもらいたい」という感覚で描いていた気がします。絵のコンクールのために描いたり、学校行事で使うしおりを作ったりと、誰かに向けて絵を描くことが多かったですね。

中学生の頃、将来のことは漠然としか考えていなくて、「どうやって高校に行くか」だけを悩んでいました。勉強はあまり得意ではなかったので、まず普通科か専門学校に行くのかで悩みました。結局、自分がやりたいことだけを学べる環境を選んで、デザインやデッサン、金工や木工など美術を一通り学べる専門技術を学べる高校に進学しました。自分が本当に「技術職、専門職」と呼ばれる職に就けるのか不安でしたが、絵やものづくりなど、好きなことだったら極められるんじゃないかなと思ったんです。

高校2年生の時、友達が作ったWebサイトを見たのがデジタルに触れたきっかけです。Webサイトを自分でも作ってみたくなって、お小遣いで20万円くらいのWindows XPを買いました。結局、Webサイト作りはHTMLやCSSが難しくて挫折しましたが(笑)。当時流行していた派手に動くFlashを見るのはとても面白かったです。

ーー デジタルに興味を持ち始めたあと、どのような大学に進学されたんですか?

1年浪人した19歳の時、親に頼み込んで、Webデザイン科がある専門学校に進学しました。Webデザイン科なのにHTMLやCSSの授業はほとんどなく、主にFlashを扱い、時々Webサイトの平面構成なども学びました。面白いですよね。生徒のモチベーションは人それぞれで、ただなんとなく在籍してる人もいるし、プライベートでバリバリ制作している人もいました。  

僕はひたすら自分の手を動かして、Flashを作るのが楽しかったです。でも、見た目ばかりを極めており、ActionScriptで書けるかどうかなど、表現する方法については学んでいませんでした。なので就職活動では、Web全般の知識をつけるためにWeb制作会社を3社受けました。その中でも、僕がやりたい派手なインタラクションと堅実なコーポレートサイトなど、バランスよく手がけていたMOGRA DESIGNに入社を決めました。  

ーー 新卒でデザイナーとして入社されたんですか?

肩書きは最初から「デザイナー」でしたが、入社した当時、仕事に活かせるスキルはゼロの状態でした。実際の業務はコーディングが多かったです。でもHTMLやCSSも勉強してこなかったので、コーディングスキルも即戦力とは言えない状態でした。

一番最初に任された仕事のことは今でも覚えています。イベント会場のフロアマップで、それぞれのセクションに数字を割り振るという仕事でした。当時はデザインツールにも触れたことがなかったので、デザイン業務を任されないのは当然ですよね。

独り立ちまでに5年、マネジメントまでに8年かかった

デザイナーとして、業務全体をようやく把握できたのは3年目のことでした。そこからさらに、クライアントとのコミュニケーション、見積もり、デザインの実装から納品まで一通り自走できるようになるまでには5年かかりました。その頃にはデザイン以外に、CSSやPHPのコーディングスキルも身につきました。

MOGRA DESIGNでは、マネジメントにも携わることができました。途中で後輩の若手デザイナーが2人入社し、自分の手を動かす業務だけではなく、初めてマネジメントについても考えるようになったんです。学生インターン10人くらいと一緒に働いたこともあり、彼らとの関係構築は僕にとって大きな学びになりました。若い人と仕事をすると、自分が学生時代に学ばなかった新しい技術を知っているから楽しいんですよね。自分で手を動かしながらチームマネジメントもするようになり、気づくと新卒で入社してから8年が経って30歳手前に差しかかっていました。

ーー プレイヤーとして自走でき、マネジメントまで領域が広がったところで、心境の変化はありましたか?

同じ環境に居続けると、外の情報が入ってこないのではないかと考えるようになりました。今思うと、イベントや勉強会など外の世界に踏み出せば良かっただけなんですけど、当時はそんな選択肢も頭になく、自分の伸び代に限界を感じて不安でした。「Webとは全く関係のない職もいいな」とか「また未経験でも通用するのかな」とモヤモヤしていた時、UIデザインというワードを耳にしました。未知の領域ではありましたが、今まで培ったコーディングスキルやロジカルな考え方はUIデザインにも活かせると思ったんです。それが2015年のこと。

まだUIに注力している会社が少ない中、当時UIデザインの制作会社だったDENDESIGNに出会いました。自分のスキルが活かせて、規模感もマッチしている。この2つの理由からDENDESIGNに飛び込んでみることを決めました。

ーー 新卒からの8年間をベースに新しい挑戦をしたんですね。どんな業務を担当されていたんですか?

肩書きはデザイナー兼フロントエンジニアでした。実際にはフロントの仕事は少なく、主にUIデザインとサービスデザインに携わっていました。0→1のリニューアルプロジェクトに携わる他に、プロジェクトの進行を決める意思決定をしていました。DENDESIGN代表の大堀さんがプロジェクトのUXをリードしていたのですが、僕はデザイナーとして意思決定の段階からコミットできるようアサインされていました。

他にはクオリティチェックなども行うようになり、コーディングだけではなく、前職でのマネジメント経験も活かすことができたんです。最終的に、DENDESIGNでは肩書きはリードデザイナー兼フロントエンジニアに変わりましたね。

スキルはあるのに方向性が見えない。自分の価値に向き合った

ーー リードデザイナーでありながら、次のステージに進んだ理由は何だったんですか?

スキルは身についたけれど、この先の自分がどこに向かっていくのかが分からなかったんです。デザイナーとしての自分の価値を自問自答する日々でした。

そこで、色々な企業へ足を運び、面談を通して客観的な自分の市場価値に向き合ってみました。実際に企業の方と話す中で、僕自身は一つを極める職人気質ではないと気づくことができました。むしろ、これまでも組織に穴があったらそこを埋める役割の方が自然とうまくできていたんです。組織やプロダクト全体を俯瞰して、まだ誰も踏み入れていない領域に飛び込んだり、地盤を作ることが得意なことを発見しました。そんな僕のスキル、キャリアを必要としてくれる企業があることが分かり、自信を持つことができたんです。
初めて、学生時代からただ目の前の好きなことを追いかけてきたことが正しかったんだと確信しました。あの時に面談してくださった企業の方々には今でもとても感謝しています。

そんな転機に思ったのが「色んな職種の人たちと一緒に働きたい」ということでした。今まで働いてきた制作会社のメンバーはデザイナーがほとんどだったので、ディレクターやエンジニアと一緒に切磋琢磨しながら制作し、仕事をしてみたかった。そうなると次は事業会社で働くという選択肢もいいな、と初めて考えました。

「自分が面白いと感じる分野」「他業種と働ける事業会社」この2つの軸で企業をリサーチしていました。それが2018年のことです。ちょうどピースオブケイクCXOに深津(THE GUILD代表の深津貴之氏)が就任したり、noteがプロダクトとしてどんどん盛り上がっているのはデザイナーとして肌で感じていましたし、ピースオブケイク代表の加藤とも以前から面識があったんです。「この人と一緒にnoteを盛り上げられたら絶対楽しい」と思って、ジョインすることを決めました。今ジョインしても同じ気持ちは味わえなかったと思うくらい、その当時の盛り上がりに惹かれましたね。

noteは文章や写真、イラストや音楽の作品を投稿して、クリエイターとユーザーがつながるプラットフォーム。

ーー 環境が変わるタイミングで、ポートフォリオサイトは作られましたか?

僕はもともとブログを運営していたのですが、自分の作品や事例を載せるようなポートフォリオサイトを持っていなかったので、ピースオブケイクにジョインする前に制作しました。

https://swn.jp/

“design like water”は、僕がものづくりをするとき常に意識していることです。水って透明で無味無臭で、「液体」という情報しかありませんよね。でも、水のことを知るにはそれだけの情報で十分なんです。つまりビジュアルデザインが色を持って主張しなくても、情報が伝わるというところを大切にしているので、ポートフォリオサイトのメインコンセプトとして書いています。サイト名の“SWAN”はメインコンセプトと絡めて、水面を泳ぐ白鳥からとりました。ちょうど沢登という苗字(Sawanobori)にも、“SWAN”の文字が隠れているんですよ(笑)。

プロダクトに向き合い、高速で“カイゼン”するチーム

ーー 制作会社から事業会社に転身したことで、どんな違いがありましたか?
ピースオブケイクでは、noteのカイゼンチームに所属することになりました。これまでずっと制作会社でキャリアを積んできたため、入社当初は自分たちでプロダクトを作っていくことにジレンマを感じることもありましたね。

また、事業会社と制作会社では課題も180度違うんだなと思いました。事業会社はプロダクトのことだけではなく、組織全体のサイクルがうまく回る仕組みを考えなければいけませんが、制作会社ではステークホルダーの承認が不可欠だったり。

カイゼンチームに入ってからは、ひたすらnoteのUIカイゼンを行いました。noteユーザーの方には伝わるかもしれませんが、僕たちはカイゼンの速さをとにかく大事にしています。ユーザーの反応はチームでよく確認していて、その場で直せるものはすぐに修正しているんです。Twitterの反響はもちろん、ユーザーからのフィードバックや利用頻度を元にカイゼンしています。

デザイナーとして手を動かす他にも、面接の対応をしたり、カイゼンチームで施策を進めるときに全体のタスク管理をしたりと、まだ誰も踏み入れていない範囲をカバーすることもあります。今でも手を動かすことは好きなので、両者のバランスを取っていきたいです。

【関連記事】

  • noteの会社に転職したデザイナーの話。
     ピースオブケイクに入社して1ヶ月で、沢登さんがカイゼンしたことのまとめ

  • noteカイゼン報告
     noteの様々なアップデートや新規機能についてのエントリー。ユーザーのリクエストから画像の拡大表示を実装したり、クリエイターと読者の意見の元新しい機能が追加されたりカイゼンされている。「スキ」登録をすると執筆者からオリジナルのメッセージが表示され、より執筆者のリアルな感謝の気持ちを読者に届けることができる。

面白いと思った方に進んで、後悔したことはない

ーー 5年後、沢登さんはどんなことをしているかイメージはありますか?

先のことはあんまり考えてないです。小学生の頃から今まで、自分が面白いと思った方に進んで後悔した経験はないので、このまま突っ走ろうと思っています。漠然とした遠い未来って、考えるための材料がなさすぎて混乱したり、不安になりませんか?必死に考えた未来も仮説に過ぎないので、直感や好きなことに従って今を生きるのが僕には合っているのかなと思います。ピースオブケイクにジョインした2018年は、自分について知ることができたから、今までで一番働きやすかったし、生きやすかったです。 今は、自分のスキルにも自信を持てているので、チームで言いたいことを全力でぶつけ合いながらプロダクトに向き合っています。

2018年末に移転したピースオブケイクの新オフィス

ーー これからチャレンジするデザイナーにアドバイスをお願いします。

現代に溢れる膨大な情報をどうか真に受けすぎないでください。膨大な情報の中にある経験談や事例はその人特有のバックグラウンドがあり、他人がうまくできたことが自分でもうまくいくとは限りません。だから、周りの情報を真正面から受け止めすぎないことは大切だと思います。他人のストーリーに振り回されず、他人の影響を受けすぎないためにも、自分のことを客観的な側面も含めてきちんと知ることが重要です。

キャリアチェンジの時にも、気にすることは何もないと思います。ずっと制作会社にいて、他業種と共創するという経験が少なかった僕も、今までの経験を活かしてチームで働けています。自分にマッチした環境があれば、必ずパフォーマンスは上がります。そんな環境を見つけるためにも、まずは自分自身で自分のことを分かってあげることが大切だと思います。

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https://magazine.redesigner.jp/post/pieceofcake-designer